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監督  ナタリア・スミルノフ
出演  マリア・オネット、アルトゥーロ・ゴッツ、ガブリエル・ゴイティ、エニー・トライレス、フェリベ・ビニャヌレバ、フリアン・ドレヘル、マルセラ・ゲルティ

いやねぇ、とにかく、幾つになっても何か才能が見つかるかも?眠っている才能があるのかも?なんて夢を一瞬見てしまった。
だけど、主婦が夢を見ることの危険も痛い!って感じてしまった。 自分を生かして家族をも生かすのはとんでもなく難しいことなんだよ…亭主どもはわかっているのかなぁ? 分らないだろうなぁ。 専業主婦をして家族のためだけに生きるってことは、日々目立たなく小さく見えたとしてもとんでもない犠牲を払っているってことなんだ!…なんて、専業主婦の縁の上に胡坐をかいている夫どもには見えないんだろうなぁ。 ちなみにうちの宿六も「お前は気楽でいいなぁ…俺の稼ぎで食えて!」なんて思っているようですよ。自分を生かして働いて稼いで生きている女性にも本当の所わからないかもなぁ。 そりゃそれでもちろんいいこともあったのかもしれないけれど。 稼いでいない分つつましく節約して自分の出費はできるだけ後回しにして…って生活を今ありがたいって思う女性は絶えたのかもなぁ。絶滅危惧種だよーと思っていたら…またぞろ専業主婦希望の女性たちも増えつつあるんですって?私らにはわからんなぁ…生まれ変わったら絶対手に職付けるぞ!って思っているのに。
まぁ、それはそれとして、彼女・主人公マリアの気分がとってもよくわかるなぁ…。自分の誕生日のご馳走も自分で作り家族をもてなし、後片付けまで自分でこなす彼女の気持ちって…。それなのにあくまで彼女は静かな表情をしているんだよね…あきらめの深さを見るようだ。自分で演出している日常にでも女は…倦む。
だからパズルにのめりこんだ彼女が生き生きしていくところ、勇気が出てくるところ、意志を通すところ。一段ずつ新しい力をまとっていくところ…見ていて自分のことのように嬉しくなった。 だけど…ああ、私と同じだ!最後の最後で、家族の幸せを彼女なりに考えて…あれは自己規制なのだ。 私も細かなことでいつもこのあたりまでだな…私がしてもいいのは…って自己規制から逃れられないんだ。結婚40年の生活が自分にかせたタガなんだ。ちょっと夢を見て…それでも見ただけよかったんだと思って…日常に帰っていく。 男たちがほっとしたに違いないのが…悔しいね。