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監督  リチャード・アッテンボロー
出演  シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、ミーシャ・バートン、スティーヴン・アメル、ネーヴ・キャンベル、グレゴリー・スミス、ピート・ボスルスウェイト、デヴィット・アルベイ、マーティン・マッキャン

「紙屋悦子の青春」を思い出してしまいました。殆ど状況は同じでしょ。戦時下では恋人たちは同じ事を思いつくらしい。しかし、今の人は自分の将来のことまで決めておいてもらいたいものだろうか?否である。こんなこと自分の了解も無く決められてしまうなんてとんでもない!だろう。
時代と特殊な状況下の一つの心のありようとして理解しようと思えば出来ないことは無い。しかし救いの無いのは死者との約束だ。
誠実な人であればあるだけ、破約出来ないだけに縛られてしまい、その苦痛はいかばかりだろうと思う。「紙屋・・・」の場合は日本人的な、余りにも日本人的な・・・という情の絡ませ方が切なさに通じてやるせなかったが・・・アイルランドにも古風な情の世界はあったということだろうか?新婚の夫は出征前に自分が死んだら妻の面倒を見る、幸せにするという事を友人に約束させる。約束した友人はそれを守る、自分も愛していた人だから・・・でも彼女は?娘の非難がその過ぎてきた彼らの生活を物語っている。そうまでして守った約束に生かされることは無く、彼女の夫の亡くなった後の彼女の自堕落な姿勢は約束の抜け殻。娘も生まれて幸せな時が無かったわけではないだろうに、シャーリーの死んだ表情が約束を守ることに費やした時間の疲労を物語っている。だから若い時の彼女を演じたミーシャさんがあれほど美しく魅力的でなかったら・・・約束は何処かで破綻していたかもしれないのにね?でもそうしたら彼女たちの心はもっと傷ついていたろう。少なくとも夫になった青年は約束を全うすることが出来たし、愛した人と暮せたのだから。でも、死んだ心と?あーいやだ・・・とてもロマンチックとは思えないと帰って来たのだ。ラストが救いに繋がることは理解できても。
死に行く兵士とした約束につつかれながら生きてきたアイルランドの男の生き方は賞賛できても、自分も愛しているといえなかったジャックはどうだったんだろう?そしてだからこれからどうなるとも思えない・・・でも自由はやっと手元に・・・まぁほっと出来たろうね・・・「戦争って、だから・・・」と、ロマンスには乗りそこなったけれど、戦争なんてあってはならないのだとは強く思った。戦時下に始まって終わりも紛争の中。人が争い続ける限りこういう物語は戦争が生み出したあぶくのように生まれ続けるのかな?
テディを演じた人を見ていてなぜか「ウエスト・サイド物語」のリチャード・ベイマーを思い出した。妙に甘い美青年だけど私はジャックの青年時代を演じた人が好きだな。あの時もチャキリスさんが良かったように。シャーリーさんとか、クリストファーさん(変わらないよねー)とか古い俳優さんがしっかり仕事をしているのを見られるのは凄く楽しいし、若い俳優さんがどんどん素敵になっていくのを見るのも楽しい!だから映画は止められぬ。

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脚本:ピーター・ウッドワード竹書房 2008-07-10
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