ラブソングができるまで

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監督  マーク・ローレンス
出演  ヒュー・グラント、ドリュー・バリモア、ブラッド・ギャレット、クリスティン・ジョンストン、ヘイリー・ベネット、キャンベル・スコット

あー、面白かった!
顔は思いっきり笑ったまま体は弾んだまま映画館から出てきて、行き会った人に照れちゃいました。だからといって笑いを納められたわけでは在りません。
80年代ねぇ・・・?私一寸ちょっといい?年だったからね、テレながらワム好きなんて白状したり、デュランデュラン、デヴィッド・ボウイ聞いたりしてたんだよねぇ・・・
ま、それはうっちゃっておいても、楽しめました!
始めて「PoP」で見て聞いて・・・って人だって絶対笑ったでしょう?あのヒューさんを見て笑わない人って・・・いないでしょ。
アレックスねぇ・・・アレックス。あの人物を映画でするとしたらヒューさんしか思いつかない・・・?ヒューさんが先に居てってこと?と思ったくらい。
80年代、時代遅れって・・・アレックスは私にとって全然違和感無いのに・・・一寸振り返れば直ぐそこにあるのに・・・彼の服装髪型今でも私の中ではそのまま通用するのに・・・誰も見ていなかったら・・・あのフリで踊るのに・・・でもやっぱり過去かぁ。
ヒュー・グラントさんて長いこと私の中では微妙。の、割には結構見ていたりして?
「モーリス」を見た後の「ラブ」もの続きだったからかな?コメディー化が好感度上昇の鍵かも。
「ブリジット・ジョーンズ」で違和感無くなってやっと好きな俳優さんの一人になったって感じかな。
年を取って顔が(もともと?)しわくちゃになってからの方がもてる男を実感させてくれるようになった。絶対憎めない駄目な男を演じたら最高だって思う。それにどこか甘いんだ。そう、絶対憎めないカワイさ。器用なのかなぁ?努力を見せないカッコ良さ?
だけど余りにも彼にぴったり過ぎる映画が続いているよ・・・って気もするなぁ。でも、別にいいじゃない、こんなにも楽しませてくれるんだから、映画ってホント楽しいなぁ・・・って思わせてくれるのだから。それにそもそもぴったりと思うってところでやっぱり俳優さんとして凄いのかもしれないなぁ・・・壷に填まるっていうの?すかさずちゃんと期待にたがわず壷にはめてくれるみたいな?
イギリス人らしい、らしさが生きている。ユーモアも諧謔も会話の妙になってとぼけた味わいが増幅する。そしてキュートになる。
彼の顔と表情が生きる。表情といえばドリューさんの笑顔もホントいいわねぇ・・・だから全部ほっかりと優しくなる。懐かしくて、昔も楽しかったって、ウン今も悪くないなって・・・全て笑って肯定できる。
今ERで見ているクリスティン・ジョンストンさんがあの通りの迫力(追っかけオバサンの迫力満点)で頼もしくも可愛いお姉ちゃんを演じていたし、マネジャーさんもいい人?で公園のイベントの一寸切ないおかし味のいいアクセント。とにかくヒューさんを100パーセント楽しませてもらったなぁ・・・彼の声、歌の優しい柔らかさ+ハードな腰振りダンス!
あとコーラ役のヘイリー・ベネットさん。私結構目を話せなかったのですが・・・新人?歌手ですか?そのまま本人のような?魅力ありましたね。今度どんなところでお目にかかれるのでしょうか?
ところでPoPのもう一人のボーカル、あれ誰?ねぇ誰?
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クィーン

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監督  スティーヴン・フリアース
出演  ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェームズ・クロムウェル、シルヴィア・シムズ、アレックス・ジェニングス、ヘレン・マックロリー、ロジャー・アラム、ティム・マクマラン

