火天の城 オリジナル・サウンドトラック 火天の城 オリジナル・サウンドトラック
サントラERJ 2009-09-23
売り上げランキング : 32194Amazonで詳しく見る
by G-Tools

katen.jpg  katen1.jpg

katen5.jpg  katen6.jpg

katen2.jpgkaten3.jpg

監督  田中光敏
出演  西田敏行、椎名桔平、大竹しのぶ、寺島進、緒方直人、夏八木薫、福田沙紀、山本太郎、水野美紀、西岡徳馬

かの幻の名城安土城。三度城跡を訪ねています。
最初に行った時は山中に転がっていた石や天守に残っていた礎石だけが印象的で、発掘も殆どされていませんでした。人にも会わなかったですね。多分築城当時とは変わっているのだろうな・・・と、思った木々の間から見える琵琶湖の景色が綺麗でした。今は安土の山を巡る諸武将の住居跡まで随分発掘されたようです。訪れる人の数も格段と増えたことでしょう。遺構の凄さが判ってきたようですが、それでもあっという間に焼け落ちてしまった天守の実像は窺うことは出来ません。麓に天守の復元模型が有りますがあれも想像の産物に限りなく近い?ようです。
今回この映画で3種類の想像の城を見せていただいたのが一番面白かったかもしれません。
本当にあの国宝!に火をつけた馬鹿モンは誰だ?
信雄だよーと、以前は思っていたのですが・・・まだ特定出来ていない?ようですが。いずれにしても天守という物は、残っていれば物凄い観光遺産になったのに・・・と残念です。天守の残っている城の人気って凄いですものね。と言って、今の自治体の財政事情では二度と復元も出来ません。こんな時は権力の集約って「何かが出来る!」鍵だなと思ったりもします。
あいも変わらず西田さんの演技は別格です。本当に信長をやれる役者は幾らでも思いつくけれど、この棟梁をやれる人って他に思いつかないのですものね。
映画では女性観客も意識するからか?妻のあり方とか娘の恋とか枝葉がありましたが、あの話はなくとも幾らでも重厚に魅力的に膨らむ余地はあるようでした。
職人ってドラマになります。巨大建造物を作り上げるって感動です。万里長城にしてもピラミッドにしてもローマの水道橋・コロセウム…枚挙にいとまがありませんが、一つの建築物にどれだけ多くの職業の人が絡むか?考えるだけで・・・ドラマです!
木曽の檜は昔社会科で習った日本三大美林でしたっけ?今の日本の美林ってどのくらい残っているのでしょう?伊勢神宮の遷宮のために育てられている森があるらしいですけれど・・・あんな大木をあんなふうに組んでいく建築をしょっちゅう見たいものです。
そうすれば日本の山も生き、洪水対策治水にもなり、水清く空気香しい・・・国が。(「神去なあなあ日常」読んでください!)
最も殆どの天守は江戸城も含めて落雷で失われているのですから、これから亜熱帯になっていく?日本にはなぁ・・・(台風は増えるが雷も増える)なんて、余計なことばかり考えてしまいました。それだけ想像の翼を広げられる密度の有る映画でした。
 

火天の城 (文春文庫) 火天の城 (文春文庫)文藝春秋 2007-06
売り上げランキング : 1241
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools