日本沈没

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監督  樋口真嗣
出演  草なぎ剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央、及川光博、吉田日出子

イヤーァ、あれからもう30年以上もたったんですねぇ。
ってことは本を読んでから、35年近くの月日が流れたと言うことです。
そっちの方が驚きですよ。
だからか、「昔の映画もきっと見ているな?」と思われる方が結構来ていましたね。
日本に住んでいて、TVでしょっちゅう「地震速報」が入るのを見て生活していると、あの頃と同じようにこの文字「日本沈没」があちこちで躍っているのを見るとそれだけで不安が増します!
と言うわけで見てきちゃいました。
って、草なぎ君のファンの友人に誘われたっていうのが真相です。
もっと正確に言うとキムタク君の大ファンだそうですから、好意がお隣にも及んでいるといったところです?
私は大体の情報源は新聞(だけ?)という活字人間ですから、先日誰かの文でこの「日本沈没」に出演の若手俳優の演技力に疑問(優しく言い換えればね)を述べている文を読みましたよ。名前まで書いてありませんでしたけど・・・見た後でも、誰のことか分かりませんでしたけど?
ただ、草なぎ君の神出鬼没なのには驚きました。
あんな状況下で実家、下町のオバサンのところ、コウさんの活動場所から田辺博士の所までどんな移送手段を使ったのかなぁ?なんて考えちゃったら、感情移入が難しくなってしまいました。
その移送手段を使えばとりあえず安全なところを選んで庶民を移動させられるじゃないの!って。
今、外国に資産を移している日本のお金持ちって、きっとこういう状況も織り込み済みなのでしょうね?
想定内?ってやつですな!
こういう頭のいい人が世界中で生き残っていけば、日本人も何時かはユダヤ人みたいになり、又どこかに国を建設できるかも知れません。
未来を心配するのはよしましょう。
でも特撮の「絵」的には、楽しんじゃいました。
あんなふうにかしいで止った東京都庁どう処分するんだろうなぁ?
きれいに崩れてくれた方が再建しやすいのに・・・とか、
「あっ、あー今うちが津波に飲み込まれちゃった!」
ニュースの映像では見たことは有りますが、本物の津波なんて見たことが無いのですから、我が家みたいなところに津波が押し寄せ飲み込んでゆく映像を惚れ惚れと見ていました。
「凄いなぁ!こんなになるんだ!うちはこうやって消えて行くのかぁ!」
六本木の森ビル崩壊は「これを見て溜飲下げる人結構居るだろうなぁ?」
なんて、勝手に思っているうちに、「ああ、そうか!」と思いました。
「アルマゲドン」で、クライスラービルが真ッ逆様に落ちてきた時私はその迫力に「ウォー凄い!」と、只々感嘆したのですが、「アメリカ人の何人かはあれで溜飲下げたかも?」なんて。
「及川さんの新型潜水艇が勝てなかった水圧に草薙君の旧潜水艇が耐えたのは何故だ?」と思ってしまった私はついでに「アッ!」っと、気が付きました。
「アルマゲドン」を見せた時、旦那が「スッゲェ、でたらめ。嘘っぱちばかりじゃないかよ。ありえないだろ!」と言ったので、「あなたは映画の楽しみ方をホント知らないんだから!」と、苦言を呈した事を思い出しちゃって、一寸恥じ入り?ました。
「あそこであんなふうに駄目だった掘削機が何で急にこんなに進むんだよ!ありえないだろ!」と言ったのでした、彼は。
アハハ、アン時の旦那と一緒だ!
「何で草なぎ君の潜水艇、この水圧に耐えられるんだ?ありえなーい!」って思った私は。
そうですよ、素直に楽しむ心こそ必要なものです。特にSF・特撮物では。改めて思いました。
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トランスアメリカ

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監督 ダンカン・タッカー
出演 フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ、フィオヌラ・フラナガン、キャリー・プレストン、バート・ヤング、グレアム・グリーン

