frozenriver.jpg frozenriver1.jpg

監督  コートニー・ハント
出演  メリッサ・レオ、ミスティ・アッバム、チャーリー・マクダーモット、マーク・ブーン・Jr、マイケル・オキーフ

「この映画渋谷でしかしていないのよー、付き合ってもらえない?」
ああ、そうだ!と、思い出した。「脳内ニューヨーク」だか?見に行った時のこの映画の予告編。他の友人とだったけれど・・・「良さそうな映画だね。」と話し合ったんだった。忘れていた。
こういうマイナー(おばさんにはね)な映画館は確かに独りでは行き難いよ。良くぞ誘ってくれました!
そしてとてつもなく素晴らしい映画に遭遇してしまった。
涙腺よりもっと奥の方にずーんと突き上げてくるものを感じていた。アメリカとカナダの国境の凍った川を挟んで様々な事情で命がけで国境を越える人々。それに法を犯し手を貸すことで生き抜き子どもを守り通そうとする追いつめられた母たち。  女性が無条件にそのまま母性本能のままに生きられた時代を思い出させられるようだ。今の時代、女性はある意味自由で好きな人生を謳歌できるようになったと見えるけれども・・・ある意味では素直な本能を封印された時代のような印象も心の底に抱いている。
いや、違うか?女性そのものが選択自由に見えて一番大事な物を人質に取られているのかも・・・と、感じさせられる時代。
なりふり構わず子どもを育てる本能だけに支配されている時の母ってなんて強く、なんて賢く、ぎりぎりの時に最高の判断が出来るんだ!だれにも示唆も教えも受けずに、やってのけられ、行動でき、受け入れることも出来るんだ!
凄い!こんなにシンプルでこんなに強くてこんなに意志に溢れている。母を母というだけで尊重できる女性たち。
戦後の日本の母たちも皆こんな風に生きたんじゃないか?戦国期や混乱期、男達がいないも同然の時代にはこんな女性が母だったんじゃないか? レイがライラが本当に大きく見えて、涙で霞んだ。