アーサーとミニモイの不思議な国

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監督  リュック・ベッソン
出演  フレディ・ハイモア、ミア・ファーロー、ペニー・バルフォー、ダグ・ランド、マドンナ、デヴィッド・ボウイ、ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェィ・カイテル、スヌープ・ドッグ、ジミー・ファロン(声も含む)

「アー、私って馬鹿だ!」と頭をぽんぽんしたい気分!
折角のレディスデー、友人と映画を見に行く約束が彼女のお姑さんの腰痛でおじゃんになりました。それでも折角のレディスデー!見たい映画は山ほどあるし・・・と一番見たかった「パンズ・ラビリンス」にそそくさと出かけ、「アア、ソウダ、折角旦那は飲み会で遅い!」こんなチャンス!と、思ったのですよ。久しぶりの二本立て?
一番近くの映画館ではこの映画なんと吹き替え版しかしていないのです。有楽町では字幕版やってる!という訳で素直にこの映画に流れたのですが・・・絶対順番間違えた!
はなっからちゃんと考えて映画へ行けばこんな選択順ありえなかっただろ!と自分をどついています。
これは普通に見ればこれはこれなりに楽しめたのです。
もともとデヴィッド・ボウイやマドンナや吹き替えの人名に引かれて字幕版見たかったのですし・・・あの人形の国・ミニモイ国の魔王マルタザールはねぇ、「ラビリンス」の魔王の再来かも?なんて・・・
私はこの手の映画には全く文句を言わない人なんですよ。
楽しめるだけ楽しませてもらって嬉しい気持ちいっぱいで帰る人なんですから。ところが「パンズ」は余りに強力でした。
頭の中の映像は「アーサー」を見ても消えるどころか・・・見ている間にも顔を出しそうな勢い!
だけど人間って凄い。あれもこれも人が生み出した世界です。
映画は一本見るごとに七色どころかもっと沢山の色々で世界を見せてくれます。人の想像力の素晴らしさに感嘆させてもらって夢を分けてもらって自分を自分じゃない世界に遊ばせます。
このミニモイ国も緻密に面白い人形世界のようで楽しかったのです。勿論アーサーが何故あの世界に飛び込むと途端に人形バージョンになってしまうのか、その必然が今一分かりませんでしたが。
だってねぇ、フレディ君がそのまま小さくなっては何でいけないの?折角可愛い上手な子役さんが居るのに。人形とかみ合わせる面白さもあるだろうに?それは突然あののっぽの純粋オーソドックスアフリカ人さんが現れる以上に私には?が大きかったのですが。
ミニモイ国のキャラクターはマルタザールをも含めて可愛かったからいいんですけれど。ミニモイ国に居たおじいちゃんはあんなに可愛かったのに何で人間界に戻ると冴えないおじいちゃんになっちゃうのかなぁ・・・なんてちょっとした不満もあるにはあるけど。でもやっぱりここに戻るのですがひゅーっと冒険に飛び込むのは何ていったって子供っぽくって可愛くって楽しくって・・・ソリャこんな世界だけを見て生きて行きたいよねぇ・・・と「パンズ」のオフェリアを痛ましく思い続けているのです。
私にとってはなんか不運な映画になってしまって・・・誰かに謝りたいみたいなもやもや?
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エディット・ピアフ~愛の賛歌

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監督  オリヴィエ・ダアン
出演  マリオン・コティヤール、シルヴィー・テステュー、ルイ・パリエ、エマニュエル・セリエ、ジャン=ポール・ルーヴ、ジャン=ピエール・マルタンス、ジェラール・ドパルデュー、マノン・シュヴァリエ、ポリーヌ・ビュルレ

