シャンハイ

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監督  ミカエル・ハルストーム
出演   ジョン・キューザック、コン・リー、渡辺謙、
チョウ・ユンファ、菊池凜子、フランカ・ボテンテ、デヴィッド・モース、ヒュー・ボネヴィル、ジェフリー・ディーン・モーガン

全然関係ない感想なのかもしれないけれど…この映画見ていたら、アメリカは中国というどでかい市場を手にするためには…日本を差し出すかもね…昔ほど日本の利用価値無いし…あまり言う事聞かないし…
大きい市場手に入れたほうが差引得じゃん?みたいな。
アメリカが…の映画が日本を理解しているって思ったことないけれど…これだけ経っても相変わらず理解しようとする気なんて無いんだろうな…っていうかそもそも日本文化知っているアメリカ人そういないだろうし…相変わらず富士山・芸者・ちょんまげだろうし?
日本人がアメリカ知っているくらい日本を知れよ…なんて思っても無駄みたいけれど。 せめて謙さんにこの映画出てほしくなかったんだけど…とは思ってしまう。
歴史認識以前の問題? いえ歴史認識そのものも。…ってだからって日本人そのものがこのあたりの歴史知っているかっていうと…心もとない。 だって私たちの歴史授業そのものが、明治の日露戦争以後は先生は「適当に教科書読んどいて…それで試験には出ないから」って言って終わった。このあたりの租界事情むしろベルリンやウィーンの租界事情の方がまだ知っているかもしれないよー…ってくらい?
ただ、この映画の謙さんの妻への複雑な感情は抜群に表現されていたな!と、思う。 演技者としての謙さんはとても輝いて魅力的に切なく見えたな。ここには悲しい一組の夫婦が存在していた。主人公の恋着よりもずーっと情があふれていたな。情感の漂い方がまるで違うよーと、そこで溜飲を下げた。
旦那が「あれほんとにコン・リーか?もっと美人だったぞ、あんな受け口だったか違ったろー?」
「コンさんだよー、ああいうお顔だったよ。やつれた風情が悲しくて良かったじゃない?」「老けたんだよ、美人のコン・リー見に来たのに…」ぼやいておりました。
男は老けて何ぼ?女は損だなぁ…こんな男がいる限り!と、冷たい目で旦那を見た私でした。

大鹿村騒動記

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監督  阪本順治
出演  原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、石橋蓮司、松たか子、でんでん、小倉一郎、小野武彦、三國連太郎
笑いながらこの村の人々を見ていたら…なんかストーンと今度の震災で土地や家を失った村の方たちの気持ちが腑に落ちた…ような気がした。 あくまで気だけど。
こんなに絆の強い人々、すべてを知られている、隠すことなどできない共同体…これが村なんだ!
隣の奥さんに会うのは年に数回、同じ建物に住んでいてお茶に行ける友人は一人…なんていう生活には共同体意識なんてかけらもない。 見られていない、見ないで済む…そんな気楽さ。 普段はその気楽さに腰かけている私が…この幼馴染たちに羨望の目を向けてしまった。 これもあの震災の後だったから?
仮設住宅にみんな一緒でなければ…とか隣人と別れるのが嫌だから…とかいう被災した人々に…まず自分の家族、とりわけ自分の生活の場を確保して安全安心を手に入れてからすべてが始まるのじゃないか?などとぼんやり思っていた。 だけどこの村の人達は他家にすべてをさらけ出すしかなくて、他家のすべての事情を知って、その上にやっと自分の生活がある。物見高さもいじわるも思いやりも…みんなの納得の中にある。
善さんと治と妻の関係にこの村の歴史そのものでもある歌舞伎のドタバタが被さって…面白うて…でも悲しくて哀しい人間がいて…その中には新しい絆も生まれてくるのかもなぁ…希望も見つけて…こうして人の中で人にいじられて人は死んでゆくものかもなぁ…なんて。 俳優さんたちが生き生きして見えるこんな映画、本当にいいなぁ…と無条件で思っていた。 原田さんの作品、これが最後になって、でもこれが〆で良かったなぁ…という気もして。
「父と暮らせば」の原田さん大好きだったなぁ…。何度も見ているのよ。

一枚のハガキ

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監督  新藤兼人
出演  大竹しのぶ、豊川悦司、六平直政、大杉漣、柄本明、倍賞美津子、津川雅彦、川上麻衣子、絵沢萌子、麿赤兒

友人に見に行きたいと誘われました。
新藤さんね…あまり好きだ!と思った映画ないのよね…とは思えども…日本映画界の至宝?お年を考えても感服の極み!「いいよー」と、返事しました。…ら。
偶然というか、この映画見に行く前夜、数日前から車で「ロック・イン・ジャパン」に出かけた息子が夜中過ぎても帰ってこないのが心配で…寝られないままにTVをつけていたら…新藤さんの「石内尋常小学校」というのをしていました。 だから…見始めちゃいました…結局見終わったころ帰ってきたんですが…見ながら…変な映画!って思っていたんです。  不自然なんですもの…映画であって映画の際からおっこっちゃって…「お~い、俺たち芝居してますよー」って俳優さんたちが主張し合っているみたいな感じを受けたんですもの。ちょっと感情に訴えてくることは来るんだけどでもうるさい!みたいな?
で、「一枚のハガキ」見に行って…驚いちゃいました。
時代は変われど…出てくる俳優さんたちは全くと言っていいほど…同じ! テイストも同じ。  ああそうかこの二作品は彼の監督の頭の中の世界を大声で叫んで主張しているんだ!…なんだかそんな感じを受けました。 だから俳優さんたちも目いっぱい叫んでいるんだ…って。だからまさしくこれはこの監督の言いたいこと言い残したいこと全部しっかり伝えますよ―って映画なんだ。
その意味で確かにこれは、映画は自己表現媒体なのだ。
彼は映画とはそういうものだって境地にあるのかもなぁ。 そして確かに戦争前夜前後の日本人の営みは…ああ、こういう時代があったんだなぁ…はい、なんか感じておりますよ…と言ってあげたいような…でもとても疲れたような…。しかし本当にこんな時代があって、こんな人生を生きた人が…ということが真っ直ぐに来ました。 理不尽だよー私も心で叫びました。

