恋とスフレと娘とわたし

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監督  マイケル・レーマン
出演  ダイアン・キートン、マンディ・ムーア、ガブリエル・マクト、パイパー・ベラーボ、トム・エヴェレット・スコット、ローレン・グレアム、スティーヴン・コリンズ

見ている時は笑っちゃったんですが、見終わってみると・・・他の人も笑っていたし・・・なんていいわけをしたくなっちゃいました。
ま、実際私の隣の一人出来ていたお兄さんも、お隣のおばさんたちも結構声を出して笑っていましたよ。大体物凄く怪訝です。この映画一人で見に来るお兄さん!おかしくない?
それはともかく、私だってダイアン・キートンさんの名前が無かったら見に行っていませんよ。「恋愛適齢期」が余りにツボに填まっていたので二匹目のドジョウを期待しちゃったんですね。予告編の「娘を案じるお母さん」には興味津々!でしたし。
だって、私の周りには結婚していない息子を持っている友人は山ほど、だけどそれに負けないくらい結婚していない娘を持ったお母さんも山ほど!しかも娘のお母さんほど娘の結婚を心配していない人が多いんです。
「だってさ、結婚されちゃったら今みたいに楽しく遊べなくなっちゃうもん。娘の旦那に気兼ねしながら遊びたくないわ!」
「海外旅行行くのに最高の同行者は娘よ。結婚して長く家を開けられなくなったら困るもん。」
「結婚してもいいけど、相手の人には私たちと同居が条件よ。息子は出して、娘夫婦と暮すのが夢なの。」
なんていう長閑なお母さんばっか!
それなのにあの?アメリカに娘をいい人に縁付けて結婚させるために奮闘努力するお母さんがいる?こりゃ見てみたいジャンみたいな乗りでした。
そしてあのお母さんには、その言動にも、物凄い速射砲みたいな会話も、大いに笑えました。だけど落ち着けばその笑いは苦さにさも似たり?可愛いけど可愛くない!キュートだから許せるって範疇は逸脱・・・と、私は思いました。
彼女の三人娘は何かと言えばうんざり顔の?亭主を(彼を)引き連れてお母さんとドッキング?常に寄り集まってそりゃ楽しいでしょう!かしましいったら・・・あのシチュエーション、親離れも子離れもどっちも出来て無いじゃん。問題は三女だけじゃないでしょ・・・それもあのアメリカで?ってことは世界中が親離れできない子離れできない親子関係ばかりってこと?さもなければ子殺しか親殺し?なんて・・・思えちゃいました。
しかもあの三女さん、こともあろうに二股、それも余りにひどい二股!究極の二股!人間としてあれは無いでしょ?あんな優柔不断な人が幸せになれるとしたら・・・なんかが間違っている。
あなたは彼女の決断の無さを、乃至は決断の遅さを許せますか?それをも可愛いと思えますか?と男に突きつけて、男はおおらかさこそ望まれるんですよ。観念しなさい。許しなさい!お義兄さんたちを見なさい!皆幸せであるために忍耐しているでしょ、と言い聞かせる?・・・聞かせている映画でした。って?やっぱり、クソ!笑ってしまった!っていう映画でした。
マンディさんが確かにしょうがねぇなぁ・・・っていう娘を上手に演じていたことも確かっていうか地?みたいな。
ただね、食べ物だけは実に豊富でしたね。スフレか!京都の六盛茶庭のスフレ食べに通ったこともあったなぁ・・・スフレを上手に膨らませる女性なら他がどうでも許せるか!自分ひとりの食卓にあの料理を載せるような女なら男は皆何でもOK!かもね?
リンド夫人も言っていたではありませんか。「男は美味い物を食べさせれば操縦は簡単」って。
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題名のない子守唄

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監督  ジョゼッペ・トルナトーレ
出演  クセニャ・ラパポルト、ミケーレ・ブラチド、クラウデア・ジェリーニ、ビエラ・デッリ・エスボスティ、アレッサンドロ・ヘイベル、クララ・ドッセーナ