「愛するため歌うため生まれてきたピアフ」
何のために生まれてきたってわかるってことは最高に羨ましいこと。だけどそれを全うするためには・・・!
ピアフの生涯については知っていることもあったけれど、この映画を見て知ったことは多分彼女の歌を聴く点では本当は意味の無いことかもしれない。歌を聴けばそれでいいことだから。彼女の歌はただ聴くだけですべてを語るから。
それでも何がって、一番衝撃を受けたのはエディットを演じたコティヤールさんの老け役。と言うかエディットの晩年の衰え方!
年齢的な幅で言ったらせいぜい15年。若い俳優さんの上手な老け方には最近メークの進歩もあって驚くことはなくなりましたが、この作品は衝撃でした。
コティヤールさんは32歳。ピアフが亡くなったのは47歳です。でも最後の療養中のピアフは今なら80代の老婦人といってもいい老け方でした。アルコールと麻薬と病気と事故、彼女の人生の重さが目の前にがーんと突きつけられた衝撃でした。47年の生涯が80年もの生涯に当たる?凄い女優さんだ!
歌手としてこんなにも愛され続けている人の、その賞賛を支えた激しい浮沈の人生がコティヤールさんの演技でここまで劇的に胸に迫ってくるとは!あのような地獄から天国までとも思われる彼女の人生こそが彼女の歌にある説得力と言うか魅惑と言うかの源泉だったのでしょう。天性の声と声量に付した。
改めてコティヤールさんの口を借りて響いてくるピアフの歌は重く心に滲み込んできました。
なぜならコティヤールさんは歌手だけを出現させたのではなく歌わずには生きられない女を出現させたからです。
映画的に言えば過去と現在の映像の切り替えが多すぎたり、そのせいで彼女の人生の軌跡が却ってわかり難くなっているような気がしましたが、反対にその劇性は浮かび上がってくるようでもありました。
母の、父の、祖母の、愛してくれた娼婦のその後?モモーヌの、側近?の出現、その他の多くの恋・結婚?ドパルディの演じた劇場主の事件、歌・曲を提供してくれた人々、人脈(マレーネなど)、彼女自身が生み出した歌など・・・知りたいエピソードの殆どの省略が惜しいような。
だけどその省略が一つの強いスポットライトを生み出してこの映画の背骨の強さになったとも感じられて、一つの悲劇としての味わいは深かったようです。深みが強さでした。
老婆のようになったピアフに提供された「水に流して」の歌詞は人生の終わりに足を踏み入れた私にも深くしみこんで味わい深い作品でしたが、あの歌曲を耳にしたピアフが生き返るように背筋が伸びるところで涙がこみ上げてしまいました。
歌に魂は添えても、添え続ける体がもう彼女には失われていたのだとどうしようもない、誰をも恨めない涙が流れるようでした。
心を揺り動かす歌というものがどんなところで生まれるのかということを思うと、歌はあだおろそかにはできない・・・
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オーシャンズ13

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監督  スティーヴン・ソダバーグ
出演  ジョージ・クルニー、ブラッド・ピット、マット・ディモン、ドン・チードル、アンディ・ガルシア、アル・パチーノ、バーニー・マック、エレン・バーキン、ヴァンサン・カッセル、ケイシー・アフレック、エリオット・グールド、カール・ライナー、シャオボー・クィン、スコット・カーン

