監督  マーティン・キャンベル
出演  ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、マッツ・ミケルソン、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト、ジャンカルロ・ジャンニーニ

ホント、久しぶりの007映画堪能!
007シリーズを読んだのはもう40年近く前になる。そして、ジェームズ・ボンドは私のヒーローの一人となった。彼のスタイル!=ため息!!!
だからショーン・コネリーの時でさえ受け入れるのは・・・、だがその後のボンドは考える余地も無い。
「ショーンのボンドは良かった!」と、思えるようになったのは、その後のショーン・コネリーの活躍にも因るかもしれないが。
ティモシー・ダルトンはその中ではまし?と、思えたがちょっと荒削りすぎる。ロチェスターならはまり役でも、ボンドにはスマートさに欠ける・・・というわけで007映画からは長く遠ざかっていた。
予告編でダニエル・クレイグという俳優のボンド就任?を知ったが、「これは?」と、思わせる何かを彼は持っていた。
髪?許せる!目?許せる!額?許せる!鼻?許せる!口?ここではたと私は迷った。う~んこのちょっと受け口の唇は果たしてショーン・コネリーのように酷薄さを漂わせることが出来るのだろうか?
むしろキスにもって来い!って感じじゃないかしら?いつでも美人にはスタンバイ、OK!って?
でもそのスタイル!満点の肩の上の小さな顔!いけるかも?
というわけで3〇数年隔てて、銀幕の007とまみえたのですが、「結構!毛だらけ猫灰だらけ!」って寅さんなら言うだろうな・・・と、思いながらの鼻歌交じりの帰宅になりました。
面白かった!
この一言でしょう。
ヴェネチアの歴史的建造物が崩れていくところなんか・・・うぁー!
色々な有名ビルが倒壊するところは散々見てきたけれど、あの静かな崩れ方は別物だったなぁ。
絶対手を触れてはいけない聖域になんてことするんでしょうね?
でも妙にリアルで妙なカタルシス?
しかし、こんな映画こんなに楽しめちゃうなんて・・・
ダーティ・ハリーやダイ・ハードが好きな私の一部がこの作品でもわくわく震えたってことですが・・・男兄弟の中で育った歪みかな?なんて、「ちょっぴりうしろめたさ」もヴェネチアの衝撃で忘れ去られました。
風景は満点!ただ欲を言えばカジノの緊迫感がもっとあっても良かったのに・・・記憶の中の勝負はもっとスリリングだったような?
カードもトランプだった子供の頃の記憶だからかなぁ?
私的にはドァのナンバープレートが印象的だったけれど、今はカジノこんなんですか~?なんて、時代も自分もそこはかとなく・・・哀愁?
さて、次は彼で「ロシアから愛をこめて」を見たいなぁ・・・と、思うのですが、頭の中のショーンとの対決!これもわくわくするんじゃないかなぁ?
「灰色の」マチュア・・・ジャンカルロ・ジャンニーニが演じると「ハンニバル」の彼を思い出させて(強烈な印象が残って)、つい「限りなく黒だよぉ」と彼が出てきた瞬間もうボンドに言っていました。だからスパイ映画は出来たら色の付いていない配役でお願いしたいなぁ。