キャッチフレーズが全くそのままと言う珍しい映画だった。
「世にもフクザツな親子が愛を見つけた旅物語」
こんな設定がありえて、しかも不思議なことに、ごくノーマルな私がなにがなし感動して劇場がすっかり明るくなっても立たずに最後の一人になって席を立つとは!
この映画を見ているとあらゆる性の概念が受け入れられて、偏見がこの世からなくなったような錯覚を覚える。
だから主人公の母の反応が一番普通なのに、一番エキセントリックでおかしいとすら思えてしまうくらいだ。
主人公を演じたフェリシティの好演は確かに素晴らしく光っていた。
本当に難しい役だと思ったのに、時には男性に確かに見えてしまったり、時には本当に女性らしく見えてしまったり?
女性でしかない?私から見ても「私より圧倒的に女性女性している・・・!」と、思ってしまったところで、彼女の演技に脱帽した!
一番ピンクの女性らしい服装をしてはにかみながら表れた時に一番からだの線が男性的に見えたあの不思議!
そして性同一性障害の父?、その息子が又ゲイであることのなんと言うか因縁みたいなもの。
これは下手すると「親の因果が子に報い・・・」的な世界になりかねないのに・・・実に人間の個性は個性として描かれていると言う意味でのおおらかさ。
だって、思わず笑いが漏れる場面もそこそこあったし。
私にとっての「凄い!」はあのカウンセラー!
的確な助言とサポート。性同一性障害については日本でも最近良く知られてきているけれど、多分あのようなサポートシステムは無いのではないか?と、思う。あっても足りない?
この障害だけについてでなく、あらゆる障害、病をサポートするシステムが向上することが今の社会では急を要するのではないかと思って見ていた。
うつ病での自殺者の数の多さについてのニュースを見た後なんか。
アメリカのドラマを見ていると(あくまでドラマの世界のことですよ)、社会そのものが日本より難しくなっていると思うのに、意外にいいサポート体制がとられているのに感心することがある。
勿論その分取り残されもれている人の多さも又物凄く多いのではないかという推測も出来るのだけれど・・・。
色々なことでの「カミングアウト」が日本でも増え始めているということは、それだけ社会が人の多面性を?個性を?認める方向に進んでいるのだと思いはするけれど、こんなに多面的になった社会と言うのは本当に成熟した社会を意味するのかどうか私には未だ分からない。
ただ実際に障害を抱えた人が居る限り、支えあい認めあう社会こそが優しいと言えるのだろうと、完全に女性になった「父」を見る息子の愛情の籠もった眼差しに思わされた。
事実を受け入れる側にも勇気とおおらかな愛情が要求されるという試練は避けられないが!
しかし自分の生涯にかまけて息子の事などすっかり忘れた親が旅を重ねて息子への愛情に目覚めていくところなど、「いいなぁ!」
一寸時間が短すぎて急ぎすぎのような気もしたけれど、「これでいいのだ!」気分!
だからある意味複雑な映画なのに、後味がとてもハートフル。
フェリシティの「デスパレートな妻たちⅠ」を楽しく見ていた。
そして彼女の役が一番好きだったから、この映画が来るのを楽しみにしていた。
間もなく「デスパレートな妻たちⅡ」が始まると言うので、それも楽しみにしている。
素敵な女優さんを見つけた!
一緒に見に行った友人はため息をついて「あんな可愛い息子一家に一人欲しいわね!」と言った。
いかにも女の子のお母さんが言いそうなことじゃありませんか?
「それが最初に言う感想ですかね?家には可愛いのが2人居たけどね・・・」過去形ですが・・・???
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太陽

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監督  アレクサンドル・ソクーロフ
出演  イッセー・尾形、佐野四郎、桃井かおり、つじしんめい、ロバート・ドーソン