男性見本市みたいなこの映画、楽しめることは確かです。
どんどん人を取り込んでアメーバーみたいに増殖してゆくようで、「11」の時はそれぞれの仕事がわかっていたような気がしていたのに、今はどうでもいいです?最初はこれでも名前と得意分野を把握しようとしていたんですけれど、どんどん大物が出てきて出番いっぱい仕事をしてくれるので、全体イメージで楽しめばいいかと。
ヴァンサン・カッセルさんまで又出ていましたね・・・ってことわぁ・・・次回はアル・パチーノさんも残ってくれる?
そのくらいの気持ちでも十分に面白いです。先週友人とアル・パチーノが可愛かったという話になって(ご主人が好きなので夫婦で行くそうです)・・・そういえばジョージ・クルーニーさんの若い時って知らないですねぇ・・・ERで知って(既に中年)、気が付けば大物?
まだ私ラスベガスって行った事ないんですよね・・・行く気もないのですが、TVドラマや映画でこれだけ景色を見ると、その時だけはやっぱりここを見なくちゃアメリカはわからない?なんて思っちゃいます。でも観光客が一寸ばかし小銭を落としたって何を知ることができるわけで無し・・・やっぱり画面で「凄い!」と思っていよっと、ということになります。いい男もいい女もいい金も悪い男も悪い女も悪い金もあってアフェアに事欠かない目くるめく町の天辺でアンディみたいにかっこつけてのぺっとして居たいですよねー。
どんな人生だろ?実際あんな奴いるんだよねぇ・・・でもってすっごい詐欺師もいて・・・あー事件の真っ只中へ・・・ってどこにいても私の周りには事件は起きないんだよねぇ・・・。だからこそ小気味のいい!しかもみみっちくも微笑める会話をめいっぱい楽しみましょうってもんです。出来たら・・・ブラットはもう「ジョー・ブラック」じゃなくなっちゃったから、目の覚めるような新人坊やを添えてくれないかしら?とまぁお願いだけ挟んで。
シナトラね?シナトラ一家と言えばシナトラさんが跳びぬけて親分さんと言う感じ(あくまでカンジ!)で、ダニーはオーシャン一家親分さんとならないところがこの集団の魅力よね。3人横並びの黒メガネシーンもあったし、ね。ヨッ、兄弟ってもんよ!(三作同じ監督なのも安心テイストなのかな?)
リベンジは小気味よく達成したし、ルーベンさんが仲間の手紙の山を読み崩していくところとか、成り行き善人にされたベネデクト氏がTVのインタヴューでうまいことなりきりでしゃべっているのも良かったね!だし、見事はめられたナイトフォックス君のこけた表情も笑えたし、最後にホテル格付け要員?さんの悲惨さがとりなされてほっとしたし、仲間っていいなぁと手放しで羨ましかったし・・・いやー上手に炎暑の一日楽しませて頂きました!
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あなたになら言える秘密のこと

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監督  イザベル・コイシュ
出演  サラ・ポーリー、ティム・ロビンス、ハビエル・カマラ、エディ・マーサン、ジュリー・クリスティ

ボビーを見損なって、ギンレイでしているのを見つけたときには、あそこは二本立てだから、おまけのつもりでついでに見る映画だったのだが、結果的には大もうけ!だった。
2本とも見ごたえのある素晴らしい映画だった。
この映画を見てから〈孤独である〉ことと〈一人で居ることが好き〉
の間にある深くて大きい溝の事を考えていた。
工場では内気な一人が好きな潔癖症の変人に見えかねないハンナだったが、丁寧に描かれているうちに、彼女が〈一人でいることが楽〉なタイプの女からずーっと離れたところにある重くて辛い記憶を抱えている気配が伝わってくる。
折角の?一人旅で看護士を買って出るところ、選び取る生き方のストイックさ・・・何があるのだろう?と、思ったところから引き込まれていった。前半の無言の時間の多さも心がほどけていくためにかかる時間と必要な沢山のステップの事を考えれば、短いくらいのものだったのだろう。
行った先の海中油田の孤独な佇まいが実に見事なシチュエーションに思えた。心象風景の具象化とでもいったらいいのか。
ところでもう一つ考えているのはティム・ロビンスのことだ。
目が見えなく寝たきりで顔も包帯で殆ど覆われている。でも、演じているのは彼だとわかっている。あの大柄でポワッとした子供めいた頬のあの人でしょう?そしてあの状態でのあのおしゃべり・・・癒しが始まるだろうと予期してしまう。
話してしまう、打ち明けてしまうという行為にある慰め・・・我に返ったときの気まずさ・・・そう思うと、顔を見られないで相手が誰だか知られないで話せるそのシチュエーション作りの上手さが際だつ分、ティムさんの役柄を未知の人にしてもらった方がより良かったような?
顔や体の傷は時間が癒してくれる事を目に見させてくれるから、鏡を見ながら癒えていくのを実感できる。けれど心の中の傷は時間が癒してくれていたとしても目にも見えず、自分でも気が付かないのかもしれない。痛い記憶だけが居座っているので、気が付くきっかけが要るのかもしれない。
あの沢山の石鹸が上手に語るのを見ていて、表現の見事さに驚かされた。
真に孤独な人は本当に孤独になれる場所を探し当てるものなんだなぁ・・・そしてそういう場所は優しくて孤独をも癒してしまうんだなぁ・・・
ERのコバッチュはクロアチア人で妻子を亡くしている設定で、最初に出てきた頃はその痛みを見せていて心を打たれたし、先日BSで放送されたイギリスの「第一容疑者」もボスニアの大虐殺を描いていて鋭く心に残った。ボスニア紛争は記事で知っていたが映像(フィクションでもノンフィクションでも)の力を改めて思う。
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あるスキャンダルの覚え書き

