映画「歩いても 歩いても」サウンドトラック 映画「歩いても 歩いても」サウンドトラック
ゴンチチIn The Garden Records 2008-06-11
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監督  是枝裕和
出演  樹木希林、阿部寛、原田芳雄、夏川結衣、YOU,高橋和也、田中祥平、寺島進、加藤治子

さぁてね、この映画良かったのかなぁ・・・良くなかったのかなぁ・・・楽しんだかなぁ・・・楽しめなかったのかなぁ・・・全部微妙なところでかろうじてバランスを保っているっ?危うい。日常って本当に危ういものなのかもなぁ・・・って思わせてくれるところがこの映画のみそ。題の「歩いても歩いても」はあのいしだあゆみさんの歌からとっているのね?この場面わかるな。男には怖いだろうけれどね。(時々思うのだけれど、妻を裏切った男って、妻に看取ってもらえると思っているのだろうか?)
この映画はさらぁっーと、ある家族の特別な1日をただひたすら描写しようとしているように思える。実際そうしている・・・のだが、そうなのかなぁ・・・?俳優さんたちが多分物凄く上手なんだろうな。凄くというか自然なんだけど・・・自然てこんなのかなぁ・・・意図した自然て普通じゃ無くなるんじゃないかなぁ・・・自然っぽ過ぎるから怖くなる?
子供に先立たれる親って確かに少なくないし・・・横山秀夫さんの短編にこんな話あったな。あの部分のお母さんて怖いけれど確かにお母さんなんだね。
それにしても(普通の?)家族の日常を描くと男ってなんて存在感が無くなるんだろう。阿部さんみたいに存在を薄くするのが難しいくらい特異なキャラクターを発揮できる俳優さんが主人公で居て、これも男らしさたっぷり凄い魅力ある原田さんが対抗に居て、濃い寺島さんと高橋君の顔が出てきて・・・なおかつそれでも男たちの影が薄い!
耳が傾く会話は女たちの間でしか語られなかったような気さえする。
そういう意味では姑になった女か、嫁になった女しか楽しめない?映画だったのではあるまいか。娘も嫁に行ってから、母になってから、出来る母との会話というものがある。子を失ったり、夫に浮気された女には過去が骨になっている。なのに男ときたら?この監督は女性的な観察力のも持ち主なのだろうか?女同士の会話にピリッとしたニュアンスがある。樹木さんがつぶやくとそれだけでその会話に実が味が付いてくる。そういう意味ではこの映画は樹木さんで出来ている。男は人生のつけたしみたいな?家庭ってそれでいいの?って聞きたいみたい。多分男は男ってそうすべきだって思って、それが優しさだって思い込んでいるんだろうな。
そして母が亡くなって墓参する息子はあの日面倒で逃げたかったあの日を今頃になって、間に合わなくなったから、懐かしんでいる?
「次は正月」「正月はいいか」墓で思い出したかな?自分の言った科白を?そしてそれは亡くなってしまった人にはなんの意味もない。だけど今度は自分に帰ってくる。墓で思う感慨は自分だけの自己満足。
「人生は、いつもちょっとだけまにあわない」?ちょっとだけかい?
君はちょっとだけでよかったね。人それぞれのちょっとってあるもんだね?私は間に合わなかったことだらけだ!多分女の方が間に合わなかった多くの事を知っている。

歩いても歩いても 歩いても歩いても
是枝 裕和

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