さーて、何から書けばいいのかな?
シネパトス単館上映なので仕方が無い・・・と、30分前に映画館へ言ったら、長蛇の列(あの映画館の収容人数にしては)、案の定立ち見ですって。座りました!
不思議な映画でした。
色調といい、全体のトーンといい、リズムといい・・・日本映画なんだと感じてしまいました。
勿論登場人物は非常に少ない映画で、しかもその殆どが日本人ですから、そうなって当たり前と言えばそうなんですが、ロシア映画なんですね、これが!
私が生まれたときにはもう昭和天皇は人間でしたから、戦前・戦中の教育を受けた人々の混乱は知らないのですが、その天皇の人間宣言を録音した技師が自裁したと言うことはこの映画で初めて知りました。
この映画のこの一瞬で天皇が人間だと言う私たちにとって余りにも当たり前のことに当時の人々が受けた衝撃というものを知りました。「The Sun.」って言葉が一度出てきました!
大体私たちは授業で戦争前後の事を習っていません。
戦国時代から明治初期までを猛烈に熱を持って何時間も掛けて教えてくれた歴史の先生に「学年が終るまでに教科書終らないぞ?」と心配していた私を思い出しました。
高校二年生だったでしょうか。
学年が終る頃その歴史の先生は「教科書の残りは自分で読んでおけばいいでしょう。入試には出ません!」と言ったことまで思い出しました。
受験校の受験予備軍だった私はそれで安心してしまってその先は読みもしなかったのだということも。
だから当然自分の子どもたちがその頃の歴史を習ったのかどうかと言うことさえ私は知りませんし、別に気にもしていませんでした。
この映画の面白いところは?と言う言い方は合っていませんね。興味深いところは・・・私は大和絵の屏風を思い出したのです。
金箔の地に雲があちこち書かれたあの屏風絵です。
あの雲の役割です。省略も飛躍も襤褸隠しにも、自在に使われるあの雲です。
この映画も、人間宣言の録画場面は流しませんでした。
ただ天皇の「ぶつぶつ」と最後のほうで侍従長に天皇は「あの青年はどうしたかね?」と言う質問で表現しています。
そしてその答え。その反応。あの反応は人間の反応でしょうか?神の反応でしょうか?私には分かりませんでした。
他にもその手法を思い出させられたところが随所にありました。
イッセー・尾形さんの天皇の造形はあの口もごもごの最初の瞬間から(私の記憶の中の昭和天皇はいつもああでしたから)昭和天皇として違和感なく収まってしまったので、画面での彼の行為すべてをそのまま天皇のした事、言った事として受け入れてしまいました。
神としてでも、人間としてでも、悲しいくらい、不思議なくらい中途半端な?極端に不足している?言動で、時々観客の間から漏れた失笑や哄笑(普通の笑いも)は尾形さんの演技の力に負うところが大であったにせよ、お気の毒な生涯だったと思わずにはいられませんでした。
私が戦前・戦中・戦後の時代の歴史教育をなにがしか受けていたら、きっとこうは行かなかったでしょう。
外国の監督が撮った映画で天皇が神から人間になった短い時間の変化を知り、受け入れてしまったと言うことを正直残念に思います。(受け入れられるくらい見事な構成の映画だったと思います。)
あの時代の先生たちはもっと真摯に時代を次に担う子どもにきちんと歴史を見つめる事を教えるべきでした。
「自分の怠惰を棚に置いて・・・!」とも思いますが、戦後置いてきぼりにしたものが今の日本を苦しめる結果になっているのではないかという気もしましたから。
それにしてもマッカーサーとの会談。本当にあんなだったのでしょうか?
マッカーサーはあの会話で何を知ることが出来たんでしょう?
原爆を落とされたことに関する会話、マッカーサーの真珠湾言及の切り返し。「私は命令していません。I don’t know.」って言いましたね?
私も第二次世界大戦とその敗戦に関しては「I don’t know.」です。情けないことです!

パイレーツ・オブ・カリビアン・デッドマンズ・チェスト

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監督 ゴア・ヴァービンスキー
出演 ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレー、ステラン・スカルスガルド、ナオミ・ハリス

