ラッキーナンバー7

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監督  ポール・マクギガン
出演  ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ベン・キングスレー、ルーシー・リュー、スタンリー・トゥッチ

面白かった!
実は絶対友人が誘ってくれるだろうと思っていたので、とっておいたのに日にちが逢わないまま結局違う映画を見に行くことになって、ハッと気が付いたら近くの映画館はもう今週で終わり。私が行ける日は今日しかないことに気が付いて慌てて飛び出した。
だから思っていた以上の面白さに、見逃さなくて良かったと胸をなでおろしながら帰ってきたところである。
こういうブルースって大好き!「16ブロック」の彼と昔の彼と体をスポット入れ替えたんじゃないかと思うくらい顔も体も引き締まっていて、表情もしたがって?引き締まっていて、わーい!嬉しい!
ジョシュをはじめてみたのは「パール・ハーバー」だったと思いますがハンサムだとは思っても好きにはなれなかったんです。そしてルーシーもきつい印象が勝っていて目の険が厭でやはり好きな女優さんではなかったのです。(「アリー・マイ・ラブ」の印象悪かったし)だけど他のメンバー見てごらんなさいね。凄いでしょ?癖のある独特の何かを持っている人ばかりでしょ。楽しくないはずが無い!と、これだけで思えたのですもの。見る価値大いに有りですよね。トゥッチさんの可愛らしさって癖になりそうじゃありません?
美男も美女も若い時ってそれが肩に出るのでしょうかね?目いっぱい「いい男(女)だぞ、見ろ!」っていうのが嫌味になっていたりするのよ・・・なんて思うのは、はいはい、美貌に縁の無かった僻目です。
少し年を重ねると自然な美しさになる人が居ますよ。ジョシュもそう、男性の魅力が加わって表情が豊かになってきたのでしょうか。そしてルーシーもそう。何でこのメンバーにルーシーなんだ?って思ったのに、このルーシーはこの映画の中で始めて魅力的で可愛くてキュートだ!と思いました。だから私にとっては収穫の上乗せです。
さて、映画です。
なかなかスマートで上質の脚本だとつじつまが分かった時に思いました。後味もすっきり!想像の余地というか、こうらしいぞ・・・どうやら・・・見当も付かないような難しい謎ではないですが、おしゃれな話ですよ。
謎物が大好きなくせに謎に迷う趣味?濃厚な私にはこの納得感がお得!
俳優陣が皆上手くて表情も雰囲気も柔らかくて悪すぎるボスに見えないのに、死体はさて、幾つ?その殺人もが実にクールなので私は楽しんじゃいました。鼻ばかり折られるジョシュも可愛かったです?さて彼は何人殺したでしょう?ルーシーの殺害場面はギョットしましたけれど、ブルースの長髪は楽しめたし?最初の出だしの意表を衝かれる感じも好きでしたし、終わりのシーンも好きですねぇ・・・と言うわけで、何がどうで、何がこうだから・・・なんて理由は無しに楽しめました。
大体パンフや予告編に「ついてない男」って書きすぎ、言い過ぎですよ。最もその分の思い込みで、ちょっと煙に巻かれましたけれど・・・でも最後が実に良かったから許す!です。
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京鹿子娘二人道成寺

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出演 坂東玉三郎、尾上菊之助

「シネマ歌舞伎」というのだそうです。
平成18年2月歌舞伎座で上演された「京鹿子娘二人道成寺」を映像にして映画館で上映したものです。
実はかなり前から予告編も見、広告も見ていました。
でも、実際見に行く気はさらさらありませんでした。
歌舞伎も舞踊も舞台で見てこそという気があったからです。
この作品上映、1千円です。
歌舞伎の一幕見の値段と比べてどうか?という問題でもありません。
玉三郎さん、見るならやっぱり舞台で見たいじゃないですか。
それが先日「寿新春大歌舞伎」昼の部の最後に舞踊「喜撰」を勘三郎さんの喜撰法師、玉三郎さんの祇園お梶で見たのです。
その前見たのは・・・もう何年前になりますか・・・京都南座だったかなぁ?
それなのに玉三郎さんは何年も前と全く同じ、いやもっと?美しくて・・・その美しさにホント惚れ惚れと見惚れました。
勘三郎さんの喜撰法師はこの手の踊りを見せたらぴか一、滑稽味のある踊りをこの人ほど上手く踊る人を知りません。
あの体で?(失礼)どうして?と思うくらい軽やかに軽妙に・・・軽味が只者じゃない?素晴らしい踊りでしたのに、私ときたら玉三郎さんに釘付けでした。
姿形の美しさだけではないのですからね。一挙手一投足、手指の先から足のつま先の動きに至るまで、魅了しつくされました。
あの表情の無い表情、人形の魅惑に近いのでしょうか?こちら、見るものの心をそのまま映せる様な?
で、俄然見逃したこの舞台惜しくて惜しくて・・・仕方が無い、映画で我慢!の心境にコロリ転げたわけです。
大昔?歌右衛門さんの道成寺見ているんですが、正直あの頃あの方はもう美しくは無かったんですね・・・それにこっちも芸が分かるような目も無かったし。だから玉三郎さんの絶頂期を逃してはならじ!
東劇での最終日、満席の片隅に滑り込みました。着物の女性がいっぱいの華やかな劇場でした。その意味じゃ舞台にひけを取らなかったですね。
それで、どうか?これが難しいところです。綺麗な映像、音響も悪くなく、でもなんか一重挟まったような感動なんですね。
美しかったです。舞台が想像できました。やはり臨場感が全てなんじゃないかなぁ・・・舞踏はという感じでしょうか。
二度とないはずのものを映像にとどめておくのは意味があります。
取っておきたいですよね、留めておきたいです。でも目の当たりに見たい物は見たいです。その意味ではやはり次善のものに過ぎなかったです。舞台を見落とさないようにしようと思いました。
彼がうんと年老いた時その芸の素晴らしさが分かるようにこちらも目を養っておきたいものだと思いました。
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それでもボクはやってない

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監督  周防正行
出演  加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、田中哲司、光石研、尾美としのり、役所広次、小日向文世

いやーもうー怖ぁい!
この国では、疑われるような事をして、警察に連れ込まれたら、もう私らにはなすすべは無い!ってことですか?
無実なら出るところへ出れば大丈夫!って、思って生活していましたよ。
警察へさえ行けば、ちゃんと調べてくれるって思っていましたよ。
で、無実なら、起訴されることははなっから無いと思っていましたよ。人を見もしない検察官にはあーぁ。
そして、もしどこかで行き違っても、まかり間違っても、弁護士さんがいてちゃんと無実を証明してもらえるもんだって思っていましたよ。
全部幻想だったんですね。
もうお手上げだって思っちゃいました。
大体まかり間違ったところで、弁護士さんだってあそこまで働いてくれる人、私たちで見つけ出すのってまず無理でしょ?
そう思ったら、疑われることなぞ、まちがってもしてはいけない社会なんだって不安になっていました。
李下に冠を正さず、瓜田に沓を入れず?でしたっけ?それだけが私たちのすがるよすが?
彼は情けないフリーターに見えたから警察はああ、居丈高におざなりに決め込んだのかも知れませんが(いつもああなの?)、反対に彼がそういう立場だったからあそこまで頑張れたのでしょうけれど、頑張ったからといってお先は真っ暗に見えますものね。もう新しい証拠見つけられそうな状況じゃないですもの・・・後はもし上告できたとして・・・裁判官頼り?
裁判官の勤務評定?のあり方も映画の中の幾つもの「愕然!」のうちの一つでした。
もうてっきり「疑わしきは罰せず」が主流?と思い込んでいましたが・・・出てきた数字にも愕然!です。
犯罪とは無縁で」暮してきましたから、むしろ、限りなく黒に近い人が「疑わしき・・・」の鉄則のお蔭で野放しにされている社会の方がこのところ恐ろしい社会に見えていたんですから・・・えぇ~、180度方向転換の目からうろこ!状態で、座席で呆然としてしまいました。
凄い映画だなぁ!緊張して目を見張って終りまで引き込まれて見てしまいましたけれど・・・不安でいっぱい。
映画そのものは収監者の生態?傍聴人オタク?面白く見せるところもいっぱいあって係争中の「痴漢?」さんの援助など重層的に膨らませてとても見応えありました。考えさせられちゃいました。
パンフに11年ぶりの映画ってありました。「Shall We ダンス?」からもう?
「お父さん、認めて罰金払っちゃいましょうよ、明日からの事を考えてよ。」なんて言う自分を信じられます?
それより、この映画見た後で「あなたを信じてるからどこまでも戦いましょう!」なんて、そんな無責任なこと言えます?家族が居て途中でもうお金も続かないしお手上げ・・・なんてなったらもう最悪。
「よかったねぇ、頑張った甲斐あったねぇ!」って言える保証100人に3人ですってさ。
それ以上に、私みたいのが陪審員になったところで、いたいけない少女を見ながら怪しい男?に「疑わしいから無実」って手を挙げられますかね?裁判員制度で何か変わる?
頭を下げて罰金払って野放しになった人って懲りないでどこかでまたやっているのかなぁ?裁判潜った人の方が懲りる?痴漢だけの専用裁判所・万引きだけの専用裁判所でもれなく懲りさせる?
満員電車では手を絶対胸から下に下ろしちゃ駄目よ、女性が居たら何とか背中を向けるのよ、とか何とか自己防衛しても?・・・状況次第でどこから火の子が飛んでくるか分からないし・・・警察へ行ったら相手は全部詐欺師だと思え!って?とにかく何があっても署名しちゃ駄目だ!って?えー、そんなァ・・・
信じてもらうってこんなに難しいことだったのかぁ!
どこから改善していけばいいのですか?日本の裁判制度。司法制度も。
改善点が山積みなのはとてもよーく分かったのですが。
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名犬ラッシー

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監督  チャールズ・スターリッジ
出演  ピーター・オトゥール、ジョナサン・メイソン、サマンサ・モートン、ジョン・リンチ、ステーヴ・ペンバートン、ヘスター・オジャース、エドワード・フォックス

予告編でちらりと見た老人・・・あれは紛れも無くピーター?
となれば、見ないわけにはいきません。それに何よりラッシー懐かしいですし。
素敵な人が素敵に年老いているのを見ると元気をもらえます。嬉しいですよね。
「おしゃれ泥棒」から40年。最近では「トロイ」くらいしか殆ど私は見ていないのですから、途中がどうだったのか本当の所は知らないのですが、それでも銀髪になったものの、白い肌に昔と変わらぬ青い目が輝いて・・・恰幅の良いイギリス貴族をわがままに風格を見せて演じていました。いい味がありましたね。
子供と犬を向こうに回してなかなか負けていなかったですね。
これが存在感よ!と、圧倒的に贔屓目の私ですが・・・実際そうでした。
さて、物語ですが、大昔TVで見ていたドラマはアメリカの話だったと思っていましたが、原作はイギリスだったのですね?(あのTVドラマ、DVDで見れるのですね)
いかにもアメリカ的な物語だと思っていたのですが、考えてみれば犬を愛することにかけてはイギリスの方に1日の長がありますよ?
狐狩りのいかにもイギリスらしい風景から物語りは入っていきましたが、イギリス貴族(領主)はまだあんなことしているんですかね?動物愛護運動があんなにも盛んな国で?
炭鉱が閉山する頃といえば4・50年くらい前の舞台設定でしょうか。それでもその光景には犬がいかにも生活に馴染んでよく訓練されて人間と共存している感じがリアルでした。
わがマンションのおじいちゃんやおばあちゃんに抱かれて夕方中庭に散歩に出てくる犬たちと違って、映画の中の犬たちが生き生き堂々としていて羨ましいようでした。
「犬って本来これだよ!」と頷いてしまいましたね。
イギリスの炭鉱の町も「フラガール」で見た常磐の風景と酷似しているところがあって、日本もイギリスも炭鉱の町では同じような時代を通り抜けなければならなかったんだなぁと感慨がありました。
ちょっとひ弱で印象の薄いラッシーの飼い主の少年より、貴族の孫娘の方が生き生きとして利口で行動的でちょっぴりおじいちゃんに似て頑固そうで生意気で魅力がありましたね。
コリー犬は表情がちょっと淡々と?悲しいっていう感じしません?
そのせいかラッシーの困難な旅そのものより、途中で会う青年と娘とか小人の犬への愛情が素敵に印象に残りました。銃に追われたり、野犬狩りにあったり、色々有った割にはラッシーは淡々と800キロもの旅を続けていたような?
何よりハッピーエンドが嬉しい映画でした。
我が家の利口でハンサムでおとなしかったシェットランドのコロが懐かしくって堪まりません。それにしてもラッシーってずーっと男の子だと思っていましたよ。
「犬は人間の言うことが分かるのに、人間は犬の言葉が分からないのに・・・」本当に!うちのコロはうちの男の中で一番忍耐強かったなぁ・・・と、思い出しました。
ラッシーを買った貴族の館へ行く列車が地図の上でスコットランドのエディンバラを越え、アバディーンを越え、インヴァネスを越えてさらに北へ向かうのを見た時、わくわくしました。何時かは行って見たい憧れの土地です。でもどうやら撮影はアイルランドでしたらしいですね。
映画で見た美しい山河がスコットランドだったらいいのに、それにあの湖もネス湖だといいのに・・・ネッシーがいましたよね?
スタッフの中にローレンス・オトゥールという名を見つけました。
いかにも「アラビアのロレンス」を演じた人の息子!という名ですが?
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武士の一分

