監督  平山秀幸
出演  中村勘三郎、柄本明、小泉今日子、ラサール・石井、笑福亭松之助、淡路恵子、間寛平、笹野高史、松重豊、藤山直美

ありえない邦画三連荘の真ん中が「てれすこ」と成りました。
ま、行かれた人はてれすこの説明要らないでしょうし、行く予定の人は聞きたくないでしょうし・・・というような微妙な代物です。とりあえず金馬さんの「てれすこ」でも聞きましょうか?それからってものかもしれません。
ってーか、この場合、面白い題をつけたいからだけだったんじゃないか?って気もしないでもない代物です。最後に食べた弥次サンの幸せ感に結びついて意味を成したって感じですから、一緒に行った旦那が「今一だった、ウン今一だった!」と、繰り返したのにも頷けます。
でも、のっけの老いたおさん・茂兵衛には思いっきり笑わせてもらいました。会話の魅力ってやっぱりこんなんですよ。絶妙!
松之助さんに長谷川一夫さんを被せるとなんかにやにやしてきちゃって自分の中で笑いが完結しちゃいました。
この淡路さんと比べると明るくおきゃんで擦れてて粋のいい(筈?)のお喜乃さんの今日子さんは声のよさと思いっきりの良さで吹っ飛ばしただけって気がしてしまいます。科白で説得力に欠けたかな?男性陣二人が余りにも芸達者な科白に説得力のしっかりありすぎるほどの人でしたからね、可哀相。っていうか、小泉さんの持って生まれた愛嬌がしっかりカバーしていてくれて、かえって下手な演技上手の半端な人を持ってきたらどうにも成らなかったでしょうね・・・という感じでしょうか。
だからつまり?いい組み合わせだったんです、ハイ!
落語のあの話この話とつまみ食いして笑わせてもらって、楽しいひと時でした。デモネ、私の中では松重さん使っておいてあれだけ?っっていう気はしないでもない。何でこの俳優さんこんなに気になるようになっちゃったのかな?って不思議でもあるのだけど。好きな俳優さんもうちょっと見させてもらいたかったァ・・・旬ってあるじゃない?
道中どんどん前へ進んでいくんだから挿話一つ一つに引っかかってなんかいられない、その歩く早さが命です。それが実に上手く言っている部分で楽しませてもらえたって事でしょうね。ひと昔前のフランキーさんとかの完全娯楽総天然色っていう映画をぼんやり思い出したりしていました。でも印象に残ったのは冒頭と飲んでしまった喜多さんのとぐろ!
サービス精神は間違いなくある。そして上手に見手をくすぐる会話とそれをうまく聞かせてしまう上手さと勢いのある俳優さんがいる、楽しいじゃありませんか!と、私は思って、くくくと笑いながら帰ってきたのですけれど、多分来週にはもうこの映画のことは忘れているかも・・・