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監督 リチャード・エア
出演 ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ、アンドリュー・シンプソン、トム・ジョージソン、マイケル・マロニー

先日知り合ったばかりの方と映画の話で盛り上がりました。その方からお電話でこの映画誘われましたが、あの時毎週ご主人と映画に行くと言っていらしたので、「ご主人は?」「彼が見ても面白くなさそう。」
「全くその通りだ!男性には見せたくない。」と、思いました。
でも女性にとっては・・・!殆ど女性で埋め尽くされた映画館で見終わった時、期せずして多くのため息が漏れたのを聞きました。
そして、その方も私も本当に深いため息をついていました。
映画の中の二人の女性、ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットが演じたバーバラとシーバの中にどなたもいくばくかの自分を嗅ぎ取ったからではないか?と思ってしまいました。
どちらの女性に傾いても、程度の差こそあれ、女なら多分誰しもが映画の中のシチュエーションなり、感情なりに覚えがあるでしょう。もしその人が孤独を知っていたら・・・受け入れられなかった何時かの記憶があったら・・・そして、どんな社交的でどんなに愛されてきた人でもきっと何らかのバーバラとシーバに思い当たるのではないかと思いました。
嫉まれた人も、嫉んだ人も。執着した人も、執着された人も。受け入れられた人も、拒絶された人も。一人暮らしの人も、家族に取り囲まれている人も。これは私がどっちの側の人間であるということではないのです。不幸なことにこの女性を演じた二人の女優さんは余りにも上手かったので、女の性がむき出しに描かれすぎたのではないかという気すらして恨めしい。いやぁ、怖かったなぁ・・・と言うのが実感でしょうか。えぐられた感じですよ。
人はどれだけ孤独だったとしてもそれに慣れることも狎れることも出来ないのだと思い知りました。バーバラは過去に執着した人を“病気”にしているのに、又執着したシーバを追い込んでこんなスキャンダルに、そしてその後も又同じ金髪の弱々しい人に擦り寄っていく・・・学ばないというか、もうその性としか言い様がないのですが、その性こそは彼女の孤独だった人生が彼女に付与したものだと思うと哀れです。ジュディ・デンチさんの厳しい顎の線と容赦の無い目の光がそれをものの見事に表現しつくして怖い。あのヘンダーソン夫人の愛すべき頑固さとは全く違ういこじさを見せていましたね。微塵も、これっぱかしも愛される何かを持っていませんでした。
そして一方のシーバもあれだけ傍から見れば問題はあっても生きていくのに不足を言っては罰が当たる?かとも思われる状況下でも満たされない空虚を抱え込んでいる。誰かから影響を受けて塞ぎたい穴を持っていてその誰かから流され易い性を持っているとも言えるのかな?過去に30歳も?年上の夫に充たしてもらい、今少年に、そしてバーバラにと・・・。そして又夫の下に塩垂れて還ってゆく。
永遠に彼女もこの循環を続けそうな哀れさです。ケイト・ブランシェットさんが甘い惨めさ弱さをその姿いっぱいに美しく表現して悲しいくらい愚かです。ガラドリエルで表現した尊厳の欠片も見せません。
そして自分の中にある何かを顕微鏡で覗き込めば彼女たちと同類の欠片が私の中にもしーんとしてあるのです。それはやはり拡大して見たいものではありません。その気持ちに行き当たった時あのため息が洩れたのです。初めての方と一緒に見るには心底疲れる映画でした。行くならお一人でどうぞ!
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蒼き狼 地果て海尽きるまで

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監督  澤井信一郎
出演  反町隆、若村麻由美、菊川怜、保坂尚希、袴田吉彦、松山ケンイチ、松方弘樹、平山祐介、Ara、

