ルートヴィヒ(完全復元版)

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監督  ルキノ・ヴィスコンティ
出演  ヘルムート・バーガー、ロミー・シュナイダー、シルヴァーナ・マンガーノ、トレヴァー・ハワード、アッドリアーナ・アステイ、ソニア・ペトローヴァ、ジョン・モルダー・ブラウン

4時間のこの映画、まさか?こんなに混むとは思いませんでした。
10時40分から3時まで、お昼を挟んで・・・ですから、だから満席になったのを見て驚いた次第です。
ヴィスコンティ生誕100年祭、テアトルタイムズスクェアでしています。
山猫」「ルートヴィヒ」「イノセント」3作です。
あいまいな記憶ながら、ヴィスコンティという監督さんはファンが非常に多くて何度も上映されているような気がしていたから「まさか!」でした。
この映画を見に行ったのはこの春「ロマンチック街道」の旅をして、ルートヴィヒの城を三城見てきたからです。
「レジデンツ」「ホーエンシュバンガウ」「ノイシュバンシュタイン」
旅の準備の時も、その途中も、「ルートヴィヒ」の名は何度も目にし耳にし、というわけですから、その生涯に興味を持たないはずはありません。
「あぁ、そうか!私みたいな人が多いんだ!」と、席を埋める年配の(圧倒的に多かった)男女を見て気が付きました。
それにしても全編を覆うあの暗さはどうでしょう!
美貌を歌われたドイツ屈指の名門ヴィッテルスバッハ家の華、女性ではかのフランツ・ヨーゼフ皇帝の妃となったエリーザベト、男性ではこのルートヴィヒ2世、バイエルン国王がいますが、この二人が二人とも悲劇の人生を送ったことで知られています。
この映画ではこの二人の間には姉が弟を思うように?弟が美貌の姉を永遠の思い人に?・・・というような心模様、愛が描かれていました。
それで思い出しました、確かに二人の人生は逃避の人生だったと言われる点でも似ていたのだと。
よく似た気質をも持つ二人だったのでしょうか?
エリーザベトはウィーンとその宮廷からひたすら遠ざかる人生を送り、ルートヴィヒはミュンヘンとその政治を押しやって。
この映画でルートヴィヒを演じたヘルムート・バーガーは最初の登場で、肖像画で見たルートヴィヒにそっくりなのに驚かされました。
40歳で亡くなるまでの焦燥の人生をものの見事に体現して見せてくれました。
まさに彼の作品、監督の作品であると同時にヘルムート・バーガーと言う俳優さんの作品だと思いました。若いときの緊張した糸のような危うい美貌からベルク城幽閉間際の追い詰められたような表情まで、凄かったです。
実際の王の生涯がどうであったにせよ、ここにあったのは紛れも無く様々なものに押しつぶされていく失意の人生でした。
したいことのかなりの部分、ワーグナーのオペラ初演オペラ座建設や王宮建設などを苦労しつつも成功させたとはいえ、度々の戦争や政治的立場が彼を孤独の人にしていった様子がじっくり描きこまれていて歴史物伝記映画として最高の作品になっていたのではないでしょうか。
見ごたえがありました!飽きることの無い4時間でした。
宮廷内、衣装や装飾豪華な4時間でもありました。
でも、期待していた景色、ドイツの城などに関して言えば、全く残念なことに期待はずれでした。
イタリア人から見たドイツってあの印象なのでしょうか?
黒い森、うら寂しい雑木林、寒々とした湖畔、雪を抱く山々。
あの美しい城々の色美しく撮られた映像は有りませんでした。
雨に煙るノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホフ城の正面など、印象に残る景色もあることは有ったのですが。ヘレンキームゼー城の鏡の間、あの美しさの中をエリーザベトが歩む姿は凄かったです。あの絢爛豪華な部屋を豪奢に楽しむ事も無かったルートヴィヒの孤独の向こうに、彼女の孤独までもが見えてくるようでした。
「高貴な長い血筋の饐えた末裔」と、映画の中で誰か言っていましたね、ここにも滅びの美学が有って、「山猫」と同じモチーフが見えました。
そういえば話は変わりますが、エリーザベトを演じたロミー・シュナイダーさん、雰囲気が大地真央さんを思い出させました。見てはいませんが舞台でエリーザベトしているのではありませんでしたっけ?最近外人の俳優さんを見ていると日本人の誰かに似ていると思うことがよく有ります。昔はそんなこと有りませんでしたよね。
外人は外人の誰かに似ていると思うことはあっても日本人を髣髴させるなんて事は無かったのに。
イ・ビョンボン?さんを見たとき「遠藤憲一さんに似ているね。」と言ったら、「それ誰?」と言われて腐りましたけど(これは東洋人同士似ていて不思議は無い!)、この間久しぶりとなるファースト・レディ安倍夫人を「TVで見ていて誰かに似ているとズーッと思っていたんだけどやっと思い出したのよ。」「誰?」
「「真珠の耳飾りの少女」に出てきたフェルメール夫人!」と言ったら、「あーそういえば!ホントだ!あの人うまい女優さんだったよねぇ。」と友人が賛成してくれた時は「やっぱり!」
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ラブ・アクチュアリー

