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告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) 告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊 かなえ双葉社 2010-04-08
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 監督  中島哲也
出演  松たか子、木村佳乃、西井幸人、藤原薫、橋本愛、岡田将生、新井浩文、山口馬木也、黒田育世

冒頭から松さんだけに釘付けになった。
圧倒的に無表情の迫力が引力になったように引き付けられてしまった。 このただならさ・・・これがこの映画の迫力そのものになった。 実際今の中学校がどんななのかもう私にはわからなくなっているんだろうな・・・と言う絶望感にまで行き着くのに時間はかからなかった。もうほんと、この子供たちもこの教室の有様も・・・全部理解の外!
松さん一人に、あえてこの主人公の森口先生にとはいわない、この映画の時を頭に刻み込まれてしまった・・・という感じなのだ。 この映画でこの少年少女たちの繊細な危うさも、時代の子の逞しいおぞましさも、大人たちの怪物ぶりも・・・だってあの熱血教師は無生物に等しい無関心な教師達よりも非現実的に地から浮いて見えたのだもの・・・そしてあの母親の盲目的な子への信仰心みたいな感情は化け物以外の何者でもないように思えたもの・・・それらは、彼らは、松さんが語り続ける狂気への道よりどうしたって現実には思えなかったのだから。
松さんとその意志とその成り行きしか迫ってこなかった。松さんが語っているとだけが地に付いて、こちらの心に押し入ってくるように思われた。
だからただ・・・凄い!凄い!と息を呑んで見守ってしまった。この映画の行きつく先を。 
途中から私は頭のほんの隅っこで「今年邦画をどのくらい見たっけ? どれだけ印象に残っているだろう? この映画以上に刻み込まれている邦画ってあったっけ?」と考えていた。 印象的といえばこれ以上印象的な映画は無かったろう・・・これがこの私の頭の隅っこの結論だった。
多分ある部分で、役者の力量という部分で、この映画は最高のものを提供してくれたという気がする。 松さん凄い!
(10・09・01)