オレンジと太陽
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監督 ジム・ローチ
出演 エミリー・ワトソン、デヴィット・ウェンハム、フューゴ・ウィーヴィング、タラ・モーリス
主人公のソーシャルワーカー、マーガレットが覆いをはぐことになってしまったイギリスのある歴史。 この重いこと。 隠れて輸出された子供の人数…15万人?…まさかぁ…である。 日本の拉致問題の進まないことを考えるとき、彼女が見つけ出していく子供たちのルーツの…多さ?…に人も、謝罪した国の姿勢をも、思わされた。 意志のまだ整わない子供たちだもの、あれは移民ではなく輸出でしょう。政府間の。 福祉の美名に隠れた、聖職者のおぞましさ。 マーガレットが巡り会う…国に見捨てられた子供たちの人生の様々…何ともやりきれなくて…それだけに彼女の姿勢のゆるぎなさに感動してしまいました。 デヴィッド(私にはフェラミアの優しさが最高だった)の演じた非常にひねくれた男性に対する一貫した姿勢、その心をほどくその過程、全て人柄と信念の産物です。 家族をも自分をも傷つけ土台にしてもせねばならないことをし続ける勇気でしょうか。 心を打つことがあまりにあふれていて、静かにその事実を繰り広げるこの映画の静けさまでもが彼女の義務感の強さを裏打ちして、素晴らしい映画だったと思います。 オーストラリアに移された子供たちの過酷、それでもルーツ母を知りたい切望に応えるのがイギリスの母たちの責務…そんな意志が画面の向こうからひしひし押し寄せてくる…そんな映画でした。 友人二人に薦めて二人ともが見に行って…感動して帰ってきました。
感動したのはあの大地で過酷な生を生き抜いた子供たちとの間に彼女が打ち立てた信頼を見たからでしょう。 その活動は今も続いているそうです。
「太陽」と「オレンジ」あの橙色の輝きが子どもたちに見せた偽りの幸せの象徴になってしまいました。
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