小川の辺
映画タイトルINDEX : ア行 No Comments »監督 篠原哲雄
出演 東山紀之、勝地涼、菊池凜子、片岡愛之助、尾野真千子、松原千恵子、藤竜也、笹野高史、西岡徳馬
藤沢さんの作品はほとんど読んでいないくせに、映画化されたものは見に行く…姿勢の旦那が「菊池凜子」って人の顔がどうしても見たくないから行かない…なんて理不尽?な事を言っていました。 だから友人と行きましたが…旦那のセリフはある意味で正解でした。 この田鶴という妹の性格。 もともと頑固でまぁ依怙地な性格を本当に可愛げの無い表情で菊池さんが演じていました。ホント兄だったら…手を焼くだろうな。親だって。っていう感じでしょうか。 たしかにこの作品の本来の主・武家社会に生きる理不尽さという主題以上に、この女の性格にてこずる兄の理不尽…っていうのが際立ってしまった感じです。もう少しいじらしい妹だったら、兄の親の苦悩はいかばかりかと…それを感じたかったと…ちょっと残念な気持ちも。
その分この若党・新蔵を演じた勝地君が出色で…忠義心と本当の兄より兄らしい出来の悪い妹をそれだからこそ愛情をもって助けたい…心根をにじみ出るように演じていました。 宿で端正に新蔵の探索を待っている朔之助の東山君は確かに藤沢作品の主人公たるべき品位を醸していましたが…この作品は完璧に新蔵のものになっていたように思います。勝地君、楽しみだな…それだけの映画だったかな。山桜はよかったのにな。 背景の風景には情を感じさせられる哀切な美しさがありました。
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