それでもボクはやってない
映画タイトルINDEX : サ行 1月 26th, 2007監督 周防正行
出演 加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、田中哲司、光石研、尾美としのり、役所広次、小日向文世
いやーもうー怖ぁい!
この国では、疑われるような事をして、警察に連れ込まれたら、もう私らにはなすすべは無い!ってことですか?
無実なら出るところへ出れば大丈夫!って、思って生活していましたよ。
警察へさえ行けば、ちゃんと調べてくれるって思っていましたよ。
で、無実なら、起訴されることははなっから無いと思っていましたよ。人を見もしない検察官にはあーぁ。
そして、もしどこかで行き違っても、まかり間違っても、弁護士さんがいてちゃんと無実を証明してもらえるもんだって思っていましたよ。
全部幻想だったんですね。
もうお手上げだって思っちゃいました。
大体まかり間違ったところで、弁護士さんだってあそこまで働いてくれる人、私たちで見つけ出すのってまず無理でしょ?
そう思ったら、疑われることなぞ、まちがってもしてはいけない社会なんだって不安になっていました。
李下に冠を正さず、瓜田に沓を入れず?でしたっけ?それだけが私たちのすがるよすが?
彼は情けないフリーターに見えたから警察はああ、居丈高におざなりに決め込んだのかも知れませんが(いつもああなの?)、反対に彼がそういう立場だったからあそこまで頑張れたのでしょうけれど、頑張ったからといってお先は真っ暗に見えますものね。もう新しい証拠見つけられそうな状況じゃないですもの・・・後はもし上告できたとして・・・裁判官頼り?
裁判官の勤務評定?のあり方も映画の中の幾つもの「愕然!」のうちの一つでした。
もうてっきり「疑わしきは罰せず」が主流?と思い込んでいましたが・・・出てきた数字にも愕然!です。
犯罪とは無縁で」暮してきましたから、むしろ、限りなく黒に近い人が「疑わしき・・・」の鉄則のお蔭で野放しにされている社会の方がこのところ恐ろしい社会に見えていたんですから・・・えぇ~、180度方向転換の目からうろこ!状態で、座席で呆然としてしまいました。
凄い映画だなぁ!緊張して目を見張って終りまで引き込まれて見てしまいましたけれど・・・不安でいっぱい。
映画そのものは収監者の生態?傍聴人オタク?面白く見せるところもいっぱいあって係争中の「痴漢?」さんの援助など重層的に膨らませてとても見応えありました。考えさせられちゃいました。
パンフに11年ぶりの映画ってありました。「Shall We ダンス?」からもう?
「お父さん、認めて罰金払っちゃいましょうよ、明日からの事を考えてよ。」なんて言う自分を信じられます?
それより、この映画見た後で「あなたを信じてるからどこまでも戦いましょう!」なんて、そんな無責任なこと言えます?家族が居て途中でもうお金も続かないしお手上げ・・・なんてなったらもう最悪。
「よかったねぇ、頑張った甲斐あったねぇ!」って言える保証100人に3人ですってさ。
それ以上に、私みたいのが陪審員になったところで、いたいけない少女を見ながら怪しい男?に「疑わしいから無実」って手を挙げられますかね?裁判員制度で何か変わる?
頭を下げて罰金払って野放しになった人って懲りないでどこかでまたやっているのかなぁ?裁判潜った人の方が懲りる?痴漢だけの専用裁判所・万引きだけの専用裁判所でもれなく懲りさせる?
満員電車では手を絶対胸から下に下ろしちゃ駄目よ、女性が居たら何とか背中を向けるのよ、とか何とか自己防衛しても?・・・状況次第でどこから火の子が飛んでくるか分からないし・・・警察へ行ったら相手は全部詐欺師だと思え!って?とにかく何があっても署名しちゃ駄目だ!って?えー、そんなァ・・・
信じてもらうってこんなに難しいことだったのかぁ!
どこから改善していけばいいのですか?日本の裁判制度。司法制度も。
改善点が山積みなのはとてもよーく分かったのですが。
Recent Comments