期待して見に行きましたが、期待以上でした。
と、書くともう付け加えることはないみたいですが、友人は開口一番「そっくりショーみたいだったね。」といいましたが、それは役者さんたちが非常に上手だったからです。
ヘレン・ミレンさんは確かにそっくりに演じていましたが、確かにエリザベス女王を雰囲気動作容貌全てなぞっていましたが、内容はフィクション事実そのままではない事をもちゃんと見事に演じていました。
あれ?変な言い方ね。つまり、女王のバルモラル城でのダイアナの死の報からの1週間を演じたのですが、特に後半の鹿との遭遇のエピソードなどは非常に象徴的に女王の人格を語るキーワードのエピソードですが、それを完全な実際の事実と感じさせるリアリティを持って演じきったというところでそっくりさんを超越できたかなと思ったのです。
違った容貌、そっくりさんメークでなく彼女の地の顔で演じたとしても、女王になったでしょう・・・と、思わされました。(彼女の「カレンダー・ガールズ」は忘れられません)
おかしなことに実際にはそんなには似ていないフィリップ殿下を演じたクロムウェルさんやチャールズ皇太子を演じたジェニングスさんの方がむしろ雰囲気的にそっくりサンに思えたくらいです。
トニー・ブレアさんもとうとう政権交代・・・本当にあれから10年もたったのだという感慨がありました。(マイケル・シーンさんはそれにしても一寸カワイ過ぎでしょう?トミーって感じ?)
遠い異国の出来事だったのに、昨日のように覚えています。
ダイアナさんの愛らしさも美しさも。
トニー・ブレア首相の若さに驚いたことも。
ダイアナさんの悲劇の時に「全ての根源はチャールズ皇太子にある。彼を王位につけるな!」なんて憤慨したことも。(だから演じたジェニングスさんには悪いのですが、この人卑怯者を演じさせたらあいそう・・・って、チャールズを演じるにはぴったりよって思っちゃいました。)
この映画は殆どを普通知りえない女王の私的な日常生活の場面で描いているので、絶対知りえないだろう事を実に淡々と時の経過を積み上げて、見てきたかのような「絶対の事実」にまで昇華させてしまったという気がしましたが、それにはあの北の城とそこを取り巻く王室所有地の圧倒的な自然の厳しさと美しさも預かっているかもしれません。
内情ものの覗き見風の映画になりそうな際物題材だと思ったのに(実際にそんな面白さもちゃんとありましたが、ダイアナさんの映像が却って際物に落ちるのを食い止めていたような)非常に風格を感じさせる映画になっていてエリを正して女王陛下にブレア夫人のへたくそなよろよろ挨拶ではなくきちんと膝を追って敬意を込めて貴婦人風の会釈をしたいものだと思わされました。
特異な立場の女性の特異な1週間の心理を見事に映像に定着したと、素晴らしく緊密な映画だと思いましたが、わたしの中の野次馬根性も大きな顔を出してしまいました。無理ないでしょ?
と、いうわけで?日本の皇室と様々な点を比べてしまいましたね。(内容は遠慮します)
日本では、はなっからこんな内実ものが出来るかどうかということはさておいても・・・王(皇)室の女性たちはいずれにしてもなぜかお気の毒な・・・と。
それに対してフィリップ殿下にしてもチャールズにしても彼女たちに比べると妙にお気楽?に見えましたが。エリザベス女王とダイアナ妃への時代、美智子皇后から雅子妃への時代、この間には大きな時代の溝が厳然とあるのだなぁ・・・そしてそれを取り巻く人々の王室への意識にも・・・という事実の重さでしょうか。
ところどころに思わず笑ってしまうような王室と平民のギャップを揶揄するくすぐりもあって社会風刺映画としての面白さもありました。
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ハンニバル・ライジング

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監督  ピーター・ウィーバー
出演  ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンス、ケヴィン・マクキッド、スティーヴン・ウォータース、リチャード・ブレイク、ドミニク・ウェスト、チャールズ・マックイヴノン