「今度『題名の無い子守唄』っていうの見に行かない?」と誘われたのはもう一ヶ月以上も前になる。その時は私はまだこの映画の情報を持っていなくて「面白いの?」「面白いかどうか?興味深そうな映画なのよ、読んだところでは。」「じゃぁ来たら行きましょう。」
で、始まったので行って来ました。ご主人が見たくないタイプの映画なのだそうです。見て、ご主人に見せたくない方の映画だ!と思いました。と言うより一緒に見たくない?一人で見たい!
最初から最後まで緊迫感の切れない映画でした。
彼女の過去に何があったのか?それは永遠に振り切れないものなのか?彼女の真意はどこにあるのか?そして彼女は何をしてどこへ行きたいのか?彼女の行く道にちりばめられる謎の深みに私は落ちました。挿入されるカットバック・フラッシュバックに見えてくる過去が痛々しさで彼女を彩ります。金髪を輝かせて笑う彼女が若い!このカットバックで入る映像が色鮮やかな分その瞬間がこちらの心臓の心拍数を跳ね上げて、現在の彼女の暗さを痛いものにする。多分難民でウクライナから流れてきてこの運命にとっ捕まったんだろう・・・と想像して・・・今まで見た難民を扱った映像のきつさをもこの映画に覆い被せて・・・彼女の過去が胸に迫ってきます。来た道が見えてきて、行く道も見えてくるに従って、今度は彼女の犯した過ちが取り返しの付かないものであることも見えてきて、見る方の心の中が収拾つかなくなってきます。彼女にもう救いは無いだろう!落とされてしまった先任の家政婦、殺されてしまった母親!でも彼女の突き進む意志は揺るがない。ただただ彼女とそっくりの?縮れた豊かな濃い色の髪の少女にヒタト据えられた眼差しだけは動じない。
そのために払われる彼女の智恵の限り、努力の限り!その分彼女の人生の愚かしさ、悲しさ、苦しさ、失ったもののかけがえの無さが胸に迫ってきて痛くなります。
それで?それで・・・(結末は教えないでください)の字幕がありましたね。
理解してもらっても同情されてもそれがなんになるでしょう?その上、代わりに誰かが何かが償ってあげることも出来ません、彼女の過去に。
どんな過去があっても、どんなに虐げられても、してしまった事を償わなければ穏やかな時も心も恵まれはしない・・・と。この作家・監督の語りたいことが最後の映像で見えるまで、しっかり虜にされた2時間でした。「時だけ」では何も解決しないのです。でも「時」は絶対に必要なのです。それ無しには、どこにも行けないのです。
子供の出生率がこんなに低くなっているこの国で今この時子守唄を聞いている子供はどのくらいいるんだろうなぁ・・・うちの子供たちは私の歌った子守唄を覚えているだろうか・・・なんて・・・
エンニオ・モリコーネって!!!それなのにまだクリント→マカロニウエスタン→モリコーネの私って?
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ミス・ポター

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監督  クリス・ヌーナン
出演  レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、ビル・パターソン、バーバラ・フリン、ロイド・オーウェン、マッティエロック・ギブス