「呪われた海賊たち」を見た時は正直ジョニー・ディップが「あんなんやるんだ!」式びっくりで、それまでの作品のジョニーファンとしてはチョビット居心地が悪かったんですけれどね。
それもほんのしょっぱなだけで、後はもう楽しむだけ楽しんだ!って感じでした!
「面白かった!」
ただただそれだけでした。
元々海賊物は好きです。
子供の頃読んだ「黒い海賊」大好きでしたもの。ワクワク・ドキドキの宝庫で、黒い海賊の生涯に涙を振り絞ったものでした。
総督なんて名の付く者はあの時も「怪傑ゾロ」でも悪智恵の回る強欲な卑怯者に決まっていましたよね?
日本のやくざみたいに?海賊も二つ名があるんですよ。
バスク者とかオローシャ者なんてカッコがいいなぁと思いました。が、私小学生でしたね確か。
だからバスク地方が何処だかまだ知りもしない頃でした。
イタリアの山岳地帯が山賊の故郷だとすれば海賊の産地?はバスク地方ですよ・・・ということは確か「モンテ・クリスト伯」で知ったのだと思いますが・・・?
ジブラルタルからカリブ海、南米のスペイン領辺り、マラカイボまで「黒い海賊」は黒い海賊旗を掲げて海賊船で走りまわったのでした。
彼はスペイン人?だったと思いますが、ジャック・スパロウ船長はどこの出身ですかね?
この南海カリブに出没する海賊はバイキングとは違ったもう少し突き抜けた明るい野蛮さがあるような気がして、結構気に行って何度も読んだものでしたが、あの本もう探しても無いのですよ。
とにかくジョニーのジャック・スパロウ船長は秀逸でした。
ますますジョニーのファン度がうなぎ登りに上がったような気がしました。
ユニークで可愛くて危なくて怪しくて目の話せない海賊だったじゃありませんか。
一挙手一投足おかしくておかしくて、なんて達者なんでしょうね?
一寸やってみましたけれど?あんな格好で歩いたり走ったり簡単に出来るもんじゃありませんでしたよ。(君はアホか?)
絶対本人も楽しんでいなくてはあそこまで出来ないですよね?
だから二作目楽しみにしていました。それッ!と出掛けたんです。
それで前作よりもっと夢中で笑って笑って面白くて楽しくて娯楽大作ってこれ以上の物はないでしょう!って気分で帰ってきました。
どうやって撮ったんでしょうね?っていうところばかりなのに・・・まぁそんなことどうでもいいや、楽しかったんだもの!です。
思い出しても楽しい。寝る前も映像をズーッと思い出していたらなんか笑って寝ていたような・・・笑顔が顔に張り付いたまま目が覚めたような?
でも、あんなところで終らないでよー!と叫びだしたいと思いませんでした?
最後に出てきたのジェフリー・ラッシュでしたよね?バルボッサ船長?で、ジャック・スパロウ船長はクラーケンの口の中?
まさか次回のパイレーツ・オブ・カリビアンは最後に助けられるまでジョニーは出てこないなんていうことは無いでしょうね?
そういえばジャック・スパロウ船長、一寸いい事を考えている時とか思いついた時とか・・・いい人になっている時って、目の下の隈薄くなっていませんんでした?そんな気がしたんだけど。
あー、早く見たい!!!
頑張っているのにオーリー君、割り食っちゃっていますよね。一寸可哀相な気が・・・

秘密のかけら

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監督  アトム・エゴヤン
出演  ケビン・ベーコンコリン・ファース、アリソン・ローマン、ソニヤ・ベネット、レイチェル・ブランチャード、デヴィッド・ヘイマン、キルスティン・アダムス

遅くなりましたが、やっとこの映画を見てきました。しかも恐るべき劇場で・・・ま、それはどうでもいいことですが、この二人の組み合わせの映画を今まで見落としていたことが許せませんよっ!
エゴヤンという監督の作品は初めてでしたが、このコリンとケビンのコンビが出来たこと、そのことが私にとって収穫でした。
二人ともなんとしなやかだったことでしょう!
でも今日劇場に女性は私一人でした。いやだったなぁ!
二人の、コリンとケビンの個性が際立っていました。
だからサスペンスもよりサスペンスフル(こんな言葉あるかしら?)に感じました。
ただ、秘密を拾い上げようとするジャーナリスト役のアリソンが私には填まらないように思えました。彼女のまあるい驚いているような目(一寸狸目?)が、サスペンスを引き算していくような気がしたんです。
誰なら・・・と考えているのですが・・・もう少し翳りを見せる目、表情の多い目、知的でもある目、そんな目で迫って欲しかったです。
ケビンの歌声にかぶさるコリンの声、全く正反対の声が奏でるコントラストの妙がコンビの在り様を象徴的に表現していることといったら!
コリンのあの一寸高めでクリアで明瞭な声が私の耳をするすると滑っていくんです。本当に特徴的な声の人だと、改めて聞き知りました。
二人が代わる代わる話していくとその声だけで物語のトーンが切り替わるようで、心臓の鼓動を司どられてしまったような気がしました。
あの声の遣り取り・交代が意味は分からないながら画面を二つのサイドに引きちぎって謎をより謎に、嘘を真実っぽく、真実を嘘っぽく重層にしていく効果があったような気がします。
二人の声で二人の気分を、言い分を?も、私の耳が飲み込んでいるうちに段々この二人が俳優本人のように思えてきてしまって、不思議なことに私はモーリーンを殺したのがこの二人ではありませんように!と殆ど祈りながら見てしまいました。
コリンじゃありませんように!
ケビンじゃありませんように!
二人は二人ともお互いが殺したと「知っていて!」その秘密をお互いに死ぬまで秘密のままに持っていこうとしていたんだ!
ということに気が付いた時、彼ら、「ラニーとヴィンスのコンビ」というコンビのありようがパァッと頭に閃いて、同時に時代の空気も閃きました。
秘密の後ろにあったものは、彼らコンビの間にかって存在した夫婦愛に近い友情の名残りだったのかなという印象も閃いて、そして(どっと!)ほっとしました。
どんなものにしろコンビって難しくてミステリアスなものなんですね。すべての連れ合いさん、心しましょう。
1950年代と今との彼我の隔たりを強く意識しました。
現代だったら起きなくて済んだかもしれない事件でしたよね?
一番変化の大きかった1世紀って何時でしょうね?
今を生きている私には歴史がはっきりしてきてからの人類にとって「20世紀こそが一番!」と思えるのですが、21世紀に生きる人たちは「21世紀だった!」と思うのかもしれません。

