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コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985)) コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))
木村 榮一新潮社 2006-10-28
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「コレラの時代の愛」

監督  マイク・ニューウェル
出演  ハビエル・バルデム、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ、ベンジャミン・ブラッド、ウナクス・ウガルデ、カタリーナ・サンディノ・モレル、ヘクター・エリゾンド、リーヴ・シュレイバー、ジョン・レグイザモ、フェルナンダ・モンテネグロ
「あの日の指輪を待つきみへ」を見に行った時、その友人と「次回はこれね。」と決めていました。でも、気持ちの中では「予告編を見る限り、限りなく主人公の行為はストーカーに近い感じじゃない?いやな映画になるかも?」って危惧していました。
ところが見終わってみたら・・・「良かったじゃない、いい映画だったわ」でした。わからないものですねぇ。期待していた「アウエィー・フロム・ハー」は厭な気分の残る映画だったし、「シャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマーが顔を揃えて悪い映画になるはずは無いじゃない?」と思って見に行った映画は何とか若い俳優さんたちに助けられた感じ?でしたし、見てみないと分からないもんだなぁ!「駄目かも」と思いながら行った映画、それも寝坊助の私が9時の早起き映画をですもん、これが「良かった!」となったら凄い得した感じ、1日ウキウキもんです。
もっともアッチコッチ違和感というか、「?」っていうか、微妙に・・・なんかなぁ・・・というか・・・なんかぴたっとしない部分はあるのですが。
「LOVE」というものの遺伝子がそもそも違う!って部分があるのかもしれませんし、コロンビアを舞台の映画っていうのも初めてだし、フェルミナとフロレンティーノって紛らわしくてイタリア喜劇みたいだし?
でも何より主人公の女性を演じたジョヴァンナさんの美しさは予告編を見たときから衝撃的で、なんて美しいのでしょう!ってつくづく見入ってしまいました。年を重ねてもやはり美しくて・・・一生恋わたる男の気持ちが分かるようでしたもの。それはこの映画の場合大事な因子です。ここが弱くてははなっからお話になりません。
手紙で恋に落ち、会って現実に目覚め、大人になって普通に確実な伴侶と結婚し、それなりに添い遂げて・・・51年余り?それが普通の幸せでしょう?その人に影のように纏わり付いて、現とは思われないような人生を揺らめいて過ごした変な男の哀れさ。
時が来たと思い、またそのときに拒絶されてもまだ諦めない思い込みはある意味どうにも理解不能だし、だいたいあの時に出かけていく凄さって・・・なんだろう?って思いますよね。それなのに見終えてよかったと思えたのはやっぱりあの一途さにかなう物はないと思ってしまったからでしょうね。熱に浮かされ続けた53年の歳月の重みにね。
そしてまた手紙で繋いで2年・・・53年目の恋の成就って?その粘り、粘着性は肉食人種じゃなければ無いだろうなっていう気もしますが・・・「もう負けた!」としかね、思えないです。それにしても何処も恋の始めは普遍的、可愛いのですね。
フェルミナの73年間は普通の女性の歩んだ年月、異常なのはフロレンティーノの歩いた53年の軌跡。背中が曲がり髪が白くなり老いていくほどに私には彼の生き様が不気味に思えましたけれど、母が息子の恋を理解し共に苦しみ助けようとする様には妙に心打たれるものがありましたね。愛というものの概念と、愛に対する寛容さの違いにある国民的気質?に気押されてしまった感じでしょうか。
恋なのか妄執なのか・・・恋が成就するのに要した年月は・・・日本だったら、日本のあの頃だったら、骸骨にさらさらと風が渡っている頃ですねぇ・・・
彼女のお父さんを演じたジョン・レグイザモという俳優さんERのヘリ事故で亡くなったドクターですよね?コロンビア出身なんですね。後、印象に残ったのはフロレンティーノの少年期を演じた俳優さんの目の生き生きした若さでした。