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監督  山田洋次
出演  木村拓哉、壇れい、笹野高史、坂東三津五郎、緒方拳、赤塚真人、桃井かおり、小林稔侍

本当だったら、年末「今年最後の映画・・・」と言って書いているところでした!
それが「今年最初の映画・・・」になりました。それもこれも映画が好きでないのに「俺も行く。」と言い出した旦那のせいです。「笠間城址でロケに遭遇したから。」とか「山田洋次監督の時代劇は前の2作も見たろう?だから行くよ。」とか言うんですよ。
でも結局は映画好きじゃないんですね。「今週末行こうか?」「いいわね。」を何度も繰り返した挙句・・・その週末には牡蠣になったみたいに口を閉ざして・・・。
「行く」なんて言ってくれなければ行っちゃえたものを・・・と。「まぁ、映画好きな私に付き合ってやろうっていう気はあるんだから?」と我慢の日が続きましたが、さてようやくその日が来たというわけです。
今回は原作も短編1本に絞ってあるし、原作はきりりと絞った無駄の無い秀作だし、きっちり作れば映画もそうなる!
前の2作は短編をつなぎ合わせたもので単品では有りませんでしたから、じっくり「あの」話を見せてくれるのを期待していました。
それに個人的に「八目神社」の場面どんなになるのか楽しみでしたしね。ほら、佐志能神社のロケ現場に居合わせた話です。
その話を先にしちゃうと・・・「映画」って面白いわねぇ!です。
あの目の前で見てきた小さな古びたお社が別物になっていました。
「八目神社」の額のせいですよ!
確かに小(大)道具さんたち?苦労していましたよ。生木をいっぱい運んでね。その甲斐がありました!ほんの僅かなシーンでしたから、あのためだけに・・・!という感動?
旦那の最初の感想も「あれだけのためにか?運び上げた生木の意味がほとんど無かったじゃないか?」でした。
「監督はきっともっといっぱい撮ったけれど、編集でああなったということじゃない?」
お百度を踏む足場の悪さと壇さんの素足の痛々しさと汗とで健気も極まった!ようでしたね。それで十分!
映画は丁寧に作られていました。だから見るほうもじっくり彼らの生活が見えますよね?
それで却って妙なところが気になっちゃいました。城から下げられた夫に薬を飲ませる前に「まずその汗拭いてあげて!」とか、お茶碗に白湯を貰って沢庵でゆすいで・・・っていうところは「箱膳に戻すのだからもっと丁寧に。清兵衛さん上手かったよ。」とか言うようなほんの瑣末が。30石の生活ってアンナ感じでしょうか?
でも主役?3人とも良かったですね。
ただ、妻と夫の時代感がちょっとずれているような気(二人の生きている時代が違うような感じ?)がしないでもなかったのは多分演技の質のせいでしょうね。そこを笹野さん、赤塚さん、桃井さんが多様なそれぞれの上手さで膠のようにくっつけてくれたという感じでしょうか。
壇さんが写真で見ていたのよりふっくらと美しくて初々しくて魅力的でした。キムタクさんはあの映画に合っていたのかちょっと微妙な気はするのですが、難しい盲目の演技も上手かったと思いました。目のメイクさんの御蔭もあるかも?
三津五郎さんが歌舞伎の板の上の舞いと全く違って、妙にリアルに色悪になっていてちょっとおかしかったといったら、失礼?いい悪役になりそうですね、映画やドラマで。
全体として原作のイメージを損なわない品の良い作品に仕上がっていたと思いホットしました。
今年最初の映画が楽しめてよかった!
藤沢周平原作映画3本、心の中でああだこうだと順番をつけてみているのですが・・・まだ決められない。主演俳優に好き嫌いがあるし、主演女優に好きな順があるしっていう・・・のが邪魔をしちゃうんですね。
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