ミッション・インポッシブルⅢ (M:i:Ⅲ)

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監督  J・J・エイブラムズ
出演  トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジョナサン・リス=マイヤーズ、マギー・Q、ミシェル・モナハン、ヴィング・レイムズ

あまりこういう映画については書くことは無いのですが・・・だって、そうでしょう?
「凄くスリルがあって!スピードがあって!とっても楽しめたなぁ!面白かった!!」
って書くともう十分言いたいことは伝わったかな?って感じですから。
全くその通り!でした。
今回もトム・クルーズファンの友人に誘われました。
私はトムのファンではありませんから本当はどっちでもいいのですけれど(鼻が一寸立派過ぎません?私の劣等感?)、彼女のおかげでこのシリーズちゃんと皆見ています。
それで本気で楽しんでいます。
好きです!
昔のTVのシリーズが好きで見ていましたから、最初「見ていいんだかなぁ?どうだかなぁ?」と迷ったのですけれど・・・「Ⅰ」が意外な展開だったので、「これはこれで楽しめるぞ!」とまぁ、いつもの伝で(私は大抵楽しめちゃいます!)来るのを楽しみにしているシリーズの一つになってしまったというわけです。
あの音楽を聞くと若かりし頃の自分にパタッとスイッチオンしちゃうようです。
なぜか私の友達にはトムファンが多いです。同じトムなら私はハンクスの方が好きですけれどね。
それはそれ、これはこれというわけで、夏休みの男の子が多い映画館で楽しんできました。
おばさんにはトム・クルーズファンが多いので?おばさんもいつもどおり多かったのですけれど・・・でもこの映画の事をことさら書くつもりは無かったのです。
先回ジョナサン・リス=マイヤーズの事を書いたので、ヤッパリ補足しておくべきかなぁ・・・と。
この映画でジョナサンはそう見せ場は無かったのです、はっきり言って、残念なことに。
でも私が見た前2作より身体もがっしりしたようで「着実に大人になって、成長しているよー!」って、書きたかったのです。
彼を知らないという友人に「ジョナサンに注目してよ。みっともないと思ったかどうか聞かせてね?」って言っておいたので、映画が終った後の彼女の最初の科白は「分かったよー、でもちっともみっともなく無かったよー。悪くないよー。」でした。
そう私も「顔が纏まってきた?なぁ!」という感じを受けました。
この映画で初めて彼を見たなら、きっとみっともない子だなぁ・・・なんて思わなかったでしょうね。
彼を見つけ出した人に拍手を送りたいものです。同じ意味でケビン・ベーコンを見出した人にも!
大人に成りかけの男の子ってこういう「危うい時」があるのでしょうか?
トムさんのアクション、凄く新鮮って言うわけでもないのですが、川筋を全力疾走するところなんか凄く感心したくせに(全力疾走なんかこの30年?もっとかなぁ?したこと無いもん)、友人も私も思わず笑ったりして・・・本当にサービス豊かな映画で楽しかったなぁ!ハラハラもドキドキもしたし、乗り出したし!彼は絶対退屈させませんよ。あ、最近では「宇宙戦争」を除いて。
そういえば、太った悪漢って、普通の悪人よりひときわ不気味に恐いのは何故でしょうね?そう思っているのは私だけ?
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気になる二人?