最近ハムレットになることなどまず無い。真剣に考えなければならない状況が全くと言っていいほど無いのだ。子供は育ったし、老後には未だ遠し?だし・・・だからってこんなことでこんなに真剣に悩むなんて我ながらアホヤネン・ヒマヤモン・・・とは言え、ハンニバル・レクター=アンソニーのことと思えば真剣にならざるをえない・・・でしょう?
ギャスパー・ウリエルは「かげろう」「ロング・エンゲージメント」に続いて三作目だが、確か「美貌の新星」と謳われていたんではないかな?だけどそれはごく?フランス的な意味でだと私は前二作で了解した。
あまりと言えばあまりにアンソニーとはタイプの違うお顔。そんなわけでこの作品に異論があったとしても「あのハンニバル」とは別のどこぞかのハンニバルの映画だと思い切れるではないか!・・・とまぁこんないいわけだが、実際はハンニバルの前半生・幼少時の設定への興味に引きずられてもいたのだ。
作家がどのような人物を作り上げたかったのかということを知るには本を読む方が手っ取り早いだろう。
ただ、私は映画「羊たちの沈黙」で金縛りになっているので、ある意味あの映画の中の「ハンニバル」の魅力の強大さにクラリスになって?しまっているので、今のところ本を読むつもりは無いが。
だから私の中ではクラリス(ジョディでもジュリアンでも)の登場する2作が真正「ハンニバル」、グレアムの登場する話は「外伝」という位置づけになっている。だからこの作品も当然「外伝」か「亜流」に入れるという方法も?
監督だって皆違うんだからさ!・・・と、まだハムレット?えーい、尼寺よりは映画館へ行け!

第二次世界大戦中のリトアニア、ナチとロシアのせめぎあいの地が舞台となればどんなトラウマでも用意できるという点で「あのハンニバル」の生い立ちを作ると言うのは「ハンニバル」を生み出してしまった作者にとっても物凄く大それたことだったのではないかな?という感じだった。リトアニアのレクター家をトランシルバニアのドラキュラ家と区別して?リアリティを貼り付けるにはやっぱり戦時下の異常性がベストだったのだろうか。新聞をひっくり返せばもっと恐ろしくも異常な恐怖のトラウマを叩きだせるだろう時代に?
その割には、あの生い立ちに医大生時代を足しただけでは、イタリア時代のレクター博士のあの教養・文化度?洗練性・優雅さ?に追いつくにはその後の深い学問と洞察とセンスが必要でしょう?それには?なんてついこの後のレクターのことにまで思いふけってしまった私ですが。
「フランスの理解する!ジャポニズム?」をいかに振りかけようと「あのハンニバル」を醸し出せはしないぞぉ・・・それともこんな「異質な異国」がいびつな精神形成に関与したとでも?それはちょっとぉないでしょ?この時点で私の集中力は落ちたかもしれない。
「あのハンニバル」は「あのハンニバル」として生まれるしかなかったので、どんな幼児期も彼を形成することは不能なのではないか?そんなわけで?
「それにしても最近は外国の日本の理解度が増して映画の中でおっそろしくおかしな日本を見なくてもすむようになって来たなぁ・・・と思っていたところだったのに!」とか。
「コン・リーさんも日本人役(SAYURIは見ていないけれど)が来ることに慣れてる?かも知れないけれどせめて日本人女優使って欲しかったなぁ。」とか。
「鎧兜に祈っても、能面ブラブラでもいいけど?レディ・ムラサキの終始妙に思い入れが多すぎるような悩殺風?流し目視線は日本女性の一人として厭だなぁ、一応叔母さんだよ。」とか。
「あの首謀者の男の顔が・・・誰だ、誰だ、何で見たんだっけ?」とか。(「シッピングニュース」から「ノッチングヒルの恋人」にまでたどり着くのに苦労しちゃった。)枝葉末節に引っかかりまくってしまった。
ただ「あのハンニバル」だと思わなければ、ギャスパー・ウリエルって言う俳優さんはサイコ・スリラーにはもってこいの風貌で異常な幼児体験のトラウマが作り出した犯罪者の横顔を見事に見せたと思った。「復讐」というタガの外れてしまった異常犯罪者を。
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輝ける女たち

