監督  ジョナサン・デントン、ヴァレリー・ファリス
出演  グレッグ・キニア、トニ・コレット、アラン・アーキン、アビゲイル・ブレスリン、スティーヴ・カレル、ポール・ダノ、メアリー・リン・ライスカブ

「ハートフル・ロード・ムービー」ってのは簡単ですが確実な訴えるキーワード3つを総動員しているのですから・・・「ハートフル」な「ロード」の「ムービー」なんですよ!心動かされちゃいますね。と言うわけで、濃厚極まりない「ドリームガールズ」と「デパーテッド」の後の水分補給に?出かけたわけです。
でもスルスルゴックンと飲み込める映画では無かったですね。
ちょっと小骨が咽喉にけっつまずいていますよ。
痛い小骨じゃないんですけれどね、結構味のある小骨です。
そうですねぇ、登場人物たちは、あの家族はきっと今ハートフルなハイ状態にいらっしゃるかもしれないですねぇ?
でも私はいっぱい心配していますよ。彼らはまだ・・・途上ですよぉ・・・?家族は再生?したんでしょうか?すればいいのでしょうか?しなくてもそーっとしておけばそれで何とか・・・ってこともありますよ・・・って、それはうちの問題かぁ?
いえ、ともかくキニアさんのお父さんじゃないけれど、彼らは勝ち組にも負け組みにもならないで彼ら組になりました。おじいちゃんのセンス?も叔父さんのカラー?も取り入れて娘の夢を糊にして。
おじいちゃんの埋葬あれでいいのでしょうか、サイン一つで?
お兄ちゃんは次の夢を見つけるまでがきついよねぇ・・・
おじいちゃんにあのダンス仕込まれたお嬢ちゃんにはどんな感化が?
それに伯父さんは失業中だし、お父さんもお金ないのよね?
旅はまだ半分残っているというのに・・・帰り着けるの?
お母さん、この家族を包み込むストレスは大丈夫ですか?
物質金品を馬鹿に出来ない私は本当に心配です。
でも、そう「でも」なんですねぇ・・・問題は。
あっちの角、こっちの縁で、笑ってしまって、涙を浮かべさせられて・・・気になる科白を胸に押し込まれて・・・参ったねぇ。
おじいちゃんが言いました。
「真の負け組みとは負けるのが怖くて挑戦すらしない者のことだ。」
どんな人にもこの科白は届いたと思いますね。
伯父さんは言いました。
「飛ばせてもらえないなら自分で飛べばいい。」だったかな?
お兄ちゃんは言いました。
「僕の妹を採点なんかさせないぞ。」
妹はおにいちゃんを慰めるのに・・・何も言いませんでした。
素直に可愛い場面でした。兄妹っていいなぁ・・・!
さて、コンテストに出場した妹は踊っちゃいましたね!
そして飛び込んだ家族です・・・ちゃんとおじいちゃんがそこには生きていましたし・・・いい場面でした!採点のオバサンじゃなくとも「あっ!」ですよ。
チョコレート場面のキニアさんの顔が踊る場面のキニアさんの顔になり帰りの黄色のおんぼろミニバスを押す顔になる・・・本当に魅力的な俳優さんですね。「恋愛小説家」のあの役どころが抜群に上手だったのであれ以外の役は出来ないだろうとあの時は思ったのに・・・。(凄く男らしい作品もありましたよ、念のため)
バスを押しながら一人一人走ってバスに転げ込むシーンが重なるごとに家族が家族になっていくようで・・・やっぱり家族は家族になりたいなぁ・・・と正直に言えば・・・ホントは思っている私です。
でもアメリカ、あのコンテスト、あの子供たち、(ミス・リトル・サンシャインコンテストに出場した)何年も前の美少女殺人事件を思い出しました。何度もTVニュースで流された「これが子どもかい?」っていう映像の中のような女の子がいっぱい!恐ろしいもんだ!と思いましたよ。
それにしてもこれだけ個性的で面白くて存在感のある顔の人たちばかりよくも集めたものですよ。
だからこそ?表情の変化が感情を素直に伝えてくれたのでしょうか?顔って正直な方が人って可愛いかも?コレットさんのどちらかって言う不機嫌顔が優しいお母さんの顔になるところとかね、いいなぁって。
そして不機嫌顔といえば「24」のクレアがやっぱり不景気面で居ましたね。アメリカだ!