アガサ・クリスティの奥様は名探偵

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監督  パスカル・トマ
出演  カトリーヌ・フロ、アンドレ・デュソリエ、ジェヌビエーヴ・ビジョルド、ヴァレリー・カプリスキー

そうねぇ・・・うーん・・・そうだなぁ・・・えぇ・・・ちょっと、そうねぇ・・・
って感じとしか・・・。
イギリスの田園も非常に美しいのだけれど・・・舞台をフランスに移して、うーん、フランスもやっぱり田園がきれい!
トミーの叔母さんが残した、物語の発端になる「絵」。
大体この「絵」からして私が本「親指のうずき」の「絵」の描写から頭の中に浮かべていた絵とまるで違ったところから、私には妙な戸惑いが生まれてしまいました。
物語の背景になるイギリスの田舎って、どうも気が付かないうちに私の中で「ミス・マープル」のTVドラマで見る背景を勝手に流用していたらしい・・・ということに気が付きました。
だから美しいということでは同程度に美しいフランスの田園がやっぱりちょっと違和感でしたねぇ。
でも、むしろこのフランス人になったトミーとタペンスは本の中のイギリス人のトミーとタペンスより会話は面白くて楽しかったです。
フランス風エスプリと言うんですかね?効いていましたし・・・何よりやっぱりフランス人は色っぽい?
トミーとタペンスはからっとした機知のあるサバサバした会話って印象が有ったので、ちょっとここでも違和感でした。
物語の謎も原作以上にしっかり解決されていましたし・・・?
トミーとタペンスを演じた俳優さんはでもとても魅力的でした。
スタイルもおしゃれもセンスも素敵でしたし・・・正直予告編で見たときトミーのふけ方にちょっと俳優さんに魅力がなさ過ぎ・・・って、思っていたんです。
ところが!なんて素敵なシルバーグレイ氏!でした、時々。
この映画、「アガサ・クリスティの」っていうの外してくれた方が良かったなぁ・・・そうすればフランスのおしゃれな私たちの年代が楽しめる素敵な映画ってことで満足できたでしょう。
でも「アガサ・・・」って、つけたばかりに推理物としては「安易でしょう?」って感じが否めなくて・・・惜しい!って気がしました。
もっとも「アガサ・クリスティの」って付いていなかったらこんなに客が来なかったかも?私も行かなかったでしょうしね。
カトリーヌ・フロさんて何気ないブラウスとスカートで素敵な魅力を見せてくれましたね・・・流石フランスの女優さん!羨ましい!って?無理無理!
でもこの映画の御蔭で本も5冊甦ったし?私としては全体にお得!でした。

ここでも音楽は「耳に残るは君の歌声」と「マッチポイント」で耳慣れちゃっていて、あららでした。
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おしゃれ泥棒

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監督 ウィリアム・ワイラー
出演 オードリー・ヘプバーン、ピーター・オトゥール、ヒュー・グリフィス、イーライ・ウォラック、シャルル・ボワイエ

また、先日「おしゃれ泥棒」BSでしましたね。
私は基本的にスカパーとか映画チャンネルとかは見ませんし、レンタルビデオも借りません。
それをしてしまうと際限もなく映画にのめりこんで何もしなくなりそうな予感?がするからです。
だから、衛星1・2までが守備範囲と決めています。
私が自分にかけた「枷」です。自分の弱さはそのくらいまでは理解しています?だからTVの映画放映が減ってくるのは脅威です。
この範囲でなら映画を楽しむのは「よし!」ということにしているので、こういう大好きな映画をTVでしてくれると嬉しくてやっぱりまた見てしまいます。
TVでしてくれる時が「運命の出会い!」って、大げさですかね?
先日の「秘密のかけら」は私の好きな俳優さんの組み合わせでわくわくしましたが、「組み合わせで最高!」といったらもうこの映画に尽きます。
オードリーとピーターなんですよ!この二人なんですよ!
私にとっての最高峰の二人なんですよー!
オードリーはその笑顔からすべての表情がもう可愛らしくて、エレガントで、どこを切り取っても素敵・チャーミングと言う言葉がこぼれ落ちてくるみたいでしょ。
そして私にとっての最高の男優は勿論ピーターですが、彼のこの映画のとぼけた味わい!もうなんとも言う言葉がありませんね。
オードリーが言ったように「青い目の背の高いハンサム!」。この言葉を絵にするとピーターですもん!
この二人の会話のテンポのいいこと!おしゃれなこと!とぼけたこと!「!」をどれだけ連ねたって私の気持ち表現できないわ!って感じです。それにこの映画に出てくる人、皆おかしいったら無いんですもの。「面白いおじさんばっかし!」って思っていたのに、今じゃ私が皆さんのこの映画内時点?での年齢を抜いちゃいましたよ!嘘ッ、まだですよ?
それにオードリーの着ている物、ジバンシーですって?私にはファッションとしては手の届かないものですけれどね、これがどんなにオードリーに似合って引き立てているかは分かります。って言うより本当はオードリーがこのファッションを引き立てているって言うのが本当ですよ。どのスタイルでもこの映画の中のオードリーは本当に素敵なんです。(お掃除オバサンだって可愛いッたらないんですけど)
あのびっしりつけまつげに彼女の眼絶対負けていませんものね。あのまつげのひらめきがどれだけ効果があるか・・・ぽわーんとした目で見ほれている私です。
そして目と言えば・・・あのチョコット垂れたすっとぼけたあおーい、青い!ピーターの目。跳び込めれるものなら飛び込んでおぼれたいですよぉ。
それに場所はパリですよ。美術品?満載ですよ。
リッツのあるヴァンドーム広場。ちゃんとパリに行った時見てきましたよ!小さいけれど、きれいな優雅な広場でしたもん!黒いレースのマスクをしたオードリーとピーターの笑えた場面、思い出しながら逍遥したんです。
映画を見ながら「おー、ここ私も歩いたぞ!」っていう楽しみも少し出来たので、なお更嬉しくて、またTVでしてくれますように・・・!と、見るたびに思うんです。
そして変わらないピーターを見ると私はロマンスの海に溺れられるんです。轟沈!