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監督  ティエリー・クリフア
出演  ジェラール・ランヴァン、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、ミュウ=ミュウ、ジェラルディン・ペラス、ミヒャエル・コーエン、クロード・ブラッスール

フランスは大変な5月の入りだったようですが、選挙が終っても騒然!のようですが・・・映画の世界は優雅です。というよりやっぱり独特?
「ヘンダーソン夫人の贈り物」を久しぶりに見に行った友人と「『文化村のル・シネマ』厭なんだけれどねぇ・・・」と言いながらです。興味を引く映画をやるし、単館上映のものが多いので仕方ないって感じですが・・・この映画館小意地が悪い!って印象なんです。
レディスデーが無いっていうのも減点なのですが、以前に安売りチケットで行ったら、早く並んだにも関わらず最後の整理券を寄越されましたからね。
「8人の女たち」を一緒に見に行った友人ですから期待は共通、カトリーヌ・ドヌーヴとエマニュエル・ベアールのお二人です。
ドヌーヴさんはフランスでは珍しい?ほど正統派の美人ですが、私が本当に美しいと思ったのは若い時より「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で久しぶりにお目にかかったときでした。女工さんなのに中からにじみ出るような美しさが光っていました。
反対にエマニュエル・ベアールさんは個性的過ぎる?女優さんでフランスではこちらの方が正統派?って思えます。ブリジット・バルドーさんとかファニー・アルダンさんとかオドレイ・トトウさんの路線?フランスは個性的だって言うことの方が大事なのかな?
「美しき諍い女」で始めてベアールさんを見たときの驚きは忘れられません。延々と「なんと潔い!」って感じだったでしょうか。
端的に言えばフランス映画は大好きとはいきません。ただ時々ドキッとするような魅力的な映画に出会うことがあります。だから行ったのですが私には微妙でした。人って確かにこうだわって思うところもあるのですが、登場人物の一人一人に「ウン」とか「へー」とかいうより「えー」という気持ちの方が勝っていた感じでしょうか。クラブも芸人も縁のない私ですから?もつれた蜘蛛の巣みたいな人間関係にも。
本当はニッキーが中心人物なんでしょうが確かにこの映画で輝いていたのは女たちで、ドヌーヴさんもベアールさんもちゃんと自分から目を外されないという自信を持って演じていた感じがしましたが、ミュウ=ミュウさんやベラスさんも決してひけを取らない存在感がありました。毛色の違う女性陣が皆そのまま自分の毛色で勝負して自由に生きているんだって気分でしょうか。但し苦味もちゃんと受け入れてきたわよ!っていう堂々さでしょうか。
彼女たちの歌う歌もまたいいのです。味があるっていうか媚薬がかかっているというか・・・特にベアールさんには悩殺されます。「8人の女たち」の彼女の歌もそうでしたっけ。いつもながら「どうやったらこんな色気をかもし出せるの?」って質問攻めにしながら?見聞きしていました!
ミュウ=ミュウさんのその辺にいそうなでも美しい女性の柔らかな表情とぺラスさんの歌も良かったですね。
なんか映画を見に行ったというよりは映画の中の彼女たちの魅力を見に行ったという後味でした。
だから題が「輝ける女たち」なんだ!ナットク?
「家族ったって色々あらあな、さいころを振るときの掌が家族の源みたいなもんで、振り出された目がどんなだって振り出す手が大本の大元なんだってことかい?その掌に帰ろうとか、そこからやり直そうとか、そこでほっとしようとかって「そこを」思えば・・・」って、付けたりで思えば思えたっけが・・・振り出した掌はガブリエルの手だったの?みたいな。
それにしても「青いオウム」のレヴューは魅力的だったです!
踊り子たちの肢体のなんと美しいことでしょう!しみじみ見とれましたねぇ!フランス映画ってばぁ!
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こわれゆく世界の中で

