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監督  アンヌ・フォンテーヌ
出演  オドレイ・トトゥ、ブノワ・ボールヴールド、アレッサンドロ・ニヴォラ、マリー・ジラン、エマニュエル・ドゥヴォス

シャネルは銀座にも店があってしょっちゅう前を通るけれど、買物したことは無いなぁ・・・でも、知っている。当たり前に知っているので、改めて創業者のココを思うと・・・思いがけなくも遠い人なので驚く。二つの大戦を生き抜いてブランドを維持したのだとすると、どんな生き方をしたにしろ頭は下がる。この100年を生き抜くだけでもたいしたものだと思うのに、男性の力を借りたにせよそうさせた彼女の力、乃至魅力には素晴らしいものがあったのだろう。
オドレイが演じたココからは残念ながらその魅力が今一伝わってこなかった。自分流を貫くところも上手になびくところもなんだか小巧く生き抜いたのね?という感じがしてしまう。
確かに最初に頼った金持ちにはだんだん彼女の魅力は浸透していった様子なのが映画から読み取れたし、その意味では早世?してしまったけれど生涯愛したボーイ・カペルの愛の形の変遷からも理解できた。けれど・・・それは映画がそう流れていたから判ったのであって、実際心に訴えてこなかったのは、オドレイのココが不機嫌な顔のちょっと服や帽子のこだわりを持っている女性で、意欲は有るけれどわがままな小器用な女に見えてしまったからではないだろうか?ちょっと面白い女性だけれど?みたいな。センスが有る人ならいっぱい居るけどどうして彼女が?というところが弱かったようだ。
勿論、センスがあってお金を出してくれる人が居れば誰でもあれだけの店を成功させられる・・・というわけではない。 パトロンから引き出す以上に彼女の生み出すものに魅力が無ければね?ウン、カリスマ性とか人をひきつける引力とか・・・やっぱり弱い!
仕事をしたい!して生きたい!と言うところをもっと描きこんでくれれば良かったなぁ・・・。
そしてそのために持って生まれたセンスや才覚を磨くところが見たかったなぁ・・・
シャネルの実像が結局映画を通して見えてこなかった・・・理解できたとはならなかったということだ。
ただ田園、牧場?に客を集めて遊蕩しているバルサンが最初はただ面白がっていた少女に恋敵が出来、段々のめり込んでいくところが面白かった。ウン、やっぱりただしたたかに見える。
シャネルがとにかく第二次世界大戦まで大成功したのは、このしたたかさと孤児としての成長過程で身につけた?ハングリー精神だったのだ・・・ということはなんとか分かったけどなぁ・・・それでもなんだか物足りない映画だった。

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