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監督  ベティナ・オルベリ
出演  シュテファニー・グラウザー、ハイジ・マリア・グレスナー、アンネマリー・デューリンガー、モニカ・グブザー、ハンスベーター・ミューラー=ドロサート

この手の映画が平日シニアのオバサンでいっぱいになっているのを見ると、本当に高齢化社会だよねぇ・・・と、実感する。
登場人物も高齢なら、見に行く人々も高齢!
先日友人に「毎日何してる?新しいこと何かしてる?」とメールで聞かれて「どうやら、映画・観劇・読書・TV、なまくら路線で落ち着いたよう・・・」と返信したら「同じで嬉しい!」と、返ってきたもの。そういう人が今にゴマンと・・・これからもっともっと?
だからそういうオバサンたちがこんな幸せな顔をして出てこれる映画って素晴らしいと思う。
最初のスイスの風景からもう既に心は奪われる。
私は旅行でただ景色のいいところというだけのところには行きたいと思わない。歴史上の何か、物語り人物、とにかく歴史を感じさせてくれる土地へ行きたいと常々思っているが、こういう映画を見ているとどんな土地にもちゃんと人の歴史があるじゃないか。
「歴史のない土地」なんて思うのは僭越なんじゃないかと思えてしまう。
こんな風景明媚な土地にとんでもなく?頑固で因習と宗教とに縛られてまだ男尊女卑的人間たちが営々と営みを続けているんだ。この今時?日本の男たちより因循でどうしようもない男たち。
そんな社会でも人々は営々と殆ど歴史書に残らないようなささやかな歴史を紡いでいるんだと謙虚な気持ちになってしまった。
小さなおばあさんたちが一つ明るい未来を手に入れたじゃないの、可能性を一つ切り開いたじゃないの、って。
そのささやかな挑戦と団結と・・・に嬉しくなった。マルタの年まで私にもまだ20年ある。親を小さな枠の中に閉じ込めておくことしか考えない聖人面をした牧師の息子の鼻を明かして・・・党の指導者としての体面だけを考える息子をギャフンと言わせて。
私もこうありたい!こうなってやる!と友人と意気軒昂と帰ってきた。
それにしても美しい絹やレースは幾つになっても女を魅了する。ランジェリーともなれば・・・ねぇ?