井上靖さんの「蒼き狼」の映画化かと思っていたら森村誠一さんにも「蒼き狼」があったのですね。知りませんでしたが、日本映画のスペクタクル大作?・・・私は古いのよ、認める!・・・と思ったので出かけていきました。
え、今頃なんで「ジンギス・ハーン?」とは思いましたけれど。
森村さんジンギス・ハーンどのように描いているのかなぁ?・・・そう思ったのなら読むべきでした!
あのジンギス・ハーンの生涯を2時間少々で見られるわけはないのでどのくらい絞った?又はどこにスポットを当てた?が興味の半分(脚本次第では楽しめるぞー!)、残り半分は司馬さんが愛したモンゴルロケを堪能させて頂こう・・・でしたから・・・でも、あぁ、なんと言ったらいいのでしょう?見終わって呆然としてしまいましたね。
だって、当然見てきたからにはここに書こうという意欲満々でしたからね。
「うわぁ、何も書けないぞー!」しか最初頭に浮かばなかったんです。
せめてテムジンの持っていたカリスマ性の具体的な断片でも沁み出てくればねぇ・・・「なんでテムジンのところにばかり人が集まるのだ?」を目に見せてくれればねぇ・・・
でも収穫はちゃんとありましたよ。
実際モンゴルの広さは、あの本当に凄い人海作戦でも埋め尽くせないほど広大だって言うことが分かりました。あれだけの人や馬があの戦闘が惨めに見えましたものね。「ロード・オブ・ザ・リング」の戦闘シーンの方が面白かったなぁ・・・なんて思っちゃいました。
馬の地鳴りの音が響いてきて、敵はまだ1日の所に居るなんて?
監督は時間も土地も余りに広大すぎて飲み込まれちゃって量りそこなっちゃったんじゃないかなぁ・・・とちまちました日本で暮している私は同情してしまいました。
そういえばちょっと、いや大分以前?聞かれたことがありますよ。
「あなた竹之内君?反町君?」「どっちかって言えば反町君!」なんて。それなのに反町君てなんか可哀相。当たっているのに当たらない?いい役来ることは来るのに今一その作品に結果恵まれそこなったような?微妙さ。信長も大和もねぇ。皆同じ顔と同じ声と・・・って当たり前か・・・んーどうしたらいいんだろうねぇ?演技力を超えた魅力を目指す!ん?三船敏郎さんと同じ?大きな目標だよね?でも相手にとって不足なし!
その点若村麻由美さん。「夜桜お染」で時代物の押しも押されもせぬ女性トップ!美貌も粋も絶頂!と思ったのに・・・心配しておりましたが・・・ここでは良い役柄に恵まれて彼女一人気を吐いた!って気がして、若村さんの朗読劇に巨大な紙芝居背景が付いた作品って印象も?
反町さんと若村さん以外は土地の人を使う方法って無かったのかなぁ・・・モンゴル語・日本語字幕付き?特に松方さん・津川さん(てっきりお兄さんの方だと思いましたが)の演じた役なんかはモンゴルの人(日本語吹き替え?)の方がまだマシの様な。
なんかなぁ・・・どこをどうって・・・私の手に余る?・・・ってソリャそうなんだけど・・・なんかどうにかって、思うじゃないのねぇ・・・
Araさん?大きなお目々が凛として綺麗でしたねぇ、クランという女性を全く描きそこなった映画でデビューですか?勿体無い。
で、作品の感想は遠慮します?遠慮している?
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オーロラ

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監督  ニルス・タヴェルニエ
出演  マルゴ・シャトリエ、ニコラ・ル・リッシュ、キャロル・ブーケ、フランソワ・ベルレアン、カデル・ベラルビ、ヤン・ブリダール、竹井豊、マリ=アニエス・ジロ、ティボール・ド・モンタレンベール