俳優についてのコラム, 映画タイトルINDEX : カ行 33 Comments »

ケビン・ベーコン
ジョナサン・リス=マイヤーズ

「えぇーこの二人同じ枠でいいのぉ?」
って声が聞こえそうですが、私自身何でこの二人を急に書きたくなったのかよく分からないんですけれど・・・(アハハ?)先日新聞に広告が出て、ジョナサン・リス=マイヤーズの映画がこの秋公開されると読んだ途端ふとケビンを思い出したんです。
ジョナサン・リス=マイヤーズの映画ってまだ、3本しか見ていないんです。
「ベルベッド・ゴールドマイン」「ベッカムに恋して」「M:I:Ⅲ」
「ベルベッド」の彼は一寸忘れられないのです。不気味でもあり、魅惑的でもあり、異様な磁力を発していましたが、その一方でみっともない子だとも思いましたね。
そして「ベッカム」ではなかなか気持ちの良い青年を等身大で演じていたという感じでしたが、それでも正直なんてみっともない青年だろうと確認しちゃいました。
それは丁度ケビン・ベーコンが「フット・ルース」でブレイクした時にも、何でこんなみっともない子が主役のこんな魅力的な少年を演じさせてもらえたんだろう・・・?と、思った事を思い出させたからかもしれません。
随分年は違いますが、印象に残りかたが同じだったのです。
どちらも初めて出会った作品が方向はまるで違ってもどちらも音楽ものでしたしね。
そしてケビンが凄い性格俳優になっていったような感じにジョナサンも進化しているという気がするのです。
「フット・ルース」の後ケビンにめぐり合ったのは十年近くもたった「ア・フュウ・グッドメン」と「激流」でしたから、ホント驚きました。
少年の面影は拭い去ったように消えて精悍な役、悪役を見事に演じる俳優さんになっていましたから。それからはコンスタントに彼を銀幕で楽しんでいます。
「スリーパーズ」なんかこんな悪役をよくまぁ・・・こんなに悪く・・・?と思ったりもしますが(余りに上手すぎですよ)、「アポロ13」の彼は好きでしたね。
でも、どの作品でも彼は微妙な複雑さを織り込む一筋縄ではいかない演技をするなぁ・・・という感じがして、微妙に?私には目が離せない俳優さんなんです。
大好き!って言うわけでは無いのですけれど(だって私は面食いなんですよ?)、彼が出ているとその作品にはちゃんと厚みがでるだろうな、という信頼がおけるとでも言いますか。
そしてジョナサンもです。居るだけでそこが確かになるという気分を与える俳優さんになりそうだなぁと。
だから普段「彼の作品来ないかなぁ・・・」と、意識して待っているわけでもないのに、新作の予告にケビンやジョナサンの名前を見つけると「お、ちゃんと活躍しているな?」と応援団みたいにほっとしてしまうんですね。
ケビンは今度はどんな役柄をどんな風に見せてくれるんでしょう?
「秘密のかけら」コリン・ファースと共演しているんですよ。
早く行かなくちゃと、心はせいているのに・・・忙しい!でも行くぞ!
ジョナサンは「マッチポイント」ではスカーレット・ヨハンソンと共演の主役らしいですから、秋を楽しみにしていましょうかね。
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「映画」ハイジ

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監督 ポール・マーカス
出演 エマ・ボルジャー、マックス・フォン・シドー、ジェラルデン・チャプリン、ダイアナ・リグ、ポーリン・マクリン

