銀幕で美女といったら文句無く私にとっては「オードリー・ヘップバーン」「イングリッド・バーグマン」「マリリン・モンロー」に続いて最近「ニコール・キッドマン」です。

勿論美女はあまた居ます。
「バンド・ワゴン」のシド・チャリシー、「風とともに去りぬ」のビビアン・リー、「ウエストサイド・ストーリー」のナタリー・ウッド、「裏窓」のグレース・ケリー、「ジャイアンツ」のエリザベス・テーラー、「ロード・オブ・ザ・リング」のリブ・タイラー「ジョー・ブラックをよろしく」のクレア・フォーラニ、それに・・・と、ぱっとでもこれだけすぐ出ますから限も無いですね。
あの映画での「誰々」美しかったなぁ!ということはざらですよね。
オードリー・ヘップバーンは優しく愛らしい美女でしたし、イングリッド・バーグマンは上品な美女でした、マリリン・モンローはもう何も言うことが無いチャーミングが歩いているという美女でした・・・というようなイメージが私にはあります。

そういう言い方をすれば「ニコール・キッドマン」は険があるけどプッツンと壊れてしまいそうな繊細な美女です。
なぜかきりりと眉をひそめた神経質そうなちょっと意地の悪そうな?美女です。
だから「めぐりあう時間たち」のニコールにはちょっと驚きましたけれど。
この作品の彼女はお世辞にも美しいとはいえませんでしたけれど、見ているだけで痛々しい感じは、美しく撮れている映画で受ける感じと同じでした。
神経質に見えるのも、時に意地悪そうに見えるのも、多分彼女の繊細な美しさの上にある目の異様なくらいの力強さのせいかもしれないなぁと感じます。
力強いのにもうきりきりのところまで来ていて、後は砕けるだけだぞっていう感じといえばいいのでしょうか。時々それが棘々みたいな?
どんな役をしていてもどこかにきりきりしていて精神が病む寸前みたいな壊れやすいぎりぎりの美しさが垣間見えるようです。痛々しいと感じさせる何かです。
例えば「遥かなる大地」みたいな強情っぱりの行動的な鼻っ柱の強い役をしていても、「ムーラン・ルージュ」の結核で倒れる役をしていても(全く違う役でしょう?)、それが透けて見えるような気がするのですよね。
実際のご本人はこれだけの仕事をする強い人なのでしょうに「誘う女」や「ステップフォード・ワイフ」や「奥様は魔女」のような様々な役をこなしていても、根っこのところに「アザーズ」で見せた一押しすると砕け散るぞ!というようなぴりぴり感が漂っていて、どこかにもろさが隠れているような印象があります。
それがミステリアスな雰囲気もかもし出していて、彼女の美しさを特徴付けているような気がします。
男じゃなくてもどきどきさせられますよね、こういう美しさって。
しかしこの女優さんは美しいだけではないんですね。素晴らしい演技力に裏打ちされていることもよく分かります。年を取るとどうなるのかなぁ・・・どういう役柄を選び取っていくのかなぁ・・・どういう役をさせたいと周りは思うのだろうかなぁ・・・などと勝手に心配しています。
もしも、もしも、彼女の細い絹の糸のような美しさが・・・と、思っただけでもう・・・