気持ちの良い映画を見ました。自然で無理の無い涙も少しこぼれました。短い映画でしたが内容は充実していました、あらゆる点で。景色良し!俳優良し!絵本の動物良し!物語良し!
現在では女性が当たり前のように選び取っている自分の人生を、全うすることの困難な時代に自分の行き方を勝ち取った女性の半生ともなればそれだけで心を動かされます。
しかもこの俳優陣はそのままセットであの時代から借りてきたような自然さです。
レニーさんはいつもながらの多彩な表情を駆使して粘り強く自分の道を切り開いていくビアトリクスの強情をも愛らしさでカバーしながらいじらしくも雄雄しくも生き生きと演じて、いつもながら上手いなぁ・・・!と感嘆させられましたが、ユアンさんです!
ノーマンが実に初々しいくチャーミングなイギリス紳士になっていて、私の方が恋したくなってしまいました。彼が恋に落ちたときのドキドキ感が、目の輝きが、私の心臓にまで移ってくるようでした。いいなぁ~。
それにおなじみの動物たちの動きもほどが良くてチャーミングな挿入でした。
最もミス・ポターのこの世界はシャーロック・ホームズが活躍した時代と重なるはずですが、そしてそのホームズの依頼人には結構自立した女性がいましたが、階級が違うとまだこんなだったんだなぁ・・・
なんて思いながら両親を見ていました。親は責められません、あれでいいのです!なんといってもあのビアトリクスを育てたのですから。
そしてあのヒルトップ農場です。
物語のせいかあの農場と湖水地方の映像がしーんと悲しげに淋しげに見えました。イギリスといえば湖水地方をめぐる旅!あの鉄道の写真も定番!私の旅心も見終わってからうずき続けです。
彼女の自由な生い立ちと動物たちへの愛情が彼女に未来のビジョンを明確に見せたのでしょう。御蔭でその気になりさえすれば?遠い外国からでも彼女が住んでいた時と変わらぬあの自然をあの村をあの農場を見ることができるのですから。なんという功績でしょう!
それにしてもベアトリクスが結婚する気にならなかったあのお見合いの青年たち・・・笑えましたが・・・あれじゃ彼女じゃなくとも・・・なんて思っちゃいますよね。彼らが相手じゃ結婚より絵と物語と自立を愛する人生を選んだと言う事を強調することにはなりませんよね?おかしかった!おかしいと言えばあの付添いおばあさん!私も彼女がお酒に目がないとノーマンのお姉さんより早く?気が付きましたよ。
ロイド・オーウェンさん、一寸鹿賀丈史さんの若い時に似ていません?子供時代の交情が将来を暗示していたようで・・・素直に彼らの将来の結婚が理解できた感じです。いい脚本だったんだなぁ・・・という気がしています。
それにしてもヴィクトリア朝の恋は!停車場のキスにかかる蒸気が見事に表現していました!やっぱりいいなぁ!
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

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監督  デヴィッド・イェーツ
出演  ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリント、ゲーリー・オールドマン、アラン・リックマン、マギー・スミス、エマ・トンプソン、マイケル・ガンボン、ヘレナ・ボナム・カーター、ロビー・コルトレーン

8月のお子様月間が終ってから・・・で、物凄ぅく待ちくたびれたぁ。
そして・・・ウ~ム?です。この映画が満足だったのかどうか?
男の子って成長途中に確かにこういう頃があります。男でも子供でもなく中途半端で何ていうかきれいじゃない?でもハリーたちの雰囲気って日本の子供たちの高校生くらいの感じゃありませんでしたか。一寸、原作より年喰っているって感じは物語の脚本の違和感にも比例しているような・・・微妙な感じ?
「不死鳥の騎士団」て題なのに不死鳥の騎士団の人々って、団員って分かりましたか?具体的に彼らがどう動いているのか、それがもう少し描かれた方が、ダンブルドア軍団の結成の意義と活躍の胸のすく感じが際立ったんじゃないかな・・・なんて脚本に疑問を呈していますが・・・原作がどんどん長くなる以上読み方、印象の受け方、好きな部分・・・読む人それぞれですから厄介でしょうね。
ま、映画の場合原作は脇に措いておいて・・・ですが、ハリーの苛々、癇癪の源である愛情への渇望、不安、疎外感・・・この編の主要な感情の描き方が省略されすぎていたような・・・悪夢の不安(ヴォルデモードと繋がっているのか?という)だけしか描きこまれていない感じです。そここそが次回作へのハリーの焦燥にも、生長にも、繋がっていくので全部の巻を見ていないと置いていかれそうな心配を感じてしまいました。(最もこれだけならまぁこれだけでもいいんだけどって言う気も一部ではあって・・・だって2時間一寸にまとめたんだもの・・・だから別物だって!)
シリウスとの場面が少なすぎたのも私には残念です。ゲーリー使っておいて!ハリーの感情の不安定さを際立たせる大事な挿話ですものね。あの愛情を又失ったハリーはもう一つ見るものの愛情と同情を引き付けるはずなのに・・・と、惜しい!(ハリーは同情なんか要らない!)
アンブリッジ先生は私のイメージどおり!ふるーい女子高卒なので先輩だった主の様な才女先生が何人かいたのを思い出しちゃったのですが・・・彼女等は魔女だったのです?ピンクと猫って定番なんですね!イメルダさん秀逸で、出番がいっぱいでよかったですね、ヘレナさんやゲーリーさんやマギーさんは可哀相だったのに・・・とぼやきました。フリットウィック先生はやったーですね!(かわゆい!)
今回は軍団創設へとか友情はあったけれど(双子がはじけてくれて楽しかった!)ファンタジーの持つ全体の温みとワクワク感の弾みが少なくてそこが一寸残念(最も原作の方もどんどん厳しくなっているのだものねぇ・・・って、あれは別物だってば!)まぁ、スネイプ先生とハリーの父親の話は扱いようではいじめっ子とそのカリスマ性なんて1話が出来ちゃうくらいのテーマだし?でもスネイプ先生を描きこまないと彼へのダンブルドア先生の信頼も理解できないままよ~です。まぁ、描かないからこそハリーの失敗も物語としては生きてくるのですが。
前4作より「あー、面白かった!」と席を立てなかったようです。
成長って寂しいものなのねぇ~ですか。
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トランスフォーマー