小川の辺

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監督  篠原哲雄
出演  東山紀之、勝地涼、菊池凜子、片岡愛之助、尾野真千子、松原千恵子、藤竜也、笹野高史、西岡徳馬

藤沢さんの作品はほとんど読んでいないくせに、映画化されたものは見に行く…姿勢の旦那が「菊池凜子」って人の顔がどうしても見たくないから行かない…なんて理不尽?な事を言っていました。 だから友人と行きましたが…旦那のセリフはある意味で正解でした。 この田鶴という妹の性格。 もともと頑固でまぁ依怙地な性格を本当に可愛げの無い表情で菊池さんが演じていました。ホント兄だったら…手を焼くだろうな。親だって。っていう感じでしょうか。  たしかにこの作品の本来の主・武家社会に生きる理不尽さという主題以上に、この女の性格にてこずる兄の理不尽…っていうのが際立ってしまった感じです。もう少しいじらしい妹だったら、兄の親の苦悩はいかばかりかと…それを感じたかったと…ちょっと残念な気持ちも。
その分この若党・新蔵を演じた勝地君が出色で…忠義心と本当の兄より兄らしい出来の悪い妹をそれだからこそ愛情をもって助けたい…心根をにじみ出るように演じていました。 宿で端正に新蔵の探索を待っている朔之助の東山君は確かに藤沢作品の主人公たるべき品位を醸していましたが…この作品は完璧に新蔵のものになっていたように思います。勝地君、楽しみだな…それだけの映画だったかな。山桜はよかったのにな。 背景の風景には情を感じさせられる哀切な美しさがありました。

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でんでら

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監督  天願大介
出演  浅丘るり子、倍賞美津子、山本陽子、草笛光子、白川和子、赤座美代子、山口美也子、角替和枝、山口香林、別府康子、田根楽子

50人ものおばあさんがずらっと並んでこっちを見据えているポスターはなかなか迫力があります。
しかもあの?「姥捨て山には、続きがあった!」というキャッチ! 当然下敷きには…日本の古来からの?貧しい農村のあまりにも悲しい風習と引き裂かれる情感があると思うでしょ? サークル仲間がこの50人のおばあさんの一人として出演していなければ…見に行かなかったでしょう…と、これはサークル仲間で大挙して?見に行った後での感想。
皆呆然としてしまった!というところでした。(セリフ一つないおばあさんがほとんどの中で…「セリフあったね!」「良かったね」仲間のためには喜びあいました)
昔なら当然姥捨て山に送られていた年齢の私たちみんなが笑えたのは映画の中の姥捨ての年齢も上がっているんじゃない?お父さんの映画より。 だっていやでも私たちまだ元気に生きちゃってるもんね。 元気な70歳普通でしょ?
熊が出たら戦えるかどうかは別だけど。 この映画、復讐の爽快感はさらさらなく…草笛さんの100歳が…きれいすぎる事しか目につかなかったよ…という人多数。
ノーメイクが売り物だけど…あれノーメイク?との疑問も多数。で熊はメイクだよね?間違いない!偽物じゃん。そりゃそうでしょ!
それにしても物語の芯も杜撰なら…年寄を扱って希望がないっていうのも…精神的に杜撰。 何のために30年もこの老人村を営んできて復讐の年にだけ雪崩と熊なの? 意味ないじゃん。 意味をつけるとすれば…あの村をどう村起ししたのかを描いてくれれば意味ができたのに!
あの衣装、どうやって作れたの? 蚕飼ってるの?染は?織りは? 食糧50人分の一冬貯蔵。 あの緑のあれだけの土地で賄えるの? 彼女たちができた村起し、男手もある彼女たちを捨てた村にノウハウ伝授すれば姥捨てしないでも生きていけるだろうに。 男が諸悪の根源ならば…アマゾネスのように?やりようはあるだろうに…とまぁ、つらつらランチを取りながらおばさんたちはつぶやいたのです。本当に復讐なら復讐劇をきっちりやってほしかったなぁ…それならそれで納得がいく。

所で、「でんでら」ってどういう意味でしょう?
木下順二さんの戯曲「二十二夜待ち」をサークルで読みましたが…二十二夜待ちの集いをしているおじいさんおばあさんが唄う歌にも「でんでらでん・でんでらでん」という合いの手が入ります。合いの手ってほとんど意味ないでしょ、あってないもののような?
仕方ないから調べて見ましたら、遠野にはでんでら野というところがあるらしいです。昔の姥捨て山?だったところだそうですが。 長崎のわらべ歌の「でんでらりゅうば…」の意味は「出ようとしても出られない…」だそうです。う~ん、なんとなく…

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