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監督  高橋伴明
出演  中村勘太郎、内田有紀、藤原竜也、勝村政信、テイ龍進、
村上淳、高良健吾、安居剣一郎、高橋恵子、西村雅彦、笹野高史
 

「うちは曹洞宗だから・・・」ってだけで見にいらした方はやっぱり多いのでしょうね?うちはそうでした。有楽町シネカノン満席。1時間前にチケット買いに行ったので、なんとかいい席取れましたけれど・・・殆どの方がシニア。しかも夫婦揃って!
もっとも宗派がそうだからといって曹洞宗に詳しいかって言うと・・・「曹洞宗だ」ってことしか知らないんです。まして私など浄土真宗から移籍?しているのに違いって大して知らないんですねぇ。
ですから途中から妙に感動して見ている自分に驚いたくらいです。
それでぴんと背中を伸ばしながら見ているうちに(どうしたって背筋は伸びます)・・・このお言葉!中国語の時字幕を入れてくれたのだから、このお言葉の時も漢字で入れてくれないかしら?と、思いました。最後の道元さんのお言葉、少しは理解できたんじゃないでしょうか?理解できなくても心を動かされたのですから惜しい・・・と、思いました。
勘太郎さんです。子どもの時から見ているんですね、この方。それなのにいつの間にこんなに骨太な俳優さんになったのか!と、驚きましたね。ぴんと張った背中で深いお辞儀をする姿の腰の定まった美しさ、お辞儀、座禅、すべてのメリハリのある姿勢の美しさ。ひたすら歩くシーンの安定感。表情の引き締まっていること。
西村さんのお坊さんはいかにも徳の無いお坊さんの感じが出ていますが(あはは)反対に何時ものように笑顔に引かれる笹野さんの役も・・・どうせなら中国人俳優さんで良かったのに、妙過ぎる!(完全日本人と分かっている人の中国僧って?)とか、内田さんの好演にもかかわらずあのエピソードの濃さとか(俊了さんの生き方、感動しました)、いろいろあっても、見終わっていい映画になっているなぁ・・・という感じでした。
少なくとも今後も正法眼蔵など読む気の無い私にも、道元様の教えの一端はちゃんと勘太郎君を通して伝わったような気がしました。
あの若さで道元さんは師を求めて遠く命を懸けて旅をしたんですね。師というと学校の先生しか思い浮かばず、それもかなり厭な先生に当たったりしたにもかかわらず、師を求めるという心に行き着くことの無かった自分を省みました。求道者というのは志を立てたらそこへ導いてくれる師をまず捜し求めるのだ・・・という基本の事をこの年で考えても・・・と、思いながら・・・考えちゃいました。
人は師を見出だして、とことん学び尽くすべきなのだと。そしてそこから出発すべきなのだと。
寂円さんが気になっています。道元さんは何故彼に永平寺を託さなかったのか?託していたら?「街道を行く」に少し寂円さんのその後が書かれているのを読んだので。

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