クライマーズ・ハイ
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監督 原田真人
出演 堤真一、堺雅人、遠藤憲一、尾野真千子、山崎努、田口トモロヲ、堀部圭亮、マギー、でんでん、高島政宏、小沢征悦、蛍雪次朗
我が家では見終えた後、意見が分かれました。
多分にこの映画は原作を読んで見たか、読まないで見たかでかなりの評価が分かれると思います。155分の長い映画でしたが、あの本を読み終える手ごたえの事を考えればよくこれだけに圧縮したなぁ・・・というのも評価の一つにはなりえます。どうせなら映画の文句ばかり言っていないで「原作を読んで、読んでよ!」というのが私のお願いですが・・・旦那は記者物を長々読むのはいやだと言う見解らしいです。本「クライマーズ・ハイ」はとてもお薦めできる素晴らしい本なんです。映画だけで決めないで・・・と願います。大体彼は鼻っから記者と言う職種に反感を抱いている方ですからねぇ。実際この映画でも記者たちの紙面作りは権力闘争、イデオロギー闘争、私利私欲の色彩を非常に帯びているんだなぁ・・・と、思わされます。こいつ等は本当に報道者か、捏造者か、扇動者か、一体何なんだ?といった疑問符がクローズアップされたような気がします。若手の佐山さん(堺さんがいい!)たちを除けば、と言うより若い彼らのスクープ、特種争いの方が真実をいち早くと言う報道のあり方の正しいあり方といえましょうか。記者たちに誠意とか誠実とかいう言葉は無いのか?とも思えます。ベルトとサスペンダーの人。記者さんには何も知るすべのない衆愚はそうあってもらいたいものと願っています。たとえ、スクープを逃がしたとしても、それがなんなんです?私たちは本当を知りたいだけです。(本当に本当を知りたいのかというような形而上の問題は無しですよ。)
原作はそれを人間・社会の縮図として緻密に描きこんでいく力量と構成力で、登場人物の魅力で、多方向からのアプローチで、読者を飲み込んでいく迫力がありましたが、その点映画はかなり頑張っているとはいえそこまで描ききる時間もありませんでした。
取捨選択されたエピソードによる脚本は私的にはかなりの異議がありますが、それなりにまとめて納得がいくものだったと思います。
本を思い出しながら入れ替えたり説明をしたり無意識にしていましたから、なかなか予想以上の出来だったと、見ることに躊躇した後ではほっとしたのですが。それの出来なかった旦那には社主とのやりとりも等々力部長とのやりとりもなんか妙に中途半端で馴れ合いに映ったようです。親子関係も安西とその息子との情感も邪魔な挿話に過ぎなかったようです。でもあれを全くカットしては題が意味を失いますしね。と言ってもあの映画であの題の意味が見る人に本当に通じたのかなぁと言う疑問は残りますけれど。難しいところです。谷川岳の一ノ倉沢・衝立岩の緑と岩の映像は目や心には優しかったですけれど。それにしても最後のニュージーランドはなんでしょうね?
このような現実の事件を扱った小説というものは、時の流れを否応なく実感させて、年を取ったなぁ・・・という感慨を抱かせます。私たちの上を等しく流れ去った日々の速さを思いました。
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