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監督  サラ・ポーリー
出演  ジュリー・クリスティ、ゴードン・ビンセント、オリンピア・デュカキス、マイケル・マーフィー、クリステン・トムソン、ウェンディ・クルーソン

こういう映画、邦題を工夫してもらいたいなぁ・・・と思います。(水野さんが亡くなられましたが、名邦題を付ける事でも知られた方でした。)
それだけで見に行く年配者増えるでしょうし・・・、と言って年長者に「お薦め」できるかというとそれはまた別ですが。
「連れ合いの片方がアルツハイマーになった時」という設定は最近では良くある題材ですが、多分大多数の普通の日本人の夫婦にはある意味不思議なというか納得できかねる設定でもあるでしょうね。
大体この手の題材に取り上げられる夫婦はかなり年齢が高いこともあって、セックスの部分に踏み入ることは少ないようです。
そういう意味では珍しい切り口も見られる・・・と言えるのでしょうか。でも、本音を言えば相手のことがわからなくなっていく時に、そんなことで悩んでいる暇があるのか?って思っちゃいます。それとこれとは別ってことですか。
生活、看護に疲れ、未来に不安を抱いている時に、相手とのそもそもの距離に苦しんでいる時に・・・孤独に苦しめるかなぁ?自分だけの?
妻の、夫の切なさは凄く分かるようで、相手を見る瞳に共感と同情と理解を感じると言う点ではとても心に響くところのある映画でした。でも妻を失いかけた夫と夫を支えきれなくなった妻との孤独を癒す方法と思っても厭な気分になりました。
元気なときに裏切った人が今この時にも妻を裏切るのか?それが人か?というところでしょうか?後ろめたさに罰されているとさえ思う夫があんな行動を取れるのだとしたら・・・?
孤独の噛み締め方が日本人と違うんだなあ・・・なんて思うだけで良いのかなぁ?それにしてもあの夫の後姿が妙に可愛くて、7人の小人の中の誰かな?なんて思えるんですよ。でも正面から見るとあの煙ったような目はジュリーさんの青い悲しい目の表情と比べると・・・苦しみが伝わってこなかったのです。青い目は表情が豊かですねぇ!それにむしろ車椅子の夫の表情が痛いくらい語っていると思えました。上手い俳優さんなんじゃないか・・・と思いましたけれど、オリビアさんもやっぱり開き直りに近い強さを見せて、アルツになっても、ならなくても?女の方が自分の生き方を知っているという気がしたのです。
一緒に見た友人と話が尽きなくなったことは確かなんですが・・・
切なくはあったのですが、いい映画とは言えない気分です。