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オリジナル・サウンドトラック『ブーリン家の姉妹』 オリジナル・サウンドトラック『ブーリン家の姉妹』
サントラGeneon =music= 2008-10-08
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監督  ジャスティン・チャドウィック
出演  ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、デヴィッド・モリッシー、クリスティン・スコット・トーマス、マーク・ライランス、ジム・スタージェス、アナ・トレント、エディ・レッドメイン
 

「それって面白いかしら?」と、友人は疑問そうでしたが「あなたの大好きなケイトの演じたエリザベスのお母さんの話なのよ」と説明したら直ぐ行こうとなりました。
子供の頃に読んだ本「赤毛のアン」「小公女」「ロビン・フッド」とか「アイバンホー」・・・が昂じてブロンテ姉妹とかオースティンとかディッケンズなんかを読んだせいかイギリスの歴史はところどころ妙に知っていたりしますから?それにロンドンへ行けばヘンリー八世とその王妃たちの物語は観光の地の何処かで必ず出てくるものですから・・・ロンドン塔へ行ったら必ず聞きますものね。ジェーン・グレイとかヘンリーの后たちの話。
アン・ブーリンの名は知っていても妹、王子を産んだこの人には今まで何故光があたっていなかったのでしょうか?そういえばエリザベス女王が即位する前に弟と姉の女王メアリが先に亡くなったという話がありましたっけ。なのに早く亡くなったからかその王子の母の話はこれまで聞いたことがありませんでした。この二人の女優さんが魅力的な瞳でこちらを見据えているポスター!見ただけでこのドラマ見たくなるっていうものです。ブラック・レディにゴールド・レディ。対照的に見える姉妹がどのように歴史をさわがせたのでしょう?と。
イギリスがカトリックを離れて国教へと大きな舵を切る大きな転換点、その1歩を踏み出させたアン・ブーリンとその影になった妹の
愛も憎しみも怒りも許しも肉親ゆえの様々な情を綯い交ぜにしながら二人の性格の違いからの生き方をドラマチックに描き上げて圧巻でした。圧倒的な自信を持っていた姉、その彼女が屈辱に耐え跳ね返し・・・またくず折れるところ。その影でおとなしく従順だった妹が自信に目覚め、生きる道を見出すところ。終始色鮮やかな姉の輝きには黒い意志の力が伺え、妹の柔らかな金髪は穏やかな流される優しさをうかがわせ、ドラマは終局へなだれ込みます。そして一転して、強かった姉の恐怖、妹の決意を描ききります。
イギリスの田園、王室の華やかさ、衣装、目を奪われるものには事欠かない、その意味でも見ごたえがありました。一族の興亡をかけた陰謀術数、興に賭けた時姉は輝き、亡に陥った時妹が輝いた。二人の女性のそれぞれに違う輝きに魅せられました。
母にはその時々に真実が見えていると思われるのに、彼女は何もできず、男供は見たい未来しか見えなくて破滅へひた走る。
それにしてもエリック・バナの演じたヘンリーは知的でアンの手管やその他の女たちに次々簡単に溺れるような男には見えないのですもの、困ったね!跡継ぎの男子がいかに欲しかったとしても?
私たちも歴史の中で小さく小突き回されながら生きているけれど、こんな歴史の嵐の中で劇的に生きるってどんななのだろうと思います。本人は多分一生懸命生き抜こうとしているだけなのでしょうが・・・痛々しく、健気で、哀れで・・・でも歴史に名が残る!でも残ったからといってそれが何?とも。
これだけ濃密なドラマ、本だともっとかなりの手ごたえが?とワクワクします。図書館に予約入れてみますか。

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