監督  ペドロ・アルモドバル
出演  ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドウエニャス、ブランカ・ボルティージョ、ヨアンナ・コボ、チュス・ランブレアベ

色彩の鮮やかな画面でした。女のための女の映画でした。が、ここは女護ヶ島?色々あってしっかり生活しているのは女ばかりで、男は皆墓の下?色彩に惑わされたせいか私の頭はまだ戸惑っています。
なんとなく昔のソフィア・ローレンの映画を思い出させられましたが、ソフィアの母には大らかな逞しさももそこ深い悩ましい悲哀ももっと痛烈だったような(今はもう朧?)記憶がありますが、ここに有るのはもう少し違うような・・・その場しのぎ的な行動的な刹那的な?スペイン的な?
二代続いての犯罪、暴かれることなく過ぎた犯罪、どうやら罪は償われなくてもいいような?
二代続けて女が落ちる悲しみということは、かの国の男とはああいうものなのだ・・・という認識?まさか!その出来事に仮託した女の生きる道の厳しさということでしょうね?
だとしても、ああキレイに葬り去ることが「良かった!」ことなのでしょうか?
犯罪が暴かれてその原因が追究されて、その時真に男の罪を白日の下に晒し、そういう男たちから女性を守る方策が模索されるべきだ・・・なんて、私の理性的な?頭の片隅では思考が行われていたのですが。圧倒的なこの女優陣たちに押し流されてしまいましたね。
だって、当然でしょ!そんな男たちに母が与えるのは死の宣告!
って言うか、その時・瞬間の防衛は当然究極には殺人になってしまうでしょう。
殺しても飽き足りない男たち!裁判に引きずり出してもなかなか死罪まで持っていけない卑劣な劣情を裁くには?
なんにしても女たちは生きて行く。子供を守って!それが母!
頷かされてしまった私の心情は「母こそ心の故郷!」と謳っておりました。「ボルベール」と!(ペネロペさんの歌ですか?最近俳優さんの歌唱力に敬服している私ですが)
それにしても太陽が違うんですかね?彼女の身にまとう(和柄の花模様風?の)華やかな信じられない色彩の組み合わせの衣装。あれとあの体格とで「母」以上の(以前の?)「女」というものの素晴らしい凄さをペネロペさんは表現しつくしているようでした。
女の本質が違うというか、根本的に女が違うでしょうというか、そもそもどっちの女が女なんだ?と大和撫子女の女である私は押し捲られてしまってたじたじ!感動というより迫力負けでした・・・かも?