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監督  アンソニー・ミンゲラ
出演  ジュード・ロウ、ロビン・ライト・ペン、ジュリエット・ビノシュ、ヴェラ・ファーミガ、マーティン・フリーマン、レイ・ウィンストン、ボビー・ロジャース、ラフィー・ガヴロン

さてジュード・ロウさん続きです。
久しぶりにハンサムな彼を見た後です。美男と美女ふたり(ビノシュさんは美女かな?チャーミング!だけど)との恋の闇路、三叉路かな?なんて大人気分で出かけましたが・・・どこにも美男も美女もいませんでした。
だからイギリスの物語にボスニアが被さったという設定にも関わらず妙な身近さがありましたね。(キングス・クロスの再開発もうちょっと映像で見たかった!)
3人とも私より若いのに!生活に疲れていましたねぇ・・・
「赤毛のアン」を書いたモンゴメリーに沢山の短編があるのを知っていますか?あの美しい島にこんなにもたくさんの?と思えるくらい孤児の話が多いのです。私の子供の頃の日本と比べて離婚も若死にも多かったのでしょうか、虐待や孤独の中で足掻く子供の姿が多く描かれていましたが、最近ニュースで見る日本の子どもたちの現状もなんだかモンゴメリーの世界で知った社会のような気がしてやるせないことが多いのです。景色も人心も素朴なあの島の方がまだずーっと息がつけると思えるくらいの悲しさです。
この映画に出てくる二人の子供も現代の病める世界を凝縮したような設定です。二人の母はそんな子供を抱えて必死です。
悲しい子供と母のニュースを読む度にひょっとしたらどこかでのうのうと?違う生活をしているかもしれないその子の父親の名前も「母の名の横に掲載しろ!」と思っちゃいます。ま、たまに反対のこともありますが。
さて、映画!それを承知で愛したはずの男の覚悟の無さ!ジュードさんがハンサムに演じられないわけです?疲れきって逃げ場の無い母に「僕を見て!僕を構って!ボクだけをアイシテ!」って駄々をこねている大きなだけにより困った子供です。
それでも未だこの男は努力しようとしているのだって思えるところが女としては困ったものです?こういう男が本当の大人になれれば?子供も息が出来るような家庭が出来るのかもしれないな・・・なんて思っちゃいましたけれど。その点ではおまわりさんの大人度がいい感じでした。
全体のトーンから予想したより八方円く?収まってこれで良いのか?って感じはありましたけれど、子供が出てくる映画はやはりこういう風に納めてもらわないと・・・うん、救われない!から、いい!
モンゴメリーの孤児たちが終いにはいい家庭に辿りつける様に。
ミロがちゃんと建築家への道を歩いていけるといいけど!なんて応援気分になれて・・・でも厳しいだろうなぁ・・・本当のドラマはここからだよ。
それにしても女って悲しい?
だってあそこで結婚申し込まれて・・・ロビンさんがやっと美人になりましたもの。彼女は孤独よりも大きな子供を一人引き受ける大変さを選んだんでしょうかね・・・ぇ?
そして子供を取り返したビノシュさんもチャーミングな笑顔美人になりましたものねぇ・・・?でも英国に居場所は無いんですよ。
そういえば、ヴェラ・ファーミガさんの娼婦面白かったです。「ディパーテッド」の彼女よりずーっと生き生きしていて。最も挿話としては必要だったのか疑問ですけれど、キングス・クロスの生活臭?
それにしてもこの映画「題」が悪いです。
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ホリディ

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監督  ナンシー・マイヤーズ
出演  キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ジャック・ブラック、イーライ・ウォラック、エドワード・バーンズ、ルーファス・シーウェル

