ヘンダーソン夫人の贈り物
映画タイトルINDEX : ハ行 2月 8th, 2007監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 ジュディ・デンチ、ボブ・ホスキンス、ケリー・ライリー、ウィル・ヤング、クリストファー・ゲスト、セルマ・バーロウ
心がほぐれるような映画でした。
シリアスな部分を抱えているにもかかわらず、大方は笑って見ていました。ヘンダーソン夫人が余りにも生き生きしていて逞しくて、こうありたいものだと強く思いました。
念のため言いますけれど、未亡人になりたいわけじゃありませんよ。彼女ほど財産に恵まれていませんからね?
至極?常識派の友人と見に行きましたが、彼女の最初の科白も同じでした。
「あれだけの財産持って未亡人になるのって素敵じゃない?」
大方の女性はそう思ってしまうかもしれませんね。
でも忘れないでください。彼女は人知れず泣いていましたね。夫を偲び、息子を痛んで。
悲しみがあったからこそ強く生きた女性なんです。
だからもう一度念の為?私はこんな悲しみを知らない幸せの中に居ますから?彼女のように強くはなれないですよ、きっと!でもね・・・
何か一生懸命していないと生きていけないような悲しさ、寂しさ、孤独感の中に居たのでしょうから。
この映画の素晴らしい最高の魅力はヘンダーソン夫人と劇場支配人のヴァンダムさんとの間に繰り広げられる丁々発止の遣り取りです。
ヴァンダムさんの手腕はさておき、ヘンダーソン夫人のありとあらゆる口出しを封じ込める遣り取りと何とかして彼を出し抜こうとする彼女のあの手この手のおかしかったこと。
最後にヴァンダムさんも認めましたね。手に負えないけれど、憎めないって。そこですよ。本当に憎めないんですもの!
その丁々発止で彼女は悲しみを忘れたんですね、一時。そう一時夢見たんですね。そこが切ないですし、可愛いですし・・・ね。(「ラヴェンダーの咲く庭で」の彼女も可愛かったですけどねぇ、あのMですよ。)
そうその彼女にある種アイデア?ひらめき?を与えた未亡人先輩のレディ・コンウェー、彼女の未亡人歴から来る智恵?いいですよ。
この二人のレディのやり取りもユニークな面白さを、ユーモアを添えていました、この映画に。ある種品位でもありますよ。
そしてもう一人クロマー卿トミー・・・いい年の貴族なのに、ヘンダーソン夫人にかかったら?
そう、私もこんなご夫人になりたいですなぁ。憧れですよ、彼女は。
実際遣り取りをする羽目になったら、ヴァンダムさんと違って私なぞは100戦100敗でしょうが(当たり前田のクラッカー)、でも遣り取りしてみたいですよ、こんな可愛いしたたかな頑固なおば様と。長生きのお手本かも?
中国人のメーキャップで小ダンスの上に乗せられたジュディ・デンチさん!可愛くておかしくて・・・白熊のぬいぐるみの中に実際彼女が入って演じたとは思わないけれど、想像はしちゃいましたね。あの着ぐるみの中のデンチさん!だからおなかの皮がよじれちゃいました。
物語は悲しみのニュアンスをまぶして感動的で素晴らしかったですが、それに輪をかけて素敵だったのは、勿論デンチさんとホスキンスさんの申し分の無い上質の演技のほかに、舞台で歌われた歌たち、そしてレヴューそのものの楽しさ、わけてもウィル・ヤングさんの歌!魅力的でした。それにケリー・ライリーさんて素敵な雰囲気の魅力がありますね。「リバティーン」の彼女も魅力的だったけれど、ここではもっと印象的かな。
だから感動も笑いもある物語と舞台で演じられるミュージカルそのもの楽しさ面白さ美しさと俳優さんの魅力に酔えるという3つを堪能できた・・・お得感?
第二次世界大戦の戦時下のお話、しかも実話なんですよ。
日本で・・・考えられますか?
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