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監督  西谷弘
出演  福山雅治、堤真一、柴咲コウ、松雪泰子、北村一輝、ダンカン、長塚圭史、金澤美穂、益岡徹、林泰文、渡辺いっけい、真矢みき

本も読んでいるし、TVドラマも見ている。さて、映画はどの線を行くのだろう?何故かこんなに映画の予告編を見ていたのに、この映画の予告編には一度も当たらなくて(だからチラシも無い)、福山君のファンクラブに入っている友人が「今月はまずXを見るでしょ。」というので私は?な顔をしてしまいました。彼女がいなかったら今月公開だなんて気が付かなかったかも。で、最初のレディスディに出撃しました。「おくりびと」が同じ状況で満席でしたから一時間も早くチケットを買いに並びましたが・・・敵もさるもの(って、何が敵さ?)日劇PLEX948席、劇場の広さが倍でした。ちゃんと考えているのね?
映画そのものは意外なくらい危ういバランスを渡り切りましたね。
私には大学の同窓3人の男の関係の中での事件解決という意識がありましたから、TV版の内海さんのぶっちょう面+泣きっ面のうるささが、ちゃんと草薙刑事の登場で救われた感があります。
男のドラマはちゃんと男のドラマとして楽しみたいものですよ。
ワトソンやヘイスティングスが女になって御覧なさい!ね?
で、次は献身部分です。肝心の石神さんの献身が納得できるか?
ちゃんと必然性を描ききれるか?見に行く前に友人からメールで堤さんのコメントを聞いていましたが・・・「ホントお前石神ちゃうやろ」確かに!でしたが・・・そこはやはり旬の盛りの俳優さんの力技でしたね?福山さんに演技やその賞を期待する気は誰も無いでしょうが、今年の、ここのところの堤さんは本当に魅力的です。
それに松雪さん!これは彼女とも「適任かも?」と話していたとおりでした。「白鳥麗子でございま~す」で知った人ですからね。こんなに「悲」が似合う女優さんになるとは夢にも思いませんでした。「フラガール」が転機かな?「薄幸」を絵に出来る女優さんはきっと他にもいっぱいいらっしゃることでしょうが、その上に生活臭ときりりとした美しさという相容れない要素を載せることは至難です。でも映画の中の彼女は「虚」の中にいた男を活きさせるだけの魅力を見せました。納得させました。だからいい映画になったのだと思います。娘との慎ましい正しい生活が醸す音や暖かさが周りに及ぼす影響。孤独を癒すきっかけになったという自然さ。
謎解きはこの場合影が薄くなるほどでした。愛が一人の男に人を殺させましたが、その愛がまたその男を生かしもしました。そのドラマがこの俳優さん二人の演技によって見事に最終局面に具現しました。だからぐっと心に響く映画になりました。

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