いつか眠りにつく前に いつか眠りにつく前に
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監督  ラホス・コルタイ
出演  クレア・デインズ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、トニ・コレット、メイミー・ガマー、ナターシャ・リチャードソン、ヒュー・ダンシー、パトリック・ウィルソン、グレン・クローズ、メリル・ストリープ、アイリーン・アトキンス
うーん、なんていうか感じるところの多い映画でした。
多分見る女性の(当然女性でしょう、この映画は女性のために生まれたような映画です)年代によって心に響く場面が違ってくるでしょう。ある意味様々な、というよりあらゆる年代の女性の物語が網羅されている印象でした。そしてあらゆる年代の女性のぶち当たる壁をも見せてくれているようでした。そして、最終的にはすべてを受け入れる度量、溢れるほどの優しさを感じさせてくれました。
何をしても、、どんな道を選んでも、たとえ過ちを犯しても、人生そのものを過ることなんて無いのだと。すべてを肯定してくれているのです。だから見終わってほっとしますよね。
トニ・コレットの演ずる不安定な自信の無い娘の揺らぐ心を支えてくれた母たち。老いたアンとライラ。
結婚生活を維持し子供を育てているナターシャの演ずる姉は妹より人生を知り母に近い分母を理解して信じているようでした。
多分誤解を畏れないで言えば、母にならなければ母を完全に理解することは難しいのかもしれません。「親になって知る親の恩」って、やはり真実です。娘は母を大抵は余り知りません。母が母になる以前のことは殆どというのが普通でしょう。
私も子育てが終り、東京に戻れば母ともっと話を出来ると思いこんでいましたが、そのときが来たら母はもう亡くなっていました。
幸い父や母の友人たちから若い日の母の話を随分聞かせていただきましたが、それでも母がどんな青春を送ったかなどということは霧の彼方です。自分が育つ過程で、また子を育てる過程で、娘は母を追体験するのかもしれません。それで良いのでしょう・・・。知らなくとも分かることとでも言いましょうか。それこそが人間の自然の営み?
妹娘は足元が揺れている分だけ母の過去に拘泥してしまったのでしょう。若いってことはそれだけで過ちなのかも・・・と年を経た私には思われることも・・・。
男たちが子供と言えば子供に思える映画でしたね。バディの哀れさ、幼さ、ハリスの存在感の無さ。ライラの夫の影の薄さ。アンの夫たちの姿の無さ。ああそうそう、トニの妹娘を支えてくれるボーイフレンド?は良い感じでしたね。彼なら大丈夫って感じです。それにしても女性映画のオールスター・キャストでした。グレンまで!スーザン・サランドンとサリー・フィールドが居ないのが不思議?・・・なんて茶化して・・・グイネスとクレアと混同するのよね・・・とぼやいて・・・アンとライラの年齢を計算して・・・老成しすぎじゃない?と思って・・・涙を一寸拭きました。母娘って良くも悪くも似てくるものだと?女優さんたち母娘がそのまま見せてくれている映画でもありました。