ジェーン・エア

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監督  キャリー・ジョージ・フクナガ
出演  ミア・ワシコウスカ、マイケル・ファスベンダー、ジェイミー・ベル、ジュディ・デンチ、ホリディ・グレインジャー
私この映画は3度目です。 とはいってもオーソン・ウェルズのロチェスターは勿論リアルタイムで見たわけじゃありません。 先回見たのはティモシー・ダルトンのロチェスターで、意外にイメージがあっていて、よかったのですが…私はコリン・ファースで見たいと思っていたんですよ。またまた外れましたけれど。私がそれくらい思うのですからイギリス人はこの作品を本当に愛しているんだなぁ…という気がします。
何しろこれは7・8?度目の映画化だというのですから。
でもなぜまた今なのかなぁ…というのは分りませんけれど。 高校生の頃の私は逃げ込みたいときにはこの小説でしたね。 目の見えなくなったロチェスターがヒースの荒野に向かって「ジェーン!」と呼ぶあのシーンですよ。そしてジェーンが応えるのです。「どこにいるの?」 もうロマンチック満喫でしたもんね。
で、今、この潤いのない私に必要なのは…思いっきりロマンスに浸ることじゃないかしら?…と、思ったので出かけていきました。 そして意外な薄味に戸惑って帰ってきました。 このささくれ立った時代にロマンチックを与えるにはもっとロマンチックに感情に流されてよーこの作品なのだから!と、私は節度を持って簡潔に繰り広げられたロマンスを前にして思うわけです。 あの奇跡的な魂の交流を描き切らないなら…ジェーン・エアを映画にする意味ないでしょう?って。 ロチェスターもジェーンも美男美女である必要はないんです。 魂を感じさせる魅力があれば。 ミアさんをふくめ歴代の?女優さんは質素でつつましいけれど決して砕ける事のない魂を見せてくれていますが…あのロチェスターの苦悩を傷ついた魂を見せてくれる俳優さんにはなかなか当たらないですね。 難役だとは思うのですけれど。
この映画は要約としては上手にまとめていましたけれど。 イギリスの荒野もロチェスター屋敷も風景はよかったんですけれど。 私はあれもないこれもない…ああ描かれていないじゃない…状態になってしまいました。私の思い入れが強烈だからなぁ…ジェーン・エアは。 つまりそこなんだ。

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戦火の馬

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監督  スティーヴン・スピルバーグ
出演  ジェレミー・アーヴィン、エミリー・ワトソン、ピーター・ミュラン、デヴィッド・シューリス、ニエル・アレストリュブ、トム・ヒドルストン、セリーヌ・バッケンズ

もうこれは…素直に見るしかない。…んだ。
そして心が確かにあったまると認めよう。…か。
動物と人との信頼関係程濁りを生まないものはない。 素直に言えばいいんだ。
そう!こういう愛情を人は常に求めたがるし、羨む。 愛情にただ愛情を持って答えてくれるのは…愛するペットだけだもの。
しかも…舞台は…まさに、戦火の下! 究極の場と時を得て心を直撃!
本当はね、戦争にこんないたいけない動物を巻き込む人間のエゴとか、それ以前にたくさんの人間の命を虫けらのように消費する人間たちの恐ろしさとか、国のエゴとか、文句言いたいことは事はたくさんあるんだけど…人間が消費される戦争で、動物のことか? 人間が死ぬのは…でもそれは人間の自業自得みたいなもんだよ…動物からしたら勝手にしていろ!みたいなもんだよね…「僕らを巻き込むな!」
それを勝手に心温まるとか、強い絆にほろっとするとか…そんな物語適当にでっちあげるな…とかいう問題だよねぇ…実話なんてうたわれると…そんなひどいことが!と思うべきだ!!と思うべきなんだ…なんてことが頭の片隅に影を落としているんだけどね。 だからこの映画に賞をやるなんてことはしてほしくないんだけど。。。
それでもね動物と心がつながりあうメルヘン、信じたいんだね…究極の勝手だわ。
あのお馬ちゃんに賞はあげたいけれどね。 声高に素直に感動しろって自分に言ってみてもやっぱりなんか後ろめたいんだわ。

