監督  山崎貴
出演  吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、須賀健太、小雪、小清水一輝、三浦友和、もたいまさこ、掘北真輝、小日向文世、浅利陽介、小池綾夢

期待通りの映画が期待通りの画面で期待通りに進行していくということの小気味よさがいい感じでした。
昭和34年、私は11歳になりました・・・と言うわけでこの映画の真のターゲットは私くらいから年上の人でしょうね。
でもアットホームを絵に描いたらこんなソフトでホットでスウィートな世界・・・と言う部分ではどの世代にも受け入れられる余地有りの汎世代映画でしょう?
原作にお目にかかる可能性は皆無の私ですが、原作の支持者は当然若い世代でしょうから、圧倒的に見る人を選ばない映画です。
ただあの頃の記憶を探ってみると、もう少し街がきれいになっていたような気がしてなりません。昭和34年は・・・それでも私の80歳の友人の息子さん(私より1年学年が下)は「この頃学校でツギの当たったズボンでいじめられた記憶があって、今でも思い出すのがイヤな時」なのですって。そうはいっても小学校の頃は穴を繕った靴下や肘当てをつけたセーターは当たり前でしたっけ。
するってーと、町はもっとキレイだと思いこんでいるのは記憶の優しさかなぁ?
しかしお話を(エピソード?)を思いっきり詰め込みましたね。
「まだあるんかい?」と、終盤の「泣きなさい!」攻勢には参りましたけれど(ハンカチ出しました)、お隣のお嬢ちゃんたちも鼻すすっていたから、まっいいか。
結局どの話も皆気持ちがいいんだもの。期待を裏切らない科白もちゃんとそれらしいし、夕日のオレンジ色の暖かさがてんこ盛りだし。
ヒロミさんが読んで戻ってくるためにはあの小説しかなかったのか?と思わないでもないけれど、あれ小説としては一寸お粗末。
茶川くんの気持ちそのままの素直さは買わなきゃなるまいとは思うけれど、あれで芥川賞最終選考に残れるかって。感動の頂点で妙に白々と考え込む自分が居ましたね。あれじゃ本当のところ社長は評価できないでしょうよ。
それに前にも思ったけれど、小雪さんは踊り子としてもあの時代には育ちすぎじゃないかなぁ・・・でもでも、国際劇場ではエイトピーチェスがかっこよく踊っていたしなぁ・・・ありじゃないか?でもトモエさんの小柄さがいいです。
ホーローの看板攻勢もいいです。犬の育ち方もいいです。六ちゃんの彼とタバコ屋のオバチャンの関係もいいです。それに焼き鳥踊りをしている三浦友和さんて凄く好きです。三平謝りをする一平君はもっと好きです。給食時間に読んでいた「少年少女文学全集」は私も全巻おこづかいで買い溜めました。背のタイトルが読み取れなくて残念!
そしてそして、あんな蕎麦屋があって、タバコ屋のおばちゃんがいた町に住んでいた私だもの「いい映画だった!」の一言!ですよ。
大門のそばのおじいちゃんとおばあちゃんの焼き鳥屋さんの焼き鳥をもう一度食べられたらなぁ・・・年の瀬には浅草の尾張屋の蕎麦を食べよう・・・そういえば伯父さんの海外出張、親族一同うち揃って花束持って羽田へ見送りに行ったなぁ・・・今じゃ誰も行かないよなぁ・・・などと、見終わった後も思いっきり思い出すことが多いのも嬉しかったし・・・いいです!映画の付加価値感謝!