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監督  ジュリー・ロペス=クルヴァル
出演  カトリーヌ・ドヌーブ、マリ=ジョゼ・クローズ、マリナ・ハンズ、ミシェル・デュショーソワ、ジャン=フィリップ・エコフェ、ジェラール・ワトキンス、ロマーノ・オリザリ
母と娘って永遠の命題。 女性は大抵誰かの娘で、大抵は誰かの母になる。ま、今までの世の中はそれで回ってきたのだけれど、今母になる事を選択しない女性が増えていることに言及するつもりは無いが・・・ただ母になれるのに母にならないのは惜しいようには思う。 そうは思っても、母になるのはこれでなかなかつらい。
自分の母に対して良くも悪くも思い入れが深いほど、娘は母になることに迷いも深くなるのかもしれない。幸せな娘で居て、そのまま幸せな母になれた私のような者はひょっとすると少ないのだろうか?
母に愛されて育てば、母になることに疑問を抱かないということではないのだが。 幸せな母になれないかもしれないと思いながら、また子を幸せに出来ないと思いながら、母になるのは淋しいしきつい。
不安は常に付いて回るけれども・・・それは社会が暖かくなかったら消えてなくならない不安だけれど・・・子だけは守りたい。
どんな母の元に生まれてきても、子は幸せになれるという保証があれば、そういう社会が控えていれば、女性は穏やかに子を産むことができるのに・・・映画を見ながらちょっと思いは脱線していった。
フランスでも祖母の時代には女性の地位はあんなものだったのかというのはちょっとした驚きだった。女は切ない!  この映画を母の失踪とその真相のサスペンスとしてだけ捉えれば、もっとこの映画を楽しめたかもしれない。つい母に囚われてしまったので・・・。
カトリーヌの演じた母の姿勢も、自信をもてないままに身ごもってしまった娘の心も、確かにこう生きてきたらお互いにこう写るだろうなぁ・・・お互いの関係が分かるようには思うのだけれど。
回りに好人物が配されていてちょっと甘さがある。 ミステリーの解決が親子関係の解決にもなって、その点では上手く出来たいいドラマだった。  
(2010・12・2)