監督  チャールズ・スターリッジ
出演  ピーター・オトゥール、ジョナサン・メイソン、サマンサ・モートン、ジョン・リンチ、ステーヴ・ペンバートン、ヘスター・オジャース、エドワード・フォックス

予告編でちらりと見た老人・・・あれは紛れも無くピーター?
となれば、見ないわけにはいきません。それに何よりラッシー懐かしいですし。
素敵な人が素敵に年老いているのを見ると元気をもらえます。嬉しいですよね。
「おしゃれ泥棒」から40年。最近では「トロイ」くらいしか殆ど私は見ていないのですから、途中がどうだったのか本当の所は知らないのですが、それでも銀髪になったものの、白い肌に昔と変わらぬ青い目が輝いて・・・恰幅の良いイギリス貴族をわがままに風格を見せて演じていました。いい味がありましたね。
子供と犬を向こうに回してなかなか負けていなかったですね。
これが存在感よ!と、圧倒的に贔屓目の私ですが・・・実際そうでした。
さて、物語ですが、大昔TVで見ていたドラマはアメリカの話だったと思っていましたが、原作はイギリスだったのですね?(あのTVドラマ、DVDで見れるのですね)
いかにもアメリカ的な物語だと思っていたのですが、考えてみれば犬を愛することにかけてはイギリスの方に1日の長がありますよ?
狐狩りのいかにもイギリスらしい風景から物語りは入っていきましたが、イギリス貴族(領主)はまだあんなことしているんですかね?動物愛護運動があんなにも盛んな国で?
炭鉱が閉山する頃といえば4・50年くらい前の舞台設定でしょうか。それでもその光景には犬がいかにも生活に馴染んでよく訓練されて人間と共存している感じがリアルでした。
わがマンションのおじいちゃんやおばあちゃんに抱かれて夕方中庭に散歩に出てくる犬たちと違って、映画の中の犬たちが生き生き堂々としていて羨ましいようでした。
「犬って本来これだよ!」と頷いてしまいましたね。
イギリスの炭鉱の町も「フラガール」で見た常磐の風景と酷似しているところがあって、日本もイギリスも炭鉱の町では同じような時代を通り抜けなければならなかったんだなぁと感慨がありました。
ちょっとひ弱で印象の薄いラッシーの飼い主の少年より、貴族の孫娘の方が生き生きとして利口で行動的でちょっぴりおじいちゃんに似て頑固そうで生意気で魅力がありましたね。
コリー犬は表情がちょっと淡々と?悲しいっていう感じしません?
そのせいかラッシーの困難な旅そのものより、途中で会う青年と娘とか小人の犬への愛情が素敵に印象に残りました。銃に追われたり、野犬狩りにあったり、色々有った割にはラッシーは淡々と800キロもの旅を続けていたような?
何よりハッピーエンドが嬉しい映画でした。
我が家の利口でハンサムでおとなしかったシェットランドのコロが懐かしくって堪まりません。それにしてもラッシーってずーっと男の子だと思っていましたよ。
「犬は人間の言うことが分かるのに、人間は犬の言葉が分からないのに・・・」本当に!うちのコロはうちの男の中で一番忍耐強かったなぁ・・・と、思い出しました。
ラッシーを買った貴族の館へ行く列車が地図の上でスコットランドのエディンバラを越え、アバディーンを越え、インヴァネスを越えてさらに北へ向かうのを見た時、わくわくしました。何時かは行って見たい憧れの土地です。でもどうやら撮影はアイルランドでしたらしいですね。
映画で見た美しい山河がスコットランドだったらいいのに、それにあの湖もネス湖だといいのに・・・ネッシーがいましたよね?
スタッフの中にローレンス・オトゥールという名を見つけました。
いかにも「アラビアのロレンス」を演じた人の息子!という名ですが?