ヨハンナ・スピリ原作の「アルプスの少女」を少年少女世界文学全集で読んでから50年近くの月日が流れ去った。
年齢的なタイミングの悪さ?か、TVアニメで「ハイジ」をしているのは知っていたがそれは見損なった。
とはいっても一人歩き?しているような「ハイジ」のアニメキャラクターは勿論よく知っている。だがあのほっぺの赤いハイジは私にとっての「アルプスの少女」とは全くの別者に過ぎなかった。
TVのそれは随分長く放映されていたのではないだろうか?それともしょっちゅう再放送されていたのだろうか?
私の頭の中にある物語はそんなに長いものではなかったのだが、それでも、アルプスの四季が移り変わり、おじいさんとの間に愛情の絆がしっかりと結ばれてゆく過程のなんともいえない美しさは子供心にも感動を持って読んだ記憶があった。
だから懐かしさ半分、アルプスの景色とフランクフルトの当時の風景見たさが半分で「ハイジ」を見に行った。
ハイジもクララも私のイメージとはちょっと違ったが、アルムおじいさんだけは不思議なことにぴったりな感じがした。
マックス・フォン・シドーという俳優さんは不思議な俳優さんで、忘れた頃にぽかっと何かしらで見るようだ。
三国連太郎さんをちょっと思い出す風貌がなんとも個性的で、忘れられない作品にスティーヴン・キングの「ニードフル・シングス」の悪魔のような役がある。
その印象が強かったので、恐いだけのおじいさんになるかと心配したのだが、孤独なおじいさんの頑固さと寂しさが、後半の帰ってきたハイジを迎え入れてからの嬉しさとともによく表現されていて、経歴の長さと力まないその巧みさ上手さの力でこの映画を支配していたようだった。
この映画のハイジは可愛らしさや人懐っこさよりは利口さが一寸勝っているかな?という気はしないでもなかったけれど、素朴でセバスチャンとのやり取りに昔本で読んだ時の懐かしさを思い出させてもらった。
子どもの頃にもとても素敵で羨ましく思えたおばあさまが(私は祖母を知らないので)この映画でも本当に素晴らしかったので、あの頃同じく優しくていいなぁと思っていたお医者様の出番が一寸少なかったのが淋しいような・・・
けれども、この映画は上手にあの原作が持っていたような品のある優しさ素朴さをきれいに纏め上げていて「見に行ってよかったなぁ・・・!」と嬉しく帰って来た。
お互いへの愛情がお互いを成長させてゆく素晴らしさが映画から素直に汲み取れた。
ハイジは大好きな人たちのために一生懸命によかれと思う事を行動に移し、おじいさんはそのハイジのために心を開いて、村人ともお医者様とも心を通じ合わせてゆく・・・
懐かしさにどっぷり浸った嬉しいひと時だった。
欲を言えばもっとアルプスの四季の景色を見たかったことと、フランクフルトを見たかったことくらい。
ロッテンマイヤーがジェラルデン・チャプリンだったのも「お久しぶり!」という感じで・・・しかもぴったりなのでなんか楽しくて満足だった。
お医者様を演じた俳優さんもセバスチャンを演じた人も時々お目にかかる人でしたが・・・脇を固めた俳優さんたちが素敵で意外な贅沢をさせてもらった感じ!
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雨に唄えば

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監督 スタンリー・ドーネン・ジーン・ケリー
出演 ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナー、
シド・チャリシー、ジーン・ヘイゲン、リタ・モレノ

このミュージカル、知らない人はいないでしょう?
あー、少なくとも私の世代以上では・・・と、付け加えなければならないかしら?
1952年のミュージカル映画ですから。
このミュージカルのナンバー「雨に唄えば」は不滅の名曲です・・・ええ、私は「絶対に!」と、頷きます。大好きな曲です。それと、「グッド・モーニング」っていう歌もです。本当に楽しいんです!
でも、正直もう何度も見て、すっかりおなじみですから・・・ここ数年、いや十数年見たことはありませんでした。
だからBSでまた放送した時にも見る気は全然無かったのです。
でも、好きだし、DVD持っているわけでもありませんし、ただ無視するのもなんだわ・・・って言う感じでしょうか?何時か暇な時に見たくなるかもしれないし・・・と、「とりあえず録画」したのです。
好きな曲はいっぱいあるし・・・デビーは可愛いし、ドナルドって達者だし・・・でもジーン・ケリーの顔って何故だか好きになれなくて、という私にとって微妙な位置にこのミュージカルはあったのです。
それに、「バンド・ワゴン」ではあんなに美しい(と、私は思っているのですけれど。「バンド・ワゴン」の方が1年後の映画なのです。)シド・チャリシーが素敵な肢体とダンスを見せてくれてはいるのですけれど、この映画ではちょっと恐い顔なんですね。それも引っかかるしというところなのです。
おまけに私はジーン・ケリーよりフレッド・アステァのファンですしね。
ところが明日の土曜日はまた雨の予報だし(出かけないよね、寝坊しようっと)、飲んでいるらしい旦那は12時を回ってもシンデレラのように急いで帰ってくる気配はないし・・・楽しいものをなんか見ようかな!
それで「雨に唄えば」の出番だったというわけです。
見始めちゃったら、よぉ~く知っているはずなのに、またしっかり嬉しくなっちゃって、鼻歌交じりの歌の追っかけをしながら顔はいつの間にか笑っちゃってて・・・ジーンと同じまのびした「幸せでぇすぅぅ」顔をしちゃってる私がいたというわけです。
ドナルドの「ラフ(笑う)」のソロの所なんて「大好き!」と、確認をし、「グッド・モーニング」では私も脂肪を揺らすというわけで、「雨に唄えば」のダンスシーンでは「あーこの顔が苦手なんだよぉ!」とまた確認しながら、素敵!ワンダフル!スプレンデッド!エクセレント!(私のスキーの先生の口癖ですが)をめまぐるしく頭の中で回転させていました。
結局、途中で止めて「続きは明日」には到底出来なかったのです。
こんなに昔のミュージカルが未だにこんなに素敵に思えるって、こんなに楽しめるなんて、私はちっとも成長していないのかも知れませんね?
でも映画がこんなにも素直にエンターテインメントだったなんて、最近の映画は忘れていることが多いんじゃないかな?とふと思いました。
映画はヤッパリ楽しめてナンボ!楽しい夜中の2時でした。
改めてこの頃のミュージカルコメディーは何も考えずに気持ちよく楽しめるという点で最高だという事を再発見した夜でした。
付け加えるなら、これもなぜか自分でも分からないのですけれど、フレッド・アステアのダンスの方が好きなのですが、ジーン・ケリーは色々多彩な楽しいダンスを見せてくれて、とても楽しませてくれることは確かです。フレッド・アステアだってかなり間延びをした顔を見せているのに、好きなタイプって、本当におかしいくらい?時には厄介ですよね。
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ブレイブ・ストーリー

