こんなに書くことがいっぱいある俳優さんて他に居るでしょうか?
私にとってピーター・オトゥルが見果てぬ夢だとすればクリント・イーストウッドは身近な夢です。
何しろ作品がいっぱいあって、「見たいなぁ!」と思う前に何かしらTVで放映されます。
新作もちゃんと程よいピッチで来ますしね。
ピーターはなかなか見られませんからいつも彼の作品に飢えている状態ですが、クリントは多彩に活動していて何度でも見ることが出来るという安心感があります。
大体子供の時から彼は私の憧れで、しかも身近に居るという感じです。
「ローハイド」なんて、もう死ぬまでお目にかかれないと諦めていたのにどうです?
衛星第二の再放送で見れちゃった!なんて嬉しいことでしょう。
子供の頃の茶の間とTVを懐かしく思い出しました。
クリントのなんと若くて颯爽としていて真面目で初々しかったことか!
その後もマカロニウエスタン・ダーティ・ハリーシリーズと、彼が演じれば見られる物はたいていは見ました。
「荒野の用心棒」など、マカロニウエスタンの音楽のなんと胸をときめかしたことか!
ゾクゾクしながら見ましたよねぇ。細めた目、口の端の葉巻、ぼそっと一言、思い出してもカッコイイ。
カウボーイ物とハリー・キャラハン以外では、ざっと思いつくだけでも「ミリオンダラー・ベイビー」「許されざるもの」「スペース・カウボーイ」「アルカトラズからの脱出」「目撃」「ザ・シークレット・サービス」「トルゥ・クライム」「マディソン郡の橋」「パーフェクト・ワールド」「ルーキー」「タイト・ロープ」「ガントレッド」「白い肌の異常な夜」・・・
何で惹かれたんだろうなぁー・・・子供の頃には「背が高くて、金髪で、ハンサム」なんて人そう見ることは無かったからかもなぁ・・・珍しかったのかも。
見た全部の作品について書くなんて大それたことはできないから、それに「ダーティ・ハリー」が何で好きなのか自分でも分からないから(だって、友人で好きな人誰も居ないのよ。皆人殺しで暴力的で、何であんなの見るのさっていう人ばかり)、書けない気がするし。
「ローハイド」で「フェーバーさん」なんて言っていた穏やかな彼よりも、彼には歯を食いしばったような苦い顔が良く似合って、その顔がなんとも好きなんだなぁ!
大本はハリーの顔よ。
こっちも年を取ったからかもね?
年を取っていくのを見てもそれが全然悲しくない人だわって思っています。
ロバート・レッドフォードなんかは最近見るのが辛いような気がしてしまうのに。
で、そういう顔が生きている彼の作品がやっぱり好きなんです!
だからそういう意味で好きなのを挙げろって言われたら(勿論、ハリーは抜いて)、まずは
「スペース・カウボーイ」あの顔と会話がなんともいえない!もう笑えて笑えて、ホント全く、どうしようもなくしょうがないんだから・・・と言いながら「可愛いおじいちゃんたちだなぁ!」って、マーシャ・ゲイ・ハーデンのように顔を振りながら暖かく見つめちゃう。
この作品は彼だけが好きというよりあの4人のおじいちゃんのハーモニーが好きなんだとは思いますけれどね。トミー・リー・ジョーンズとの遣り取り秀逸でしょ?素敵なお伽噺だわ!
この作品でも、「許されざる者」でも、「ミリオンダラー・べイビー」でも私だったら男優賞あげちゃうのに!って、思っています。ええ本気で!絶対!
「ザ・シークレット・サービス」も好きだなぁ。この映画の場合もジョン・マルコビッチとの競演の面白さが際立っていたように思うのよね。年齢に鞭打っているところ・・・そういう時の彼の顔・・・いやぁなんとも格好いいんです。
ほら、車について走っていくときの辛そうな顔!
顔が年と共に鶴のようにそそけてゆくのに体格が際立っていて、スックと立っているところ(一寸背中に年が出ている感じ)が又なんとも言えず哀愁を感じていいんです。
しわだってしみだって全部ひっくるめて渋さがいいのですよ。
う~ん・・・なんか一緒に歩いてきたような懐かしさを感じちゃうんでしょうねぇ。