友人を「ヘンダーソン夫人の贈り物」に誘いました。そうしたらお隣で「オーロラ」をしていました。
「あなた今日時間ある?」「あるわよ、いつもどおり。」
「私オーロラ見たかったのよ。もう終っていると思ったのに・・・隣でしているならはしごしない?」
と言うわけでぴったり15分の幕間?急いでそこでサンドイッチと紅茶でお昼を済ませて飛び込みました。
そんなわけで凄く楽しんだ濃い映画の後で微妙に綺麗な映画を見ちゃいました。
この微妙は最近のビミョーではありませんよ。本当に微妙なニュアンス、一口ではいえない難しさ・・・です。
物語的にはファンタジーとして、微妙?
バレー物として、微妙?
ロマンに溺れるにも微妙?
ファンタジーにするならもう少し奇跡でもちりばめてファンタスティックにして欲しかったなぁ・・・
バレー物を強調するならもう少し見ごたえのある舞踏を見たかったなぁ・・・素晴らしいダンサーをそろえたらしいですもの、どうせならいやってほど踊りを堪能したかったなぁと、微妙に物足りないです。
ロマンチックを味わうにはもっと宿命の恋にして?
王女は初々しくて可愛いし、王妃は本当に美しくて、舞台装置もファンタジーらしくて悪い奴は悪いし・・・王子は・・・これはすっごく可愛い、微妙にうちの息子たちの子供の時より可愛いかも???
微妙に浮遊している悲しみのベール、と踊りが禁止されているという謎のベールと感情の薄い恋のベール。紗をかけたようなトーンが魅力と言えば魅力。
「画家がねぇ、ハンサムなのかどうなのか微妙な感じと思ったらバレリーナーだから変だったのね?」と、友人も微妙を付け加えてくれました。男の人もバレリーナでいいのかな?バレーダンサー?
いずれにしても首に一番体型特徴が出ます?そこがちょっと男性として微妙に浮世離れして見えませんか。
本当に妙に存在感の薄い人でしたね。そしてその恋もあれは恋というより魅惑に近いでしょうか?
ジパンゴ王国と王子とその踊りはイヤダなぁー、これは微妙を越えていました。
首飾りとか王妃の衣装とかがなにかもっと絶妙な奇跡を起こしてくれるのかな?と、期待していましたが・・・王妃も画家も殺されちゃったままだったのですよね?誰かに念を押さないと納得できない気がします。
王女の踊りのなんと繊細で悲しいこと。あーぁ、とため息が出ましたがこれは何のため息だか・・・説明は難しい。この映画の全ては彼女の魅力に尽きるかも?とは思いました。少女から女性への微妙な裂け目に立っている危うさ。明日でも昨日でもない今を監督は捉えたのでしょう。化粧をし、衣装を身に纏うと彼女の魅力は腰砕けに成ります・・・と、思いました。
あの衣装面白いですね。身につける時は大変なのに線一本抜くだけで解けちゃうの、歌舞伎みたい。いつも脱皮してから踊るのだけれど、一回脱皮するたびに大人に成って成熟して蝶に成るのではなく、1回脱ぐたびにこの世から浮き上がって浮世離れしていくようでしたね。そんなわけで微妙なニュアンス分かってもらえたでしょうか?
この監督は他にもバレー物を撮っているようです。
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エラゴン

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監督  シュテフェン・ファンマイアー
出演  エド・スペリーアス、ジェレミー・アイアンズ、シエンナ・ギロリー、ジョン・マルコヴィッチ、ロバート・カーライル、シャイモン・フンスー、

