bannte-ji.jpg  bannte-ji1.jpg

bannte-ji2.jpg  bannte-ji-3.jpg 

bannte-ji-4.jpg 

bannte-ji-5.jpg

オリジナル・サウンドトラック「バンテージ・ポイント」 オリジナル・サウンドトラック「バンテージ・ポイント」
サントラジェネオン エンタテインメント 2008-03-12
売り上げランキング : 82671Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 監督  ピート・トラヴィス
出演  デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィッテカー、ウィリアム・ハート、シガニー・ウィーバー、サイード・ダグマウイ、エドウアルド・ノリエガ、エドガー・ラミレス、アイェレット・ゾラー
始めから終りまでこんなに心臓がパクパクした映画は久しぶりだ。
もう夢中でのめりこんでそのパクパクを多分思いっきり楽しんだんだろう。こんな映画にぶち当たることがあるから、映画に行くのを止められないのだね。
物語の時間的な緻密さと、登場人物の配置の妙と、一人一人の目線から進む物語のスピード感と、何を、どこをとっても目を話せない緊張感の濃密さがあった。
最初はSPの間にだけあった緊張感が、2発の銃声で一気に広場からその外の世界へ津波の様に波及していく。
そのパニックの情景が最初から最後まで背景にびっしり描きこまれていて、その圧迫感と騒擾に私の心臓は引っつかまれて喘ぎ続けてしまった。
最初この町のこのパニック感は行き過ぎではないかとも思えたのだが、気が付いてみると物語りはこの広場で始まって、ほんの東へ8ブロックのガード下で終息したのだ。時間的にも地域的にも狭く短い間の出来事だったのだから当然ではあったのだが。
しかもTVの映像でリアルタイムに報道までされていて、人々は争ってその場から逃れ、または争ってその現場へ駆けつけるといううねりが起こりえる状況だったのだ。そしてその町の駈け抜ける人々、走る抜ける車々の混乱。それを背景にスピード感の波動が起こる。
そこに何度もかぶさる爆発の煙の中のフラッシュバック。
あの音とリズムに私の心臓は共鳴してしまったのだ。
それがこの映画の最大の魅力でもあったかもしれない。
特にアメリカ人観光客ウィッテカーの動き・目線。あれが今の大多数のアメリカ人の立位置で、映画を見る私の目線でもあるかのような。
大統領の影武者作戦、内通者の存在、テロの可能性とそれを利用するタカ派、そのさらに裏をかくテロリスト、人質、恋の仕業、主人公はクリント・イーストウッドとケヴィン・コスナーとが演じたことのあるシークレット・サーヴィスそのままの経歴だし・・・ちりばめられている一つ一つに新味は無いのに見せ方で凄いハラハラドキドキのドラマが出来上がっているという見事さ。
人質をあんなに簡単に消せたテロリストが少女を轢く事を避けようとする。その事実は、話し合いを優先させようとする大統領の意志よりも自然に人間的でちょっぴり救われもする。
こんなに心臓に素敵な?映画なのに・・・あの首謀者の使いこなす携帯の凄さに付いていけない。あんなに色々なことが本当にあんなに簡単に出来るの?今って?