うわぁ、危ないところだった!
予告編見ただけで、この映画はジュードが出ているけれど・・・勿体無いけれど・・・やっぱりここは「降り」だろ?って思ったのです。
でも上映期間も長くなると・・・終りが近づいてくると・・・やっぱりジュードが出ているもん!となったのですが。
で、良かった良かった!とスキップ気分で帰ってきたのです。
ホント見落としていたら・・・と、思うとぞっとします。
大体予告編を作っている会社の社長が主人公という設定なのに、この予告は無いでしょ。あれじゃ、若い娘のばったりどっぷりありえないだろお伽の恋話で、オバサンには阿呆臭!・・・キャメロンだってケイトだってもうジュリエットみたいにひと目ぼれって娘っ子じゃないじゃん!だったのですが。
これだけ見事に作られていれば・・・私だってどっぷり填まって嬉しくなって人生もう一度何かが・・・???なんてウキウキ帰る羽目になるというものです。
しっかり夢見目?で幸福感いっぱいで帰ってきましたよ。ラブストーリーのハッピーエンド、いいねぇ。
キャメロンさんはあのまま地でしょ?ってキャラクターを目いっぱいに、その相手のジュードさんがまた珍しいほど正面切ってハンサムをハンサムに演じていて・・・イヤダ、恥ずかしい!ってくらいキャピキャピの恋がいい捻りで・・・「こうきましたかっ!」と満足感いっぱい!お二人の魅力全開で見せてくれたっていう満足感、キュートだわん!って?
それにもう一つの恋物語がまたこれがいいの。
早い話キャメロン+ジュードの話は短編で終るかもしれないけれど?ケイトとジャックの話はうまくするとヒューマン?ラブストーリーに持っていけるぞ!って程良かったなぁ。
キャメロンの大邸宅付社長はアメリカじゃないとありえない設定かな?日本にももういるのかなあんな金持ちの独身貴族?ちょっと引いてしまう設定だからかな、相手がハンサムジュードだったからかな?もう一つ遠くからにっこり憧れ見ていたって感じだったけれど、ケイトの恋の方は人柄がもう一段深く身近に思えて、その分最初の破綻している恋の部分の駄目感が身近すぎて?感情移入が過ぎちゃったかもしれない。ケイトさんは特別特上の美人って訳でもないのと相手がジャックさんだったことも効いているかも。
いい感じの二人だわ!って素直に受け入れて、文句も厭味もこれっぽっちも出てこない。うわぁチャーミング!って。
だからこの映画はまだ青春の記憶が尻尾のように残っている私?に夢見心地ラブと目いっぱい応援できる恋との二つを十分に堪能させてくれたってわけです!
さて、で、超遠距離恋愛ですよねぇ?この先見たいような?見たくないような!
それにしてもジュード・ロウさんて、ハンサムなのかそうじゃないのかはっきりしてって言いたい時がありますよ。その点私にとってはジョニー・デップと似たイメージがあるんです。二人とも役柄の顔になっちゃえる人なので?その意味じゃオダギリジョーさんもそうだな・・・と、この頃思っているのですけど。

私エドワード・バーンズさんの顔好きなんです。「プライベート・ライアン」でちょっと惚れたって感じなのですが、「彼女は最高」しか他に見ていないです。作品が少ないのか?やっと「出た!」と思ったらのっけからあれでしょ?なんかなぁ・・・と、そこにちょっと拘っていますが、映画は見落とさないでよかった!予告会社さん、各年代にアッピールする工夫してくださいな。あらっ、はなっから?想定外観客だった?
でも、私たちにこそ必要な映画ですよ!潤いうるおい!!
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ブラッド・ダイヤモンド

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監督  エドワード・ズウィック
出演  レオナルド・デカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー、マイケル・シーン、アーノルド・ヴォスルー

