シャーロック・ホームズ

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監督  ガイ・リッチー
出演  ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マックアダムス、ケリー・ライリー、マーク・ストロング、エディ・マーサン、ジェームズ・フォックス、ブロナー・ギャラガー

年を取って自分の輪郭があいまいになってきたのか・・・縁がボケてきたのか、ただ単にいい加減になってきたのか・・・なんかなぁ・・・とイマイチ自分の判断に自信がもてないまま・・・見ちゃいました。
ホームズは正典のみ!パスティーシュは読まない!・・・これが崩れたのはほんの最近のことですよ。風太郎さんに「黄色い下宿人」という作品があるのを知っちゃいましたからね。もっともそれはその前に島田荘司さんの「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」を読んじゃったからでもあります。でも、ここまでだぞ!と言い聞かせております・・・。
そして映像ということであれば、これはもうジェレミー・ブレットのホームズ、エドワード・ハードウィックのワトソンで決まり。それ以前も無く、それ以後も無い!・・・ジェレミーさまに殉ずるわ・・・これが私のスタンスだったのに。あーぁ見ちゃったのかぁ・・・で、で?
最初にこの二人の組み合わせに驚いちゃったってことがすべてです。キライじゃない・・・二人なんですから。ロバートなんて・・・随分昔の若かりし頃見覚えました・・・その後どうしてるのかなぁ・・・「アリー・マイ・ラブ」で、まぁ、ロバート!そして最近の映画攻勢です?それなのに見たい作品じゃないのが辛かった。
そこにジュード・ロウのワトソン付きだって?あまりといえばあまりな人選?でも彼がどうやらちゃんとしている?ようなんです・・・で、見ちゃった!
とぼけた顔で・・・火がつけば(ここが問題)怖ろしく行動的なロバート・ホームズ。それらしく?(3・4度結婚したに違いない)女性にもてるだろうなぁ・・・医者で常識的でハンサムなんだよ・・・、メアリ・モースタン嬢もホームズも上手に扱えるジュード・ワトソン。
で、最近のいつもの言い訳・・・これはこれでありじゃない!アリ!でした。
物凄く忙しい映画でしたよ。ヴィクトリア女王時代の活気に溢れる倫敦!産業革命・・・石炭・煤煙、どんどん霧がましていく倫敦!その風景の特撮にしびれました。タワー・ブリッジもそこから見える倫敦、今はすっかりおしゃれになったドックの風景、あっちに見えるサン・ピエトロ寺院の屋根・・・ワクワクしましたよー、私の現実に見たロンドンとすり合わせて!
そして切り裂きジャックの生まれた猥雑でいかがわしいロンドン!
モースタン譲がこんなに妖艶で!アイリーン・アドラーがこんなに下世話で弱い(人に操られる玉か?)なんて、そんなのありか?って気はしなくも無いけれど、このスピードとあわただしさに惑わされちゃったのか?これがワクワクもので・・・楽しんじゃった!
物憂げな神経質なシャーロックはどこだ?私の知ってるホームズはどこだ?と思いながらも・・・拗ねるロバート・ホームズにの可愛さに・・・これなら確かにワトソンの結婚生活は続かないわ!と、納得も。
やっぱり彼らは彼らのためだけの彼らなんだと・・・そこは気に入った!

新しい人生のはじめかた

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監督  ジョエル・ホプキンス
出演  ダスティン・ホフマン、エマ・トンプソン、アイリーン・アトキンス、キャシー・ベイカー、リチャード・シフ、ジェームズ・ブローリン、リアーヌ・バラバン

