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監督  イザベル・コイシェ
出演  ベン・キングスレー、ペネロペ・クルス、パトリシア・クラーケン、デニス・ホッパー、ピーター・サースガード、デボラ・ハリー

「エレジー」ねぇ?なんていうか、いい映画見たなぁ・・・とは言えない気持ちなのですけれど、「ああ、男ってこんなもんかなぁ・・・」みたいなこと考えちゃいましたね。皆が皆こうではないけれど、確かにこんなところもあるだろうなぁ・・・、で、こんな男にめぐり会ってしまうとなぁ・・・怪我は大きいだろうなぁ・・・なんて。若くて、若くなくても人生経験の余り無い女性がめぐり会いたくはない種類の男ですよ・・・なんて。監督が女性なんですね?原作は勿論男性?男性の視点だけだったら、これは男性のお伽噺だと断定してしまいますが?
私たちおばさんも集まるとよく映画俳優なんかの棚卸?をします。
「何時まで経っても枯れないのが素敵!」
「あの人幾つ?枯れないわね。なんかぎらぎらして好きになれないわ」
「彼って凄く枯れた風情なのに時に凄くセクシーに見えるのがスキ」
なんて・・・「なんて勝手なんでしょ!」でしょ?
だから女性から見ても枯れたらステキ、枯れないからステキなんて一概には言い切ることは決してできません。
きっかけを作った男は、どんなに年上でも枯れてはいなかったんですね。とんでもない!ベン・キングスレーさんにはその微妙なところがあります。
でも彼の日常を知ると私の中では彼の人間性は眉唾だぞ・・・と警鐘が鳴ります。彼の知性も衣に過ぎなく、名声も狩人としての彼の武器でしかないのかもと。ちょっとした狩のつもりが獲物がすばらしすぎたのでしょうね。全く許せませんよ、この状況。
こんな男にとってさえ若くて美しくて知的なこんな彼女は眩しすぎたのでしょうか?大人の判断をしようと?でも女性に何らかの陰りが付いていれば・・・相殺されて釣り合いが取れるとでも?男ってでもそんな可愛い生き物ではありませんよね。地位も財産も名声もあれば、手に入る物は自分の力で勝ち取ったと誇りたいものでしょう?でも、その手にしたものが余りにも眩しく感じられたということは・・・当然まだ枯れてはいないが老いは実感し始めているという「弱み」を自覚しているわけで・・・って、ごちゃごちゃ言っても、こんな男に本気でほれてしまった女性が可愛そうな気がしてしまうんですよね。病ってこの場合に限らず傷でしょうか?老いと病という傷があるから繋ぎとめられる絆って信じられますか?そこに愛はあるのでしょうか?どんな愛が?それにしても、ペネロペさんの美しさったら・・・勿体無さ過ぎる!
この物語の結末がどうであれ、結局男性と女性とは理解はしえないのだろうな・・・どうにもならない絆を結ぶことは出来てもね・・・なんて思ったのですが。酔えなかったなぁ。
 原題の方がいえていると思える。

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