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監督  フィリップ・クローデル
出演  クリスティン・スコット・トーマス、エルザ・ジルベルスタイン、セルジュ・アザナヴィシウス、ロラン・ヴレヴィル、フレデリック・ピエロ、リズ・セギュール、ジャン=クロード・アルノー

友人(彼女はクリスティンのファンでもあって)と見に行く約束をしていたのだが、ご主人様が体調を崩しここ1・2ヶ月は医者に付添わねばならず映画を見に行く暇が無くなった・・・・と。
「いつかは?来ると分かっていたけれど・・・あなたはまだ若いから楽しんでね」と、彼女は言う。う~ん、いつかはね?
遊びをせんとやうまれけむ・・・それでは見られるうちにと・・・後ろめたいような・・・でも旦那の関西旅行の合間に出かけてきました。
しかし、遊びと思って見に行くような映画では無かったです。勿論!
「何故、彼女はかくも永く刑務所にいたのか?」という疑問を抱いたまま映画は進む。まだ?美しさを残している?謎が彼女をミステリアスに魅力的に見せる?彼女を取り巻く人々のドラマの中で・・・家族に支えられて、彼女のしたことが現れ、同時進行で彼女に人生が再スタートします。
彼女が抱えていたのは簡単に言えば安楽死問題。最愛の幼い息子の。そして彼女が医者であったことが事を成さしめ・・・彼女はその事実を明かさぬまま最長の刑期を勤めることで自分を罰し・・・
と、まぁこういう事になるのだろうか。彼女の思いもまたあわれであるが、彼女の妹の姉への思いやりが素晴らしかった。
この妹の知性、情愛、慎ましく押し付けがましくなく深い愛情がすべてをいい方向へ持っていったのだと感動する。
こういう姉をサポートするのはどんなにか大変だろうに・・・たゆまぬ優しさに姉の心が融けていく・・・それを受ける姉の側にもそれを受け取る感受性が奥底に秘められていたからこそかもしれないが。
その間に物語に差し込まれた人々の様々な人生への姿勢が切なくて・・・オビ川(だったっけ?)へ行きたかった警官の優しくも弱々しい表情が妙に心に響いた。
人生は辛いんだ・・・しみじみそう思えて・・・でもやっぱり日は昇るのかも・・・と思えて・・・映画っていいメッセージを届けられるんだなと思えて・・・知的な顔になるといいな・・・と思って・・・帰ってきた。                          クリスティのカリオストロ伯爵夫人はミスキャストだと思ったがこの映画の彼女は人生をきっちり背負っている人になっていてミステリアスで!