こんな風にめぐり合えるってことあるのかなぁ・・・
あるんだなぁ・・・
って、妙に素直に見れました。
二人が初々しくて、ほほえましくて、そうだよねぇ・・・、人生ってこんな風に辛い時ってあるよねぇ・・・、子供も自分の人生があるよねぇ・・・親にも自分で出来るだけ頑張って欲しいよねぇ・・・一人上手が出来たらいいけど・・・そうだよねぇ・・・淋しい時ってどうしたってあるよねぇ・・・そういう時はヘルプっていえる人が欲しいよねぇ・・・自分だけがのけ者って気分わかるよー・・・四面楚歌だったり・・・居場所が無い感じつらいよねぇ・・・いいめぐりあいもいい居場所も欲しいよねぇ・・・長い付き合いの人でも心が通じないことってうんうんあるある・・・そして知ったばかりの人と心が通じた気がする事だって・・・なんてね。
妙に頷きながら・・・それでもなんかカタルシス?
ダスティンがいつものように?したり顔ではなくて、自信無げで危うげで情け無げで可愛くて頼りなくて・・・、エマさんが大きな体所在無げで縮こまってこれも優しげで頼り無げで淋しげで・・・もう感情移入素直にしちゃう・・・って、感じでしたね。
それぞれの人生の立場がちょこちょこっと挿入説明される場面がリアルに思えたんだね、多分。だから彼が付き纏い?をしてももうこれしかないんだって許せたのかも・・・そしてここが夢なんだね、ハーヴェイがロンドンに越してこれるの?ウソッ!ステキ!
そう今まで一人で頑張ってきたんだから二人とも。人生の終りに幸せへのチャンスがあっていいじゃないか。全ての人にチャンスはあるべきだろう?ウン!いい映画見ちゃったじゃん!!!
そうだよ、チャンスがあったら迷わず掴まなくっちゃ・・・人生が本当に終るその日まで。

カラヴァッジョ 天才画家の光と影

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監督  アンジェロ・ロンゴーニ
出演  アレッシオ・ボーニ、エレナ・ソフィア・リッチ、ジョルディ・モリャ、パオロ・ブリグリア、マリア・エレナ・ヴァンドーネ、シモーネ・コロンバリ、サラ・フェルバーバウム

映画を見たなー!という満足感。映画は美術なんだ!という感歎! 絵とドラマとにがっちり向き合ったという幸福感。
難をいえば、たむろした男達の集団の個の識別し難さかな。
満足感のあらかたは映画の中で製作されていく彼の絵。夭折した彼の僅かな絵・・・その中の何作かはカラヴァッジョ展で実際に見たことはあるが、教会などにある大作は見たことが無い。それらをこの映画の中で見ることが出来た。そして、モデルとの関係も知ることができた。女性たちはともかく、果物籠を抱えた少年やバッカスの絵のモデルとマリオ役の青年の顔が本当によく似ていたなぁ・・・。
光と影の画家の光と影は彼の絵の表現でもあるが、彼の私生活を表現したものでもある。
無頼の画家、犯罪者(殺人を犯した)と天才画家の二つの顔。
天才と呼ばれる人たちの神経・・・何が彼らを反抗させ、何が彼らを沸騰させ、何が彼らを創造に導くのか?
どんな天才たちを描いた映画を見ても評伝を読んでみても、実際には本当には分からない。だって、こちらは凡才の凡が満タンな人間なのであって、所詮窺うことしか出来ないのだ・・・という感じは絶対である。この映画で綴られる彼の生涯を見ていると彼は才能と共にわけの分からない負の感情(反抗恐怖憎悪怒り等々)という原罪を背負わされて産み落とされたに違いなく、そういう意味ではキリストの原罪というものが分かるような気がするよーと思って見たりする。
神は多く与えたものからより多くを奪う・・・のかな?
何でこんなトラウマ?を背負って生きることになってしまったのかねぇ・・・なんで好意を寄せ庇護してくれる人たちを裏切り続けるのかねぇ・・・しかも行き詰まるとまた庇護を願うのに・・・その繰り返しばかり・・・死をこれほど恐れているのに衝動に駆られるとすべてを破滅的な方向へと向けてしまう。自分の行動を自分でも肯えもできず自己を知ろうともしていない。こんな生があるのだろうか?
天才でありながら惨めで、無頼でありながら美を知る。善良でありながら悪意にも満ちている。至福に酔いしれもするが地獄も漂う。つらいだろうなぁ・・・。
そう思いながらも絵を描き続ける姿に圧倒されて・・・傍観するしかない人生の安全な岸に居る普通の生のありがたみも思っていた。
ドラマチックとはこういうものかと?

ヴィクトリア女王 世紀の愛

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監督  ジャン=マルク・ヴァレ
出演  エミリー・ブラント、ルパート・フレンド、ポール・ベタニー、ミランダ・リチャードソン、ジム・ブロードベンド、マーク・ストロング、トーマス・クレッチマン

英国君主で始めて私が知った人物はヴィクトリア女王だったろうか・・・リチャード獅子心王だったろうか?
アイバンホーやロビン・フッドで知った王か、はたまた「赤毛のアン」の教室に飾られた写真やシャーロック・ホームズの部屋の写真の女王だったろうか?
栄光のイギリスを作り上げた長い王位在位。みっともないと書かれた大女王!
そしてアルバートが死んだ後ずーっと喪服で通したという女王。
沢山の子の母となった幸せな女王。
ロンドンへ出かけるとき、歴史を少し勉強して、ケンジントンガーデンの南、アルバート公の記念碑(ヴィクトリア女王は気に入らなかったそうだが)もロイヤル・アルバート・ホール(ホームズが音楽を聞きに言ったところだから)も見たし、アルバート・メモリアル・ロードも歩いたし。
ジュディ・デンチの「クィーン・ヴィクトリア 至上の恋」も見ているし・・・ね。
そんな訳でまぁ身近な?女王なので見に行くことにした。歴史物には弱いんだ、私。
ヴィクトリアと言えばアルバート、二人の愛の物語はそれなりに有名だし、若き頃の二人と言えば・・・陰謀渦巻く宮廷での純愛!
そして意外にエミリーさんが可愛くて初々しくて(無理あるんとちゃう?と思っていたに)見ているうちに彼女の若さがいじらしくなってきた。知性も理性もありながら・・・(王族といえども)青春はやっぱり彷徨するものなんだなぁ・・・と。
そして見終わったときには・・・じんわり、極上の純愛ドラマを堪能したなぁ・・・という気分で潤っていた。本当にすごくいい愛の物語を満喫した満足感があった!

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インビクタス/負けざる者たち

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監督  クリント・イーストウッド
出演  モーガン・フリーマン、マット・ディモン、トニー・キゴロキ、パトリック・モフォケン、マット・スターン、ジュリアン・ルイス・ジョーンズ、マルグリット・ウィートリー
クリント・イーストウッドの作品はここのところ本当に安心して身も心も委ねられる。映画に真に安心していられる正しさというか理性というか・・・が漂っているような気がするからだろうか?
でも、その分彼の若若しさは消えた!という気がしなくも無い・・・って、それは当然か。
成熟というものの静かな佇まいという手ごたえは確かに感じる。
しかし・・・ローハイドから見続けてきた私には一抹の寂しさがある。「ダーティ・ハリー」の頃はもう随分昔のことなのだなぁ・・・という感慨。
「許されざる者」にはまだ娯楽があった。けれど、「ミリオンダラーベイビー」の頃からは感動が常識になってきたような気がしている。静かに確かに感動する!まさに確実に! 見に来て良かった!と思う。
この映画も最後に私の目は確かにウルウルしていた。
焦点を見事に絞って実話を完全に美しく消化していた。マンデラの解放のニュースを見た覚えも、彼の政策が報道されたことも、彼の離婚が奉じられたことも記憶に残っている。それなのにラグビーには全く興味の無かったわたしはこの出来事を知らなかった。
「え、日本はそんな記録?を持っているの?」と、驚いたくらいである。
しかしマンデラとビナール、マンデラの黒人白人取り混ぜた警備陣、ラグビー選手達とに特化して進むワールドカップまでの軌跡。
的を絞って白人黒人融和政策に邁進する大統領の信念と意思の実行力。それを具体的に実現していく手腕と人格。そこに漂う力と理性は言葉に出来ないほど目覚しく心を打たれる! 冒頭の白人黒人達のグラウンドの有様から・・・最後の大観衆の熱狂場面まで・・・本当ならば憎悪と確執でもっと鋭い対立があったであろう状況が静かに進行していく・・・実際には・・・・・・と、ここは想像力を駆使させられる。
その観客に委ねられた部分が凄いとも思い、物足りなくも思われる。クリントウッドが・・・ああ、老成したのだなと思わされる部分である。しかしだからといって、この大テーマをがっちり握り締めて描こうとする彼の姿勢には枯れた風情はまだ無い、ええ無い。そう思うとなにか嬉しさもある。ファンで居ることはなかなかこれで忙しい。
それでもこの映画で、忘れていた偉人を確実に思い出した。
私達は生きるに当たって尊敬する人を常に心に抱いていたいものだ・・・という事を感じている。 世界に常に目を広げていればそういう人物はたくさん居るはずなのだ。敬う心は人を謙虚にしそして目標を抱かせてくれる。 「グラン・トリノ」に続いてこんな気持ちをさりげなく掘り下げてくれた映画だと思った。意志を持つ人間に備わる尊厳!
 

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