忘れた頃にTVで放映したりすると、つい見ちゃうのが「ドラキュラ」「ヴアンパイア」映画。

1957年「吸血鬼ドラキュラ」テレンス・フィッシャー監督
1979年「ドラキュラ」ジョン・バダム監督
1992年「ドラキュラ」フランシス・フォード・コッポラ監督
1994年「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」ニール・ジョーダン監督

私の記憶に残っているのはこんなところですが、
「フランケンシュタイン」とか「狼男」とか、この手の映画なら、私は断然「ドラキュラ」
だって、ドラキュラ伯爵の物語と吸血鬼一族には、怖さの中に永遠のロマンと深い悲哀があるじゃないですか。
その意味では萩尾望都さんの「ポーの一族」って素晴らしい漫画がありましたよ。
他の怪物物はおぞましいだけみたいな?
でも「吸血鬼」は「怪物」ではなくて「運命」なんです。
殆どの「ドラキュラ」映画はプラム・ストーカーの原作を踏まえているようですが、私が「一番いいな!」と思ったのは1979年ジョン・ハダム監督、フランク・ランジェラのドラキュラにローレンス・オリビエのヴァン・ヘルシング教授という作品です。
「なんだ!」って言う向きも多いでしょうが、このオーソドックスさ!いいじゃないですか?
原作に忠実だというだけではなくて。
だって、結末は原作よりずっといい感じですもの。
そう、絶対にドラキュラは永遠じゃなくてはね。
それに何ていったって、フランク・ランジェラがドラキュラ役にぴったりはまっているんですもの。
彼が出ているのに気が付いた作品はそう多くは無くて、「ナインス・ゲート」と「ジュニア」位かしら?
彼はちょっとハンサムだけれど、どこか正統派のハンサムではなくて、どこか不気味な謎の紳士って感じかしら。
「ドラキュラはフランク・ランジェラで決まり!」って、この映画で勝手に私は決めました!
ゲーリー・オールドマンのドラキュラや、トム・クルーズの変に綺麗?なヴァンパイアや、折角のブラピが可哀相にと思えるヴァンパイアや、まぁ許せるアントニオ・バンデラスのヴァンパイアや、1957年からシリーズ8作以上?を数えるらしいクリストファー・リーのドラキュラ伯爵もあるけれど、なんと言ってもフランクでしょう。
(クリストファー・リーといえば「ロード・オブ・リング」のサルマンですよ。)
原作に忠実ということなら、また大作ということなら、多分1992年のフランシス・フォード・コッポラ監督、ゲーリー・オールドマンの「ドラキュラ」を挙げなくてはならないんだろうなとは思います。
なんていったってこの作品は物語の語り手はキアヌ・リーブスだし、ドラキュラの虜になるのはウィノナ・ライダーだしね。
配役に魅力があります。
ゲーリー・オールドマンは面白い俳優さんだと常々感心して見ている私だけれど(「フィフス・エレメント」や「レオン」の彼なんか忘れようったって忘れられないもの)、ドラキュラに関してはフランクに一歩譲らねばならないと思っています。
「ドラキュラ」には不気味さが必要ではあっても、それ以上に高貴な血筋を後ろに背負った美しさが無くてはならないのですから。
その点で圧倒的にフランクに分があります。
ブラピでヴァンパイアに目覚めた人、トム・クルーズで興味を持った人、まだフランクの吸血鬼を見ていない人に、一度彼のドラキュラを見てもらいたいなぁと思います。
そうしたら「きもかわいい!」なんて言葉吹っ飛んで消えると思うんだけどな。
フランクは「きも美しい!」んですよ?