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監督  キャスリーン・ビグロー
出演  ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティー、レイフ・ファインズ、デヴィッド・モース、ガイ・ピアース

我が家は「アバター」を高く評価した。実際此処では多分侵略戦争に幕が落とされる・・・映像などの美術的方面では私の評価はもっと高い。 「アバター、見てないのよ」という友人を連れて二度劇場へ行ってしまったくらいだ。
そのアバターがアカデミー賞を取れなくて、まだ情報に引っかかってもいない作品が賞を取った・・・ということなので、確かめねば・・・という気分で出かけた。
そして、呆然とした。 この映画はアメリカ人にとっては多分意味があるのだろう。あるべき映画かもしれない。だけどおぞましい!
アメリカという国、こういう映画が出てくる国でしかもそれ(こういう映画を作れるということ)が、正義?として認識されていそうな国だというおぞましさ。そしてそれを評価してしまうおぞましさ。
だって、テロを作り出したのはアメリカの対外おしつけ!民主主義政策なんじゃないの?という気が常に私の底にあるからだろう。
全ての国が日本みたいに素直ないい子ではないのよ。敗戦でショックを受け自信を完全に消失している国じゃないのよ、イラクは。
かたくなに信じる宗教もある(日本にゃ無かったわ)全く米国と違う国であの頃の日本のように完全敗北を受け入れて小さく小さくなっているわけじゃないのよ、イラクは・・・多分。
「戦争は麻薬だ」確かに。冒頭おっしゃるとおり。個人としての兵士たちは麻薬漬けになっています。ランボーを見ていなくとも、沢山のベトナムを描いた映画の何も見ていなくとも・・・「フォレスト・ガンプ」をさえ見ていなくとも・・・戦争から帰ってきた兵隊のメンタルは想像がつく、私でも。
「戦争は麻薬だ」確かに。そして戦争は経済の即効薬であり、戦争は雇用の増強薬でもある。欲しい物を手に入れる認可薬だし。
だからアメリカは戦争を止めない。止められないのではなく止めないのだ。
自分で作ってばらまいた物は自分で回収するという鉄則がここにある。自分たちで生み出した爆弾弾薬は自分たちで処理しなければならない。そのために捨ててもいい命はアメリカには多分無尽蔵にあるんだ・・・そんな風な怒りで苛々させられた。
よく思うでしょ、そのビデオ乃至写真撮ってる時間があるのならその子を助けてよ・・・って。カメラを捨ててその子を守って!って。
そう、賞をあげてる時間があるなら危険に麻痺する前に、興奮と殺戮が常態になる前に、全ての兵士が麻薬漬けになる前に・・・自分の国の兵士を当たり前の日常に戻して。
そう思ってもらいたいと思っているのなら成功なのかも?