ため息をついて帰ってきました。
なんか一つの時代が終ってしまったなぁ・・・って言う感がありました。まぁ、ここの所成長していると目を見張っていたレオナルド君ですが、「ディパーテッド」を見て覚悟はしていましたが・・・「あ~ぁ、もう子供じゃなくなってしまったんだなぁ・・・」
「ギルバート・グレイブス」のあの子が!「フルハウス」のあの子が・・・!もう子供の面影は一片も、欠片も、無くなってしまいました。ハワード・ヒューズには未だ甘さの欠片があったけどなぁ・・・チョット郷愁?です。自分の息子たちが巣立っていった時みたいに?(いやそれほどではありません、念の為)妙な寂しさがありました。気が付いたら彼の成長を映画館の銀幕の中で見守ってきた叔母さんみたいです?
そうそうもう一つ心しようと・・・無駄に思ってきました。
紛争ダイヤモンドというものがあるんだ・・・買うことがあったら要注意だぞ!・・・です。でもこれはちょっと虚しいかも。
宝飾店で「なんでこんなに色々な色の金があるの?」なんて聞いたことのある私です。宝石貴金属店には永遠に縁がなさそう!
「じゃぁ今度の誕生日、ダイヤの指輪と温泉どっちがいい?」と聞かれても「温泉!」と答えてしまうに決まってますけれど・・・ハハハ、一生入っていられる?あのピンクの大ダイヤモンド入手「たら・れば」で?
ジャイモン・フンスーさん。この人「アミスタッド」で始めて見ましたが、あのときの驚きは今も薄れていません。アフリカにこんな偉丈夫が!なんと見事!なんと言う尊厳!感動すら覚えたのです。
アフリカの黒人たちも色々な人種があってそれぞれの個性があるのでしょうが、彼の伸び伸び発達した優れた容姿はまさしく神が与えた最大の賜物だと思いましたし、演じている役柄からだけではない英知を感じさせました。この映画の彼はまたしても見事!でした。
素朴な大地の育んだ誠実な基本の人間、変な言い方ですが美しい大地があったら美しい人が育つだろう・・・という感じです。
でも実際はアフリカは列強の侵略以来様々な病気と貧困(搾取)と政治的分断に喘いでいるのですね。それをここのところアフリカを描いた映画で見ています。「ホテル・ルワンダ」の大虐殺は真実ですし、このシオラレオネの現状も事実でしょう。「ER」でちょっと描かれたアフリカも難民と虐殺と銃弾の響きに溢れていました。曽野綾子さんの「哀歌」もそうでした。
イラクでもアフガンでもアフリカでも少年兵のニュースは耳にしていますし。ツチとフツの同じアフリカ人同士の躊躇いの無い虐殺も、この虐殺も、人間のすることとは思えないのに事実です。
映画は事実を誇張しているのか、それとも現実ははるかにこの映像を凌ぐのか?答えを祈りたい気持ちです。
そしてそこには成功した?武器商人だけでなく資源搾取の甘い汁・利益から取り落とされたプア・ホワイト、一発逆転を狙って手先にしかなれなかった白人たちもいっぱい蠢いているのですね。
ルパンの傭兵はロマンでしたがこの大量殺戮銃器を抱えた傭兵崩れの人生の哀れさも含めて悲しいアフリカの現状を見てしまいました。
さても資源を持って遅れてきた国は本当に哀れな・・・日本は資源が無くて良かった!とは思いましたが、そういう日本は人的資源(勤勉とか器用とか工夫上手とか)は豊富だったのに最近はそれも心もとなくなってきたような・・・お魚を食べないからですよ?
でもやはり一番怖かったのは洗脳されて現実に何万も居るという自分を失って兵士になっていく子供の姿です。
映画では3人の出会いが一つの事実を告発することに繋がりましたが、コネリーさんの演じたジャーナリストは現実を認識しすぎているのでしょうね。ジャーナリストの無力さも。ダニーが死んでゆくのを悟った時の静かな涙は諦念の涙のようにも思えましたから。彼女が世界の良識の力なさを体現しているように見えました。丁度ルワンダから撤退していった報道陣や国連軍みたいに。
イムホテップ?(ハンナプトラの)が掴んだアフリカの土と最後にアーチャーが掬う土の象徴するものがこの映画の骨でしょうか?
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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