雨に唄えば

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監督 スタンリー・ドーネン・ジーン・ケリー
出演 ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナー、
シド・チャリシー、ジーン・ヘイゲン、リタ・モレノ

このミュージカル、知らない人はいないでしょう?
あー、少なくとも私の世代以上では・・・と、付け加えなければならないかしら?
1952年のミュージカル映画ですから。
このミュージカルのナンバー「雨に唄えば」は不滅の名曲です・・・ええ、私は「絶対に!」と、頷きます。大好きな曲です。それと、「グッド・モーニング」っていう歌もです。本当に楽しいんです!
でも、正直もう何度も見て、すっかりおなじみですから・・・ここ数年、いや十数年見たことはありませんでした。
だからBSでまた放送した時にも見る気は全然無かったのです。
でも、好きだし、DVD持っているわけでもありませんし、ただ無視するのもなんだわ・・・って言う感じでしょうか?何時か暇な時に見たくなるかもしれないし・・・と、「とりあえず録画」したのです。
好きな曲はいっぱいあるし・・・デビーは可愛いし、ドナルドって達者だし・・・でもジーン・ケリーの顔って何故だか好きになれなくて、という私にとって微妙な位置にこのミュージカルはあったのです。
それに、「バンド・ワゴン」ではあんなに美しい(と、私は思っているのですけれど。「バンド・ワゴン」の方が1年後の映画なのです。)シド・チャリシーが素敵な肢体とダンスを見せてくれてはいるのですけれど、この映画ではちょっと恐い顔なんですね。それも引っかかるしというところなのです。
おまけに私はジーン・ケリーよりフレッド・アステァのファンですしね。
ところが明日の土曜日はまた雨の予報だし(出かけないよね、寝坊しようっと)、飲んでいるらしい旦那は12時を回ってもシンデレラのように急いで帰ってくる気配はないし・・・楽しいものをなんか見ようかな!
それで「雨に唄えば」の出番だったというわけです。
見始めちゃったら、よぉ~く知っているはずなのに、またしっかり嬉しくなっちゃって、鼻歌交じりの歌の追っかけをしながら顔はいつの間にか笑っちゃってて・・・ジーンと同じまのびした「幸せでぇすぅぅ」顔をしちゃってる私がいたというわけです。
ドナルドの「ラフ(笑う)」のソロの所なんて「大好き!」と、確認をし、「グッド・モーニング」では私も脂肪を揺らすというわけで、「雨に唄えば」のダンスシーンでは「あーこの顔が苦手なんだよぉ!」とまた確認しながら、素敵!ワンダフル!スプレンデッド!エクセレント!(私のスキーの先生の口癖ですが)をめまぐるしく頭の中で回転させていました。
結局、途中で止めて「続きは明日」には到底出来なかったのです。
こんなに昔のミュージカルが未だにこんなに素敵に思えるって、こんなに楽しめるなんて、私はちっとも成長していないのかも知れませんね?
でも映画がこんなにも素直にエンターテインメントだったなんて、最近の映画は忘れていることが多いんじゃないかな?とふと思いました。
映画はヤッパリ楽しめてナンボ!楽しい夜中の2時でした。
改めてこの頃のミュージカルコメディーは何も考えずに気持ちよく楽しめるという点で最高だという事を再発見した夜でした。
付け加えるなら、これもなぜか自分でも分からないのですけれど、フレッド・アステアのダンスの方が好きなのですが、ジーン・ケリーは色々多彩な楽しいダンスを見せてくれて、とても楽しませてくれることは確かです。フレッド・アステアだってかなり間延びをした顔を見せているのに、好きなタイプって、本当におかしいくらい?時には厄介ですよね。
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ウォーク・ザ・ライン/君に続く道

