最近の邦画
映画についてのコラム 3月 13th, 2006私を洋画ファンにした私の父が80歳を過ぎてから、目が字幕に追いついていかなくなったと言う理由で、邦画一辺倒に180度の転換をしました。
「夢追い人」と言う気分に安住できると言う意味で?洋画一辺倒だった私が、その父のお供というか安全杖?と言う立場で、邦画を付き合うようになって五年経ちました。
そしてこの5年間にこれまでの私の人生45年間に見た邦画を凌ぐ数の邦画を見てしまいました。
そして不思議なことに洋画を見るのとは随分違った意味で邦画を楽しんでいる自分に気が付きました。
思っていた以上に楽しめているのです。
思い込んでいた以上に「質がいい!」と言ったら随分失礼ですね。
でも本当にいい感動や、いい楽しみや、いい夢を貰って満足して帰ってくる自分に気が付いています。
最初は親孝行のつもりで、字幕についていけなくなったと嘆いている父が邦画にしてまでも映画をまだ楽しみたいと思っているということに驚きながら、付いて行っているだけだったのにです。
今では「あれ見てみない?」と私から誘っている始末?です。
素敵な脚本を書く人も、不思議なセンスとこだわりを見せる監督さんも、画面の中で輝く俳優さんも、様々な技術でも、かけるお金が少なくとも、魅せてくれる映画が本当に多くなっているんです。
で、気が付いたら洋画・邦画と区別して考えていない自分が居たという訳です。
この数年間に父が是非見たいと言った洋画は「ストレイト・ストーリー」だけでした。
寡黙なこの映画は言葉以上に共感するものをいっぱい持っていたと見えて、
「こんな邦画が見たいものだ。センスがいい!」
などと言っていたものでしたが、その科白を最近は二人で邦画にも言っています。
「ALWAYS 三丁目の夕日」と「博士の愛した数式」にです。
あぁ、あと「父と暮らせば」という映画もありましたね。
本当にセンスのいい映画でした。
純君の時から見ていた吉岡秀隆さんを父は非常に評価していて(隠れたる?大ファンと言ってもいいでしょう)彼の成長を心から喜んで見て、それも映画の一つの楽しみになっているようです。
「吉岡君の次回の作品はどんなのだろう?」とね。
「彼は『海は見ていた』の頼りない役も実に上手かった!」とか「『雨あがる』の軽い武士役も味が良かった!」とか言って。
こんなわけで、幾つになっても楽しみを与えてくれる映画に私は感謝しているのです。
もう一言
高倉健さんの映画も外さない父の為に健さんの末永い健闘も祈っています。
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