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サラの鍵

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監督  ジル・パケ=ブランネール
出演  クリスティン・スコット・トーマス、メリジューヌ・マヤンスキ、ニエル・アレストリュブ、エイダン・クィン、フレデリック・ピエロ、ドミニク・フロ
友人に誘われたから出かけたのだけれど、土壇場で彼女から急用で行けなくなったと肩透かしを食った。 ところがこの映画は一人で見に行くべき類の映画だった。
感動したと書けばそれですべてだけれど…登場人物の人生がみな時代とめぐりあわせに大きく影響を受けて90°いや180°転換してしまう。
殆どが右肩上がりでさして大きな時代のうねりに翻弄されることなく60数年を過ごしてきた私には突きつけられたものの切っ先が鋭く痛い!
以前にオランダでもあってひた隠しにされてきたオランダ人によるユダヤ人迫害とナチ協力の暗部をえぐった佳作があったが…これはフランスのそれである。 当然日本の戦争推進協力者たちのことも含めて、人間は常に勝ち組と思われるものに迎合する歴史を繰り返してきた。 それが又一つ具体的に一人の少女と、真実を知りたくてならない(知らねばいられない)ジャーナリストによって明るみに出てしまった。
自分のしたことのせいで平穏な戦後の生活を締め出してしか生きられなかった(それでも生きられなかった)少女と、それを見つめてしまって家庭を失った女と…戦争は女の上にこそ重くのしかかる。 妥協しないで知ろうとする女と、弟を救い出そうと命を懸ける少女、二人のひたむきな頑固さが痛々しい。目を背けることを知らない精神は自分も当然周りをも傷つけるしかない。 それでもそのたまらなく大きな痛みを乗り越えてまた新たな命は祈りのように生まれてくる。 その生まれてくるもののために女は目を背けられないのかもしれない…なんてことを思っていた。

ステキな金縛り

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監督  三谷幸喜
出演  深津絵里、西田敏行、中井喜一、阿部寛、竹内結子、浅野忠信、戸田恵子、小日向文世、市村正親、小林隆
出演者の名前上げるのに…オールスターキャストっていうのこの頃三谷さんの作品でばかり使うような気がする…ってぼやきたくなる。 ある意味皆さんしどころが少なくて気の毒なような?でも少ない処でさらっていくのはやっぱりすごいような? みんなテンションいっぱいいっぱいでうるさいくらいなのにおとなしく見ちゃっている私。
西田さんってとても…凄い!改めてすごい!
こういう映画に何もいう事はない。 アー面白かった!か思ったよりつまらなかった!かのどっちかでいいんだろうな。 そういう意味で…アー面白かった!
楽しかったしちょっと来ちゃったし確かにハートウォーミング。 奇想天外だったし、抱腹絶倒だったよ…って今ではこのくらいだよね。 そういうジャンルで三谷さんに期待し続けます。TVの派生ドラマはつまらなかったんで、心配したけれどよかった!

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

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監督  ポール・W・S・アンダーソン
出演  ローガン・ラーマン、オーランド・ブルーム、ミラ・ジョヴォヴィッチ、マシュー・マクファーデン、ルーク・エヴァンス、レイ・スティーヴンソン、クリストフ・ヴァルツ、マッツ・ミケルセン、ガブリエラ・ワイルド
映画の題を見て…いや、ウッソーと思いましたね。 ドイツ・ヴェルツブルクのレジデンツでこの映画の撮影にぶつかって以来…その時「三銃士」ですって…と聞いたので、楽しみにしていました。
「今日はオーランドが来るので人が集まっているんです」 「来るまで居たーい!」
でもツァーですからね。銃士スタイルの人を横目に見ながらあきらめました。 あの衣装はリシリュウーの部下ロシュフォールの部下のもの?…なんて。
オーリーは年齢から言ってももうダルタニャンじゃないし…アトスか?…え、バッキンガム?なんて。
で・で・で…あのバッキンガムって? もう信じられない。 3Dが先にありき、で、面白い物語を考えたら…三銃士があるじゃないか!あれを使っちゃおう!だったの?
と、まぁお口あんぐり!ではありましたが…大いに笑いました! まぁこれでもいいじゃないの!それはもう大いに楽しめたから。 それ以上何を言えっていうんですかね?言わないでしょ? なんだか次回作まで作っちゃうぞ!って姿勢?見えちゃったりして…。そしたらお口あんぐり開いてまた笑いに来ようっと! 私も懲りないっていうか…好きですねぇ。
レジデンスをベルサイユをあんな風に使えるなんて贅沢ジャン?舞台も衣装も大いに楽しんだ。