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監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 ホアキン・フェニックス リース・ウィザースプーン
ジェニファー・グッドウィン ロバート・パトリック

この映画散々迷ったんです。
ホアキンがあのリバー・フェニックスの弟だと知ったので。
「スタンド・バイ・ミー」「マイ・プライベート・アイダホ」2作しか見ていないのですが、お兄さんは「スタンド・バイ・ミー」の初々しくも頼もしい姿で頭に焼き付いています。
知るまでは「ホアキンの悪役面!嫌い」って思っていたんです。
映画そのものは書評などで好評が多かったので、興味は抱いたのですが、何しろ主演があの顔の人ですから。
「グラディエーター」の皇帝は見事な悪役でしたし、TVドラマか何かで「皇帝ネロ」やっていませんでしたかね?
顔で映画選んだら失敗することが多いの分かっていても好きになれない顔は好きになれない顔ですもん!なんて・・・
それがつい長~いフライト時間!
興味を持っていた映画なのでツイ見ちゃったのですわ!
そして今度はまた後悔しています。
こんな画面で、こんなスピーカーで何で見ちゃったんだろう!
「あぁ、これは大画面で音響のいい映画館で絶対見るべき映画だった!!!」と。
あの小さな画面とあのひどい音でも魅了されたのですから、ちゃんと見たらどんなにか魅惑されたでしょうね。
あの曲ちゃんとホアキンが歌ったのですって?皆?
で、リースさんもそうなんですって?嘘っ!
天は2物を与えたんだ!

ドラマは演技力で見せるものですけれど、この作品の場合歌唱力も演技のうちですよ。歌で恋を語っているのだから。
曲でこんなにぴったり添えるのに、何故二人の道のりはこんなにも長かったのでしょう?
もう、ジョニーに同情して、肩入れして、疲れちゃった!
ジェーンは何であんなに彼を理解しているように見えたのに彼をあんなに拒否し続けたんでしょうね?
それにジョニーの妻は何であんなに可愛くなかったんでしょう?
彼の生き方を拒絶・否定し続ける根拠ってなんだったんでしょう?
彼の稼ぎで子育ても何もかも出来ているのに・・・なんて専業主婦は羨ましくこそ思え・・・(おい・おい、そういう問題じゃないでしょ!)
アルコールや薬におぼれる男って本質的に危ない!と思うのは確かだけど、そう切り捨てられない魅力がジョニーという男の必死さを見ていると感じられて、あの怖い顔にも関わらずすっかり彼の味方?になっちゃいました。
おぼれていく彼の必然性が良く見えました。いとしかったですねェ、彼の心。
だから一人の男の生き方に固唾を飲んで見入っていたのに、彼を取り巻く女性たちの方はいまいち理解できずに映画は終りました。

ヤッパリちゃんとした劇場で見るべきでしたよ。
暗い画面で微妙な表情など読み取れなくて、見落としたニュアンスがいっぱいあるようでヤッパリ後悔です。
でも実際に人生を本気で!生きぬいた人の伝記物って、ドラマとして凄い説得力がありますね。
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アラビアのロレンス

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先日のエッセイを読めば、お薦めする映画の第一弾は何か想像が付きますね。
そう、
「アラビアのロレンス」です。
監督:デビッド・リーン
主演:ピーター・オトゥール
共演:オマー・シャリフ・アレック・ギネス・アンソニー・クィン・
ジャック・ホーキンス・アンソニー・クェイル・
アーサー・ケネディ

砂また砂、丘また丘、日照りまた日照り、ドラマのヒートと背景のヒートが圧倒的な迫力を持って迫ってくる。
俳優たちの存在感も確かなら、ドラマの背骨も確かだ。
みごたえは十分だが、少々長いかも。
T・E・ロレンスという実在の人物に対する評価は様々で、確立することもないだろうと思うが、彼が生きていたという現実は、頭を実際じりじり焼けつくすような砂漠をバックに見る側をも焼けつくすような勢いで迫ってくる。
ロレンスのアラビアへの思いを、愛も憎しみをもピーター・オトゥルの目は表現して言い尽くしているようだ。
ロレンスとある種の共感と友情を育んだオマー・シャリフの演じる族長のロレンスの終末を見つめる悲しみを湛えた理解。
主義や主張を持って生きることの難しさ。
種族・人種を超えて存在する共感と反発。
本当に色々なことを考えさせる映画だ。
大自然の中にどっぷりはまり込んで生き抜いていく男たちは美しい!
しかし、そのすべてを超えて砂漠は美しい!

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