早い話ファンタジー大好き人間としては見ないわけには行きませんよね。
だから勿論、ドラゴンとジョン・マルコヴィッチとジェレミー・アイアンズを見に出かけてゆきました。
ジョンとジェレミーでは全く違うタイプの顔なのに好きだなんて、我ながらおかしい!でも2人とも好きなんですからしょうがない。
しかし悲しいかな、ジョンの出番はほんの少々・・・でもまぁ、次回作「エラゴン2?」には出番は大幅に増えそうという感触があったから許せる!でもジェレミーはさっさと殺されてしまって・・・「なんだこれでは大人の鑑賞に耐えるところが無くなっちゃうじゃないのさ!」と私は膨れっ面です。ジェレミーさんもちゃんと年は取っていますがいいお顔ですよねー、なのに勿体無い!
エルマーの竜から金龍山浅草寺の金竜の踊りの竜に至るまで、竜とかドラゴンとか聞くと素通りできない私ですから後はもう竜だけが頼みの綱!
青色発光ダイオード以来?クリスマスの電飾も青が主体の昨今、竜も青色が主流なんでしょうか?
面白い竜を楽しんできました。青い卵から孵った青い竜!
しかも完璧におばさん顔していました。驚いた!
ゴジラもキングコングも表情が豊かになって楽しみは増えましたが、オバサン表情の竜はこれまたなかなかいい感じ!なかなかのレディって感じです。
ファンタジーとはいっても私はこの物語は全く知りませんでしたが、「ドワーフやエルフの国の隣」にあるアラゲイシアという国の話として始まったこの話そのものにはちょっとがっかりでした。
「ロード・オブ・ザ・リング」や「ゲド戦記」の2番煎じの予感でした。実際「行かない?」「行かない!」の遣り取りの友人には「残念でした。ロード・オブ・ザ・リングを見直した方がずっと楽しいと思いました。」と簡単な感想を送ったくらいです。
新味に乏しいという感じです。物語・映像あらゆる点で薄いって感じでしょうか。
魔法使いやその操る者のイメージも「指輪物語」のオークやウルクの安物みたいでしたし、言霊のイメージも古い民話などからの借り物の感じが否めませんでした。つい最近「ゲド戦記」で同じイメージ読んだばかりです。
でもね、私はやっぱり物語物語した冒険ものが大好きなんですね。全くどうしてでしょうね?だからちゃんと「続き」も見に行きますよ、何時来るのかな?
主人公のいかにも農民出のエラゴンを演じた坊やは化けるかもしれませんし、早々消えた従弟のお兄ちゃんも再登場アリカモ?だし、あのお姫様日本の女優さんに良く似た人がいますよね(それが思い出せなくて気になってるし)、何よりジョンのガルバトリックス王の竜も出てくるはずなんですよね?竜が鎧兜を付けるんですよ・・・王の竜の戦闘服見ようじゃありませんか?
そう、ドラゴンライダーの世が又首尾よく戻るなら?ドラゴンがもっと生まれてくるはずですよ・・・何匹の竜が見られるかな?・・・なんて、思っているんですが・・・。
新しい本のようですからとりあえず?帰りに図書館で予約してきました。
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硫黄島からの手紙

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監督  クリント・イーストウッド
出演  渡辺謙、二宮和也、伊原剛、中村獅童、加瀬亮

「父親たちの星条旗」に次いでこの映画!
前作以上に感動した!
一緒に見た旦那は「始めから終いまで重かったなぁ!」
戦争の悲しさ、むなしさ、やりきれなさ・・・余すところなく表現されていた。
「ラストサムライ」でやっと外人による日本人を扱った映画が見られるものになってきたな・・・と思っていたが、この映画はその枠を超えていた。
知らなければオール日本人スタッフで取られた映画だと思うところだ、細部に至るまで。
何で日本の映画人はこのような映画を今まで作り得なかったのだろうか?ちょっと無念な感じ。
あの戦争の無謀さ無知さがやりきれないほど胸に迫ってくる。
栗林中将、西中佐・・・これほどの知性や人格もが飲み込まれていった戦争へ傾斜して行く世論、時流!こんな恐ろしい物は無い。
そこが戦争のやりきれないところだ。
彼らの知識を戦闘でしか生かせなかったことがやりきれない。
「5日で終る戦いを36日間凌いだ」というコピー。
一日でも長引かせればそれだけ本土への空襲を遅れさせられる・・・そのために尽くされた人智の悲しいこと。
こんなにさらりと戦争をしている当事者たちの異常を淡々とさらして見せてくれた映画は無いかもしれない。
靖国の事だって何で靖国が問題になるのか若い人たちに考えさせるかもしれない、下手な論調の新聞なんかよりこんな映画の方が。
どっちかが悪者だったり、どっちかに英雄が居たり、どっちかの立場にしっかりたっていたり・・・して描かれた戦争物は幾らでもあったが、この映画二部作では実に公平にどちらの側にも立脚していない。だからこそ戦争はむなしいだけのものだと納得できる。
日本人の投降者があっさり銃殺されるところ、日本人に捕まった米兵が虐殺されるところ、米兵を看護させるところ、否応無く自爆させられるところ、日本人の負傷者が米兵と並んで並べられているところ・・・変に力も入らず同じトーンで見せている。これが人間なんだと納得させられる。
西中佐の南方での戦死は知っていたが、それが硫黄島だったとは・・・。
この映画の視点となった元パン屋の兵士の熱くなり過ぎない視線が淡々と事実を突きつけて、この映画を普遍的な戦争否定映画に昇華するのではないかと思った。
彼の持つ庶民の明るさ逞しさがかすかに匂っていい感じ。
私の今年の洋画3本を選ぶとすればまず第一の指・・・と、思って、はて?これは洋画なのかなぁ?と思う。凄い人だなぁクリント・イーストウッドという人は。「ミリオンダラー・ベィビー」もそう思ったけれどこの人の立っているところは好きだなぁ。好感が持てる。
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オペラ座の怪人

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監督 ジョエル・シューマカー
出演 ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン、ミランダ・リチャードソン、ミニー・ドライバー、

ユナイテッド・シネマ開館500円サービス今日も使っちゃいました。ついこの間、公開されたのを見たばっかり・・・という気がしますが、ここに書いていないところを見るともう結構前になったんだなぁと驚きます。でも直ぐ思い出せるというか目に浮かぶ印象的な魅力的な映画でした。
公開前からの予告・広告で何度も聞いたせいか、音楽もあのクライマックスも全て頭の中にしっかり収まっていますよ。っていうか、忘れられない!
でも、500円なら土砂降りでも劇場へ何度でも行きますよ!(それにしても凄い吹き降りになりました。折れて捨てられた傘が地面にいっぱい這い蹲っていました。ララポートは海の傍なんですねぇ。)
これも「劇場が命」っていう映画です。何しろオープニングが圧巻です。
あの白黒の場面からシャンデリアが上がっていく場面に色と音楽が思いっきりかぶさってくるあの時!
心臓が止まるかと思うほどです。
この場面だけで映画の醍醐味凝縮!って思いますよ。
物語の舞台が上の本物の舞台(陽の夢幻)と地下の舞台(陰の夢幻)の2部制、オペラ座の二つの顔・陰と陽の世界という構造で、その華やかな厚みが凄い!って、感嘆です。
ここだけで行く価値有りなんです。
エミー・ロッサムが華奢で可憐が命という歌姫を演じていました。
二つの選択肢の間で、迷いに迷い、揺れに揺れるという迷惑さ?ですが、男にとってこれ以上拍車をかけられる状況って想像できないくらいですよね。
「命もかけるわねぇ・・・」とラウールもファントムも気の毒にも哀れにも・・・見るこちらまで歌の一節ごとに揺れまくります。
このあたりではすっかりのめりこんで陶酔している私なのですが、途中ではたと!「ドン・ファン」の舞台で歌に弾かれていくクリスティーヌを見ていたら、力強い壮年の男と可愛らしい初々しい青年の間で揺れるというのは女の永遠の課題だわと、妙に目覚めて?しまいました。
おっとっと、いけないいけない酔い続けなくては・・・と、手綱を締め直しましたが、ラウールの前でファントムの仮面を取る場面でまた、
「美女で才能豊かな若い女ってこういう残酷なこと出来ちゃうのよね。」と・・・これはジェラシー?
それもこれも冒頭の思いいれたっぷりのオークション場面のせいで、ラウールの恋は叶わなかったんだと思わされるからなんですよ。
でも最後で墓碑に「良き妻良き母」とあって「63歳で死んだんだ!」と、思った瞬間決定的にこの物語に違和感を感じてしまったんです。
「えー、ファントムに地下の世界に連れ込まれて永遠に見つけられなかった!」にならなきゃ最初のラウールの顔に繋がらないでしょ!と、思うのですが?
さもなければ永遠に彼女は二つの魅惑の中で引き裂かれたまんま終った!・・・だからラウールは見果てぬ夢の囚われ人である!とか?
ラウールがあの年なのにファントム生き永らえてるはず無いけどなぁ・・・とも。
実は初めて友人と見たとき私はやっぱり「え、63まで結婚生活したの?」と友人に言っているんですねぇ。2回そう思うなんて私ってよくよく単純?
でも音楽と映像に心臓を捕まえられて、又機会があったら見に行くんだろうなぁ。

蛇足ですが、クリスティーヌの初主演の舞台衣装、オーストリアのエリザベート皇紀の衣装と、特に
髪飾りと同じに思えましたが?私の旅行記の方のエリザベートの写真参照ください。
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