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三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 (竹書房文庫) 三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 (竹書房文庫)
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幸せパズル

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監督  ナタリア・スミルノフ
出演  マリア・オネット、アルトゥーロ・ゴッツ、ガブリエル・ゴイティ、エニー・トライレス、フェリベ・ビニャヌレバ、フリアン・ドレヘル、マルセラ・ゲルティ

いやねぇ、とにかく、幾つになっても何か才能が見つかるかも?眠っている才能があるのかも?なんて夢を一瞬見てしまった。
だけど、主婦が夢を見ることの危険も痛い!って感じてしまった。 自分を生かして家族をも生かすのはとんでもなく難しいことなんだよ…亭主どもはわかっているのかなぁ? 分らないだろうなぁ。 専業主婦をして家族のためだけに生きるってことは、日々目立たなく小さく見えたとしてもとんでもない犠牲を払っているってことなんだ!…なんて、専業主婦の縁の上に胡坐をかいている夫どもには見えないんだろうなぁ。 ちなみにうちの宿六も「お前は気楽でいいなぁ…俺の稼ぎで食えて!」なんて思っているようですよ。自分を生かして働いて稼いで生きている女性にも本当の所わからないかもなぁ。 そりゃそれでもちろんいいこともあったのかもしれないけれど。 稼いでいない分つつましく節約して自分の出費はできるだけ後回しにして…って生活を今ありがたいって思う女性は絶えたのかもなぁ。絶滅危惧種だよーと思っていたら…またぞろ専業主婦希望の女性たちも増えつつあるんですって?私らにはわからんなぁ…生まれ変わったら絶対手に職付けるぞ!って思っているのに。
まぁ、それはそれとして、彼女・主人公マリアの気分がとってもよくわかるなぁ…。自分の誕生日のご馳走も自分で作り家族をもてなし、後片付けまで自分でこなす彼女の気持ちって…。それなのにあくまで彼女は静かな表情をしているんだよね…あきらめの深さを見るようだ。自分で演出している日常にでも女は…倦む。
だからパズルにのめりこんだ彼女が生き生きしていくところ、勇気が出てくるところ、意志を通すところ。一段ずつ新しい力をまとっていくところ…見ていて自分のことのように嬉しくなった。 だけど…ああ、私と同じだ!最後の最後で、家族の幸せを彼女なりに考えて…あれは自己規制なのだ。 私も細かなことでいつもこのあたりまでだな…私がしてもいいのは…って自己規制から逃れられないんだ。結婚40年の生活が自分にかせたタガなんだ。ちょっと夢を見て…それでも見ただけよかったんだと思って…日常に帰っていく。 男たちがほっとしたに違いないのが…悔しいね。

シャンハイ

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監督  ミカエル・ハルストーム
出演   ジョン・キューザック、コン・リー、渡辺謙、
チョウ・ユンファ、菊池凜子、フランカ・ボテンテ、デヴィッド・モース、ヒュー・ボネヴィル、ジェフリー・ディーン・モーガン

