「映画」ハイジ
映画タイトルINDEX : ハ行 7月 30th, 2006監督 ポール・マーカス
出演 エマ・ボルジャー、マックス・フォン・シドー、ジェラルデン・チャプリン、ダイアナ・リグ、ポーリン・マクリン
ヨハンナ・スピリ原作の「アルプスの少女」を少年少女世界文学全集で読んでから50年近くの月日が流れ去った。
年齢的なタイミングの悪さ?か、TVアニメで「ハイジ」をしているのは知っていたがそれは見損なった。
とはいっても一人歩き?しているような「ハイジ」のアニメキャラクターは勿論よく知っている。だがあのほっぺの赤いハイジは私にとっての「アルプスの少女」とは全くの別者に過ぎなかった。
TVのそれは随分長く放映されていたのではないだろうか?それともしょっちゅう再放送されていたのだろうか?
私の頭の中にある物語はそんなに長いものではなかったのだが、それでも、アルプスの四季が移り変わり、おじいさんとの間に愛情の絆がしっかりと結ばれてゆく過程のなんともいえない美しさは子供心にも感動を持って読んだ記憶があった。
だから懐かしさ半分、アルプスの景色とフランクフルトの当時の風景見たさが半分で「ハイジ」を見に行った。
ハイジもクララも私のイメージとはちょっと違ったが、アルムおじいさんだけは不思議なことにぴったりな感じがした。
マックス・フォン・シドーという俳優さんは不思議な俳優さんで、忘れた頃にぽかっと何かしらで見るようだ。
三国連太郎さんをちょっと思い出す風貌がなんとも個性的で、忘れられない作品にスティーヴン・キングの「ニードフル・シングス」の悪魔のような役がある。
その印象が強かったので、恐いだけのおじいさんになるかと心配したのだが、孤独なおじいさんの頑固さと寂しさが、後半の帰ってきたハイジを迎え入れてからの嬉しさとともによく表現されていて、経歴の長さと力まないその巧みさ上手さの力でこの映画を支配していたようだった。
この映画のハイジは可愛らしさや人懐っこさよりは利口さが一寸勝っているかな?という気はしないでもなかったけれど、素朴でセバスチャンとのやり取りに昔本で読んだ時の懐かしさを思い出させてもらった。
子どもの頃にもとても素敵で羨ましく思えたおばあさまが(私は祖母を知らないので)この映画でも本当に素晴らしかったので、あの頃同じく優しくていいなぁと思っていたお医者様の出番が一寸少なかったのが淋しいような・・・
けれども、この映画は上手にあの原作が持っていたような品のある優しさ素朴さをきれいに纏め上げていて「見に行ってよかったなぁ・・・!」と嬉しく帰って来た。
お互いへの愛情がお互いを成長させてゆく素晴らしさが映画から素直に汲み取れた。
ハイジは大好きな人たちのために一生懸命によかれと思う事を行動に移し、おじいさんはそのハイジのために心を開いて、村人ともお医者様とも心を通じ合わせてゆく・・・
懐かしさにどっぷり浸った嬉しいひと時だった。
欲を言えばもっとアルプスの四季の景色を見たかったことと、フランクフルトを見たかったことくらい。
ロッテンマイヤーがジェラルデン・チャプリンだったのも「お久しぶり!」という感じで・・・しかもぴったりなのでなんか楽しくて満足だった。
お医者様を演じた俳優さんもセバスチャンを演じた人も時々お目にかかる人でしたが・・・脇を固めた俳優さんたちが素敵で意外な贅沢をさせてもらった感じ!
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