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監督  シェカール・カブール
出演  ケイト・ブランシェット、クライブ・オーウェン、ジェフリー・ラッシュ、サマンサ・モートン、ジョルディ・モリャ、トム・ホランダー、リス・エヴァンス、アビー・コーニッシュ

「エリザベス」を見ているせいもあるかもしれないが、エリザベスを演じるならやはりこの人しか考えられない!というくらいケイトはエリザベスだった!
ケイトの大ファンだという友人と見に行ったので、彼女は「これでアカデミー賞が取れなかったなんて信じられない!」とぼやきっぱなしだった。実際あの大時代な役を彼女ほど見事に尊厳と迫力を持って演じられる人は居ないだろうと、私も素直に思った。
けれど、マリオン・コティヤールが凄かったのも事実だ!
このブログでケイトの映画は既に6作を数えている。まさに今ケイトもゴールデン・エイジの真っ只中に居る気配だ。女性にとってこのコスチューム・プレイというものは実に多くの楽しみがある。あの山のような衣装!鬘!甲冑で髪をなびかせているあのヘアスタイルでさえ鬘なんだから。それにあの舞台!どこで撮影したんだろう?どこでしたにせよ、イギリスの宮殿、教会、建築の魅力を存分に見せてくれる。
エリザベスが偉大に素晴らしく豪華に見えたのはしかしあの衣装だけの御蔭ではない。ケイトはとても大きく見えた。「ギフト」「ヘヴン」「あるスキャンダルの・・・」のあの繊細さ、弱々しさはどこへ消えたのだろう?この落差の大きさに呆然とする。
愛に悩んでいてさえも。怒りに我を忘れて怒鳴りまくろうとも。なんと魅力的な、なんと聡明な、生きるパワーのなんと大きな女王だったのだろう。山師みたいなサー・ウォルター・ローリーがひれ伏さずには居られないほどの。そして智恵の固まりみたいなウォルシンガムが一生付いて行きたくなるほどの。2作を通して楽しみの一つはウォルシンガムだった。この凄い男!この男を通してエリザベスはより女王になったような気がしてくるほどこの男は凄い!これだけの男性にこれだけの忠誠を誓わせるほど魅力的な女王だったのだろうと。
そしてまたそういう周りの人々がこの女王をより女王に育て上げ、時代を乗り切り、ゴールデン・エイジを作り上げたのだと素直に思い、この映画の時代にどっぷり浸りエリザベスやメアリの恐怖や猜疑心や欲望を目の当たりにしているような臨場感に酔えたのだと思う。それもこれもやはり演技力だよねぇ・・・と最大の賛辞を俳優さんたちに送りたくなるような映画だった。
私はクライブ・オーウェンという俳優さんは好きじゃない。だがこの役に関して彼は良かった。多分彼の濃さが時代の濃さに負けなかったからだろう。現代劇だと彼は重すぎるのだ、私には。