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監督   千明孝一
出演(声)松たかこ、大泉洋、ウェンツ・瑛士、常盤貴子、伊東四
郎、樹木きりん、今井美樹

宮部みゆきさんの原作だから誘われたら直ぐ「うん」と言った。
最初に言ってしまうけど、原作は読んでいないから「本」の方はなんとも言えない。
しかし「映画」は・・・がっかりしちゃった。
見所も、意図もはっきりあるし、分かるんだけど・・・
大体このコラムはお薦めしたいものについて書こうというコンセプト?があったんだけど。
このコラム書き始めたら見たり読んだりしたものについて直ぐ書きたくなってきちゃって・・・ちょっと意図を外れかけているな。
今見終わったり、読み終わったものって私にとって「時事ネタ!」、だからこれもありかな?

この映画お薦めはしません。大人には。
でも、小学生の子どもが居たら連れて行きます。
少なくともこの映画には素直に「現実は避けて通れないし、人はそれと向き合って生きるしかないし、正面切って勇気を出せば道は開けるし、友も出来る!」と言っているのが分かりますし、それこそが大抵の親が子に伝えたくても現実の生活にどっぷり浸かっていると嘘っぽくて?奇麗事過ぎて?気恥ずかしくて?まぁ色々な理由で正面切って言えなかったりする事を、大上段に言ってくれているからです。
「全く!」と私は頷けるのですが、この映画が大人の心に本当に何かを訴えてくれるかというと力足らずの気がします。
非常に物足りないです!絵的にも、物語的(脚本にも)にも。
二人の子ども(ワタルとミツル)は描けていますが、他の登場人物の体現するもの・意味が分かりません。
本当を言うと新聞の見開きで大沢事務所(名前が変わったんだったっけ?)の大広告・大沢在昌、宮部みゆき、京極夏彦氏たちの座談「大人も楽しめて・・・松さんの素晴らしい声優振りも・・・」というのを読んでいたので期待しすぎたのです。
宮部さん本当に「満足」したのかなぁ?
声優さんはホント満足ですよ。松さんは上手です。樹木さんは好きだし、ウェンツ君は期待以上。
でもねぇ、それが意図でそれが狙いと言われると一言も無いけれど、もう少しいい絵で見たかったなぁ・・・というのが本音です、私の。
多分アニメのある意味マニアファンにはこの良さが「分かる・受ける」のかもしれませんが、ちょっと薄めで大雑把?絵での説得力が弱いような気がしました。宮崎アニメの緻密な美しさに慣れてしまったのでかなぁ?
またしても言うけれど、「本」と「映像」は全くの別物。
「ヴィジョン」の世界が消化不良だったから、これだけで「ブレイブ・ストーリー」というものを私の中で終らせるわけにはいかないよ!という感じで図書館に本を予約。約50人待ちだから、来年には読めるかな?
そしたらまた報告します・・・って、その頃には時事じゃないって?
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