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監督  リチャード・カーティス
出演  コリン・ファース、ヒュー・グラント、エマ・トンプソン、リーアム・ニーソン、アラン・リックマン、ローラ・リニー、キーラ・ナイトレー、ローワン・アトキンソン、ビリー・ボブ・ソーントン、ビル・ナイ、クリス・マーシャル、ルシア・モニス

この出演者の名前リストを見てください。
見に行かなかったことを残念に思っていたわけが分かるでしょう。
急いでください?明日(10月13日)まで豊洲ユナイテッド・シネマで500円でしています・・・というわけです。
何が最高ってビル・ナイの演じるロッカー!
存在感バッチリでした。このメンバーの中でですよ。それはそれは凄い事だって思いませんか?
コリン・ファースやヒュー・グラントを向こうに回して・・・ですもん!
私的には?コリン・ファースさんを見る気で行ったのですけれど、網裏に焼き付けて帰ってきたのは1にビル・ナイさん!
苦労を共にしたマネージャーとクリスマスを過ごしに帰ってきて照れくさそうに抱き合うところ・・・1番のシーンだと思ったなぁ!
録音場面やインタビュー場面全部出番全てひっくるめて特上!歌もいー!
そして、次がなぜか?アラン・リックマンの何考えているんだか分からないあのぼーっとした顔。
その顔が表情を帯びて、妻に謝るところ・・・2番のシーンです!
つまり多分、余りにエピソードが多過ぎ、人が多過ぎた結果、いいエピソードの印象が薄まってしまったんだろうなぁ・・・と、思ったのですが・・・ヒューは慣れ過ぎたキャラで、当然手堅いし・・・ウマイ!
コリンさんも右にナラエ!しちゃった感じ。ブリジット・ジョーンズのダーシーキャラでこれも感動的だけれど手堅い・・・ウマイ!
だからその辺り安心して見ちゃったんだわ?
だから感動も手堅く・・・通り過ぎちゃったのかな?
そうそう、あのポルトガル女性、コリンがイカレタ女性・ルシア・モニスさんという女優さん、私始めて見た人ですが・・・いい顔ですね。
好きな顔だわ。美人じゃないけれど、なんか訴えてくる感じがいいな。
それにリーアム・ニーソンと義理の息子のエピソードもちょっと壷にはめすぎ?子供が魅力的だったのでなお更、オバサンはこの手に弱いのに・・・そんなのずるいわよ・・・という感じでしょうか?
そんな間隙を突いてミスター・ビーンが絶妙に儲けましたねぇ。
顔だけで十分なのに、あのシチュエーション!二弾!
ミスター・ビーンのドラマは大笑いして見ていたのですが、疲れることも疲れる!
ですが、この作品は量的にもグッドって感じで、いい感じで笑ってこの映画を収めてきました。
色々な「ラブ」がてんこ盛りで、クリスマスってこんな感じよ・・・ディケンズのクリスマス・キャロル的英国はね・・・と言われて、ハイ、そうですね!と、頷いたってところでした・・・ただ、ローラ・リニーさんに素敵な恋を成就させてあげて・・・。
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