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監督  マイケル・ベイ
出演  シャイアー・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョン・ボイド、ジョン・タゥーロ、レイチエル・テイラー、ジョシュ・デュアメル、タイリース・ギブソン、アンソニー・アンダーソン

予告を見た段階で行きたい!と思った映画の一つです。
だけど行くのをうんと躊躇った映画の一つです。(そういうのはいっぱいあるのですが)だって、どこから見ても男の子の映画ですものね。だけど私の「好き!」って分野でもあるんですね・・・そここそが。
男の子って幾つになっても車(乗り物)とロボットなんだ!と改めて納得しましたよ。目が開いたか開かないうちからうちの男の子たちは交差点を行き来する車を見て喚声を上げていましたもんね。
そんなままで大人になった人たちのお楽しみでしょ?で、私のどっかにもその手の尻尾がくっ付いているってことでしょうか。
スピードを楽しみました。うふっ!わぉー!です。
欲を言えばあの変身シーン、もうちょっとユックリ映像変化をみせてくれてもいいのになぁ・・・です。スピードが楽しいのに、でも途中経過ももっと見たい!折角なんだもの。子供が超合金のロボットをシャキーンガチャーンと声を出して変身させていた時みたいに。
彼らロボットさん(金属生命体だって!)の名前がなかなか頭の中で追っついていかなくて・・・えーい!善い方の金属生命体さんはグレンダイザーでいいや!(私はトランスフォーマーというアニメは知らないんです)ってわけで、頑張れグレンダイザー!って心の中で叫んでいました。だってあの善い方の親分はグレンダイザーとちょっと色目が似ていたもの?「沼のほとりのバドルビー」みたいな名前のロボットさんとか・・・って具合。子供たちの好きなタイプの車が勢ぞろいするわ・・・戦闘機が変身するわ・・・小さな鋏だらけの手のこましゃくれた子悪党のいたずらっ子みたいな悪い方のロボットさんが面白かったわ・・・携帯の変身も面白かったわ・・・って具合に私は満腹しました。坊やが、元気者のお姉ちゃんが、心で交流できる生命と心のあるロボットさんて素敵!みたいな?
この手の映画には絶対必要な演技力のある大人!ジョン・ボイドさんが結構こき使われていた・・・というか張り切りまくっていた・・・やっぱり男の子なんだ!っていう感じがまたいいんだ。
正直あのキューブをロボットに押し込むとどうしてああなるのか今一わかっていない私ってやっぱり男の子じゃないんですかね?
隣のお兄ちゃんみたいな主人公の坊やはその昔のうちの息子等と余り変わらないようで妙に親しめてしまいましたし。だから彼と黄色の車さんの交情は、ぴったり息子と一緒にベッドで寝ていたグレンダイザーの交感場面を想起させて、妙に懐かしくもありました。
ま、子供と一緒にTVを見ていたあの頃、私はタイムボカンシリーズの方が好きだったかもな?あれは忘れられませんわん?
エンドロールを見ていたら(私は楽しませてもらった感謝を込めてスタッフさんの名前を拾い読みすることにしています)アルメイダさんとマグゴナガルさんを見つけました。どうでもいいことだけど、
わ、本当にこんな名前の人がいるんだとちょっぴり嬉しくなりましたっ。
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