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監督  松岡錠司
出演  オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、小林薫、松たか子、勝地涼、平山広行、原知佐子、結城美栄子、荒川良々、柄本明

東京タワー」で本、TV二時間ドラマ、TVドラマ、映画、舞台と5つ美味しい?という凄さです。
物凄い人気が良く分かります。ここまで来ると社会現象?
私は二時間ドラマは見損なったし、劇は見に行く気はありませんので、本と映画とTVドラマの3点観測?
TVドラマと映画を比べる?すると・・・音楽を聴き比べる楽しみも付いてきましたね。

ここまでマザコンもの?が日の目を浴びて、おおっぴらに?大手を振って扱われるなんて時代も変わったのだと・・・私にはその驚きが大きいです。しかも実際の世の中はそんな風に懐が深くなったという気はしないのですが・・・というか全ての親と子がお互いに親離れ子離れしない世の中に全体としては動いているような感触?はあるんですけれどねぇ・・・
まぁ、この素直さは気持ちよいです。
というわけで友人もTVドラマと比べてみたいというので異議なし!雨の銀座まで出かけてきました。それにしても桜も終ったというのに、この冬の暖かさはどこへ行ったのでしょうというまさに冬でした!
でも映画は心温まる訛りの散見する気心安さに溢れていて居心地の良い時間でした。私は「そんなに「泣かせるぞ!」という作りはしていないな・・・」とそのほどの良さを買いながら見ていましたが、なんと!お隣に座ったおばさんがオカンが東京に引き取られて柄本さん扮する医者が出てきた頃から凄い勢いで泣き始めました。
「ぐすん、ズズズズゥ・・・しぇくぅ」
それに気を取られて私の素直な感想がしぼんでいきました。
「え?ええっ?そんなぁ、そうなの?」っていう感じです。
きっと自分の中に自分の母息子の物語をお持ちだったのでしょう。
この映画は抑えている分見る人それぞれに自分とオカンの物語、自分のボクとの物語を紡がせてしまったのかも知れませんね。
ここまで、私は長くした分TVの方が泣かせ作りじゃない?と、思っていたのですけれど?TVドラマは細かく作りすぎた分見る人が自分に引き付ける余白を失っていたかもしれません。
でも倍賞さんのオカンと樹木さんのオカンと甲乙つけられない!オカンって色々あってボクも色々あってどんな組み合わせにも好悪はあっても甲乙はきっとありえないよねぇ・・・って思って見ていたのです。
だって原作の持っている素直さが群を抜いていて心に迫るものを持っているのですから、脚本が思いっきり意訳しようとしない限り心打つ作品に仕上がるでしょう?って言う気がしていましたもの。
そうはいっても映画に出てくる俳優さんたちの演技の見事さはなんとも充実して見ごたえがありました。邦画が充実しているわけだ!と俳優さんを見ながら思いました。
オダギリジョーさんは役に溶け込む術、それは才能なのでしょうか、自然な普遍的な僕がいましたし、語りが本の味を加えて静けさがありました。小林さんは若い時も年取ってからも年月を体の中でろ過してしまったようで不思議な人ですねぇ・・・「紙屋悦子の青春」で30代のお兄さんが自然に見えたのに喫驚したのですが・・・勝地涼君、面白い味があって、楽しみですし・・・樹木さんはあの抗癌剤投与の苦痛を表現する時の凄さ!あの足!本当に治療を受けていました!可哀想で治療止めさせて・・・と叫んでいました。本の中のオカンがそこで苦痛に喘いでいました。
私の母より若い世代の母なのに不思議に私の母のような何かが有りました。母を手放しで懐かしんでいます。

ちょこっと思っちゃいましたけれど、才能ってなんでしょうね。大学時代ちゃんと勉強して優を積み