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監督  ケン・ローチ
出演  ポール・フラニガン、ジョン・ヘンショウ、ガリー・メイトランド、ウィリアム・ルアン、ジャスミン・リギンズ、ロジャー・アラム、シヴォーン・ライリー
この監督の作品は「麦の穂を揺らす風」と「この自由な世界で」を過去に見ています。真面目に覚悟して見に行かなくちゃ…と思わせる監督です。ですから少しためらっておりましたらお誘いくださったのが保護司の方でした。 職業柄?やっぱり気になる映画なんだなぁと思いつつ、ついて行きました。
さて、この映画…どう思ったらいいのでしょう?前半は素直に見ていました。社会奉仕という罰?これはいい! しかも監督するハリーの人柄がいい、実にいい。居丈高でなくて自然で相手をそのまま受け入れている。
こういう監督に恵まれればこの罰はなかなかのものだ…そう思って彼と彼等の交流を気持ちよく見ていました。ロビーのこれまでの人生、父になる覚悟、意外な能力の発見。 こういう風に人は変わるべき時を見出すんだァ…と非常に肯定的に見ていました。
幻の銘酒の天使の分け前を少々多くしてしまう作戦。それはどうなの?どうなるの?どこかで彼らに新たな道の選択が科せられるのか?
だから道中も笑ってみていられました。 で?これ窃盗じゃない?え、いいの?これを受け入れて…?
ここをどう思うかでこの映画の評価というか好悪は分かれるのかもしれないとは思います。それを乗り越えて肯ったとして…これからちゃんとまっとうに生きて行こうとする青年とその家族に神のいたずらの天使の分け前配分!だ…とね納得したとして。
この4人の仲間のうち3人は彼ロビーの戒めの言葉をものともせず?きっと飲んで…不労所得を仲間に見つけられて掠められ…また元のところに戻っていくみじめさが見えるようで…神のおおらかな配剤も四分の一の確率でしか実を結ばないってことか…とタメ息を吐いたのであります。
あの1瓶を買った男の生き方が褒められるとも思えませんしね…ただハリーに送られた1本は紛れもなく神のたまものだったと…納得しました。