全然関係ない感想なのかもしれないけれど…この映画見ていたら、アメリカは中国というどでかい市場を手にするためには…日本を差し出すかもね…昔ほど日本の利用価値無いし…あまり言う事聞かないし…
大きい市場手に入れたほうが差引得じゃん?みたいな。
アメリカが…の映画が日本を理解しているって思ったことないけれど…これだけ経っても相変わらず理解しようとする気なんて無いんだろうな…っていうかそもそも日本文化知っているアメリカ人そういないだろうし…相変わらず富士山・芸者・ちょんまげだろうし?
日本人がアメリカ知っているくらい日本を知れよ…なんて思っても無駄みたいけれど。 せめて謙さんにこの映画出てほしくなかったんだけど…とは思ってしまう。
歴史認識以前の問題? いえ歴史認識そのものも。…ってだからって日本人そのものがこのあたりの歴史知っているかっていうと…心もとない。 だって私たちの歴史授業そのものが、明治の日露戦争以後は先生は「適当に教科書読んどいて…それで試験には出ないから」って言って終わった。このあたりの租界事情むしろベルリンやウィーンの租界事情の方がまだ知っているかもしれないよー…ってくらい?
ただ、この映画の謙さんの妻への複雑な感情は抜群に表現されていたな!と、思う。 演技者としての謙さんはとても輝いて魅力的に切なく見えたな。ここには悲しい一組の夫婦が存在していた。主人公の恋着よりもずーっと情があふれていたな。情感の漂い方がまるで違うよーと、そこで溜飲を下げた。
旦那が「あれほんとにコン・リーか?もっと美人だったぞ、あんな受け口だったか違ったろー?」
「コンさんだよー、ああいうお顔だったよ。やつれた風情が悲しくて良かったじゃない?」「老けたんだよ、美人のコン・リー見に来たのに…」ぼやいておりました。
男は老けて何ぼ?女は損だなぁ…こんな男がいる限り!と、冷たい目で旦那を見た私でした。

ショパン 愛と哀しみの旋律

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監督  イェジ・アントチャク

出演  ピュートル・アダムチク、ダヌタ・ステンカ、ボジェナ・スタフーラ、アダム・ヴォロノヴィチ


ポーランド映画。                                                    ジョルジョ・サンドは子供のころ「愛の妖精」を読みふけったことで忘れられない作家で、男装の麗人という宝塚もどきの肩書でも覚えている。どんなにステキな人だったのだろうと後書を読んで思ったものだった。ショパンとの恋もだからその時から知っていた。だからこの映画誘われれば当然行く。 で、行ってよかったのか?                      少なくともサンドに対する敬意は失わなかった。 ちょっと私の子供の頃抱いたショパンと恋するイメージよりは老けていらっしゃったけれど、演じた女優さんは知的な美人でその点は満足したのだけれど…。    私は音楽家でまともな人を映画の中で見たことがない。 ベートーベン然り、モーツアルトはもっと然り。ワーグナーもリストも…他に誰がいたっけ?いたとしてもみんなかなりひどい! しかしショパンは子供の頃この恋の話に憧れたのが惜しいほど…ひどい!            なんてわがままな男だ! 男以前にこいつは大人か?だね。                              芸術家の普通の平凡な人より優れているところは傍若無人になれるってとこかな? ひょっとして自分しか見ないで生きられるってところが才能なのかも?  サンドは自分の子供以上に気難しいわがままな思いやりのかけらもない子供を、その才能にほれ込んだゆえに抱え込んでしまったんだ! サンドってなんて男気のある女性なんでしょう!               改めてサンドさんに惚れてもいいんじゃないか? なんで今まで彼女の他の本を読まなかったんだろう?「愛の妖精」以外の本を探してみるべきだろうか? こんな苦悩のさなかに生み出された作品ってどんなものなのだろう? 

 

 

ジーン・ワルツ

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監督  大谷健太郎

出演  菅野美穂、田辺誠一、大森南朋、西村雅彦、白石美帆、南果歩、浅丘ルリ子  、濱田マリ、風吹ジュン

なんだかんだと言いながら?言ってない!私は海堂さんに忠実です。 作品もせっせと読んでいるから、友人からこの映画か「毎日母さん」か「ソーシャルネットワーク」を見に行こうといってきた時、迷わずこの映画をあげました。 でも残り二つも見たいことは見たいですが。海堂さんの作品の中では一番小説としてまっとうだ!という気がしています。 正面切っておちょくらず斜に構えず笑いも取らず…っていう印象があるんです。 もっとも最近ボケが進んできて読んだ片端から忘れていく傾向が顕著になりつつあります。 今度はこの物忘れからの…病?について書いてください。寄り道はそれとして「books memoranda」にあらかた書いちゃているから。 映画も田辺さんの7・3分けが笑えたくらいで、まじめに作られていました。どうやっても子供が増えていかないってことは政府の打つ手が間違っているってことですよね? お金でつられるか?子供を育てるのはお金だけじゃないんだからね。 おばさんたちは寄ると触るとこの話題ですよ。 社会が変わらなくちゃ…医者を育て、生活を保全し、愛情を育てる…どうしたらいいんだろうね?って。 でもそれって私たちが母になったころは当たり前にやれていたことなのに…なんでだろう?自由と権利と義務は並び立たないのかね? そうじゃないでしょ、子育てが喜びだって信じられないんじゃないの? 私たちが育てた子供たちが…そうだってことは…? まぁ私たちが作ってしまった社会がいけないってことか? どこをどう直せば子供が育つ社会が当たり前にできるんだろうね?色々考えちゃった映画でした。問題が山積みなのはわかるんだけど、それを一個一個克服していく道の遠さよ。 でもだからって手を抜かないで政府よ、本当にいい手を気長に続けてください。祈っていますよ。                             しかし風吹さんて本当に自然につかえる女優さんですね。 こんなにいい人いないんじゃないかっていう温かみがいつも見事です。(2011・02・16)

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ソーシャル・ネットワーク

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監督  デヴィッド・フインチャー出演  ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレーク、アーミー・ハマー、ブレンダ・ソング、マックス・ミンゲラ、ジョセフ・マッゼロ、ルーニー・マーラー 

 

苦手のIT関係の泥沼みたいな映画だったら、結局はわからなくて楽しめないんじゃないかなぁ…危惧を持って、それでもなおかつ、いまどき見たさ、話題のものを(アカデミー賞取るかもしれないし)…の乗りで…見に行ったということですか。で、意外なくらい面白く見れちゃいました。結局人間的には不変の物語です。 冒頭の彼女を目の前に滔々としゃべりまくる主人公の人柄からして…この映画はあり!でした。なんてったっていまどき一番子供が気にするのは「場が読めない」、「友人がいない」…この2点です…みたいです。でも、昔からそういう子はいたし、いてもいいんだし、気にする必要もないし…と、私は思っています。 この主人公マークはそんなこと気にしていないという風にしゃべりまくってはいましたが…あの年頃、気が付かないはずはないし、傷ついてもいる…ちゃんとね。で…そこから起こる行動がすごい…っていうかひどい。私たちにはちらっと思いついたとしても…できようもない…そんなひどいことが指先一つでできてしまった!そこに「今」の怖さがあるんだなぁ。 彼がある種の天才であったということもまぁそうなんだろうけれど、この恐ろしくもあっという間に情報が世界を駆け巡っちゃうこの「今」なんだ…主人公は。 そしてその後に続くたくさんの訴訟って事態も。弁護士はいくらでも必要だし、いくらでも訴訟を起こせる社会っていうのも私には恐怖だし。実際は強い?!弁護士が社会の方向を細かくいつの間にか定めていくんじゃないかって怖さがある。(いい方に働いたのかもしれないけれど)あの事務所の女性弁護士の示唆するものなんかね。さて、この「フェイスブック」ってやつ、それがこのところグッドタイミング過ぎるエジプトの出来事などに端的に見られてしまって。 この社会ではこの情報の駈けぬく速さによって、知る速度によって…生き延びられなかったりするんだ…!(一緒に立ち上げたはずのエドゥアルドアルドでさえも時代は置いてきぼりをくらわすんだから)こんな人間としてまだ育ちきってもいない幼すぎる人間たちによってどうにでもされてしまうかもしれないんだって…怖いだけじゃない? わぁーっと飛びついて、わぁーっと集まって、何かがわぁーっと壊されたり、作り上げられたりしちゃうって。 根回しとか、議論を尽くすとか、総意を尽くすとか…なんでもいい日本的なあいまいな何かが絶対生き延びられない世界を想像してしまった。 こんな小僧たちが億万長者になってどんな世界をけん引するんだろう…その世界でまだ生きていたりしたい?私?その底にはフェイスブックに登録している人数の膨大さにひるみながら「遅れてない?」と自問したりする私と、普通だったらハーバード大生でリッチな親を持ちオリンピック選手ですらあるあの双子が全き勝ち組であるはずなのに(いやでも和解金たんまりせしめたようだから…な)と愉快がる自分もいて、人って一筋縄ではやっぱり行かない?そして裏で相手を裏切るということにおいてやっぱり人間は今までと同じ人間なんだっていう安心感? 

 

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