監督  リズ・フリードランダー
出演  アントニオ・バンデラス、ロブ・ブラウン、ヤヤ・ダコスタ、アルフレ・ウッダード、カティア・ヴァーシアス、ローラ・ベナンティ、ダンテ・バスコ、ジェナ・ディーワン

映画には色々な魅力があって、普段余り映画を見ない人をもジャンルによってはひきつける。
先日「魔笛」のために八王子からわざわざやってきた友人もコーラスとピアノをこよなく愛する人だったように、この映画に「行かない?」と電話してきた人はダンスとラテン音楽が大好きと言う人だった。
「いいわね、アントニオさん好きだし・・・もうセクシー・・・ダンスうまいしね。」
「ねえ、アントニオって本当に踊れるの?」
「あ、よくは知らないけれど、ゾロでキャサリン・ゼタ・ジョーンズさんとドキドキするようなダンス・シーンがあったわよ。」
「えー、わたしそれ知らない!今度借りて見るわ。」
彼女が先回見た映画は「ステップ・アップ」だと言う。なるほどね!
そんなわけで出かけて二人で「良かった良かった」と満足した?
うーん、実は一寸物足りない。映画には文句無い。
ウーピーを思い出さないことも無いけど、有りそう過ぎる筋立てだけど、全く文句無い!
ただ、アントニオが素敵過ぎて、アントニオのダンス・シーンがもっともっと見たかっただけなのだ。あの倍の、いや3倍のアントニオのダンスシーンを入れてくれていてもきっと物足りないのかも?
アントニオと金髪のプロのダンサーとの踊りは息が詰まりそうなほど素敵!高校生の女の子でなくとも「芯から憧れる!」高校生じゃないからこそ?あのダンスが見せる物に魅せられる。「私にあの足とお尻があったらすぐさま始めてますよ。」と、ため息をつく私に彼女のため息が重なる。彼女こそダンスが好きなのだから本当にそうだろうと思う。「ステップ・アップ」と同じ子がでていたというので「どっちが良かった?」と聞いたら、圧倒的にこっちが良かったという。今度踊るかどうかは別としても、アントニオの映画は外せなくなったと彼女の映画ジャンルがどうやら広がったらしい。
アントニオはダンスだけではなく優しい大人の大人らしい視線でも魅惑だったもの、当然。
ボール・ルーム?コンテストにしてはこじんまりとした最後のダンスシーンの濃密さが当然だが圧巻。お決まりの終わり方だが期待した事が期待以上に素敵なら言うことは無い。楽しかったの一語。
アメリカの実話でアントニオが演じた人が今実際にダンス教育の現場で活躍しているという。アメリカの南米系やアフリカ系の人には私たちよりずっと濃い音楽と踊りの血が流れているものなぁ・・・ダンスを通じてのステップアップはとてもいいアイデアだったんだと納得出来る。毎晩盆踊りの音楽が聞こえる頃だが日本だと・・・?
札幌の「よさこいソーラン」は大学生を越えて全国あらゆる層に広がった。しかし札幌でも賞を競う強豪チームにはいじめがあって下手な人がはじき出されると囁かれていた。さて、あの人種の・偏見の坩堝の国でこそ、あの高校生の子供たちのようなチームワークが広がっていてくれているといいな・・・とまだ夢を見ている。