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監督  坂田雅子
出演  グレッグ・ディヴィス、フィリップ・ジョーンズ・グリフィス

こんなに素直な気持ちで見終われるとは思っていませんでした。本当は一寸気後れしていたのです。見るのが怖いような?でも違いました・・・
この映画に関してはただ「見てください!」としかいえないような気がします。
こんなに直線で胸に、心に迫ってくる映画を知りません。
なんの技巧も無く、素直に回るカメラに写る人々は、そのまま素直に語り、心に滑り込んできました。カメラを回す人の心に有った思いが、映された人の心を偽り無く写し撮って、見る人の心に確実に真っ直ぐ届いたと思います。
フィルムの向うでただただ愛情が人知れず静かに静かに日々を時を刻んでいました。今現在も、まだまだこれからも。
あのベトナムの若い親たち、枯葉剤の影響を受けて生まれてきた我子を見つめる眼差し、抱きしめ頬擦りし撫でさする手、すべてにいたいほど感じられる優しさ愛しさ・・・愛情の精髄を見た気がしました。あんなに優しい手で、あんなに柔らかい頬で、あんなに慈しみに溢れた目で・・・今現在のことです。
ベトナム戦争から何年経ったでしょう?これから何代続くのでしょう?
ベトナムの寒村の貧しい親子たちに心を洗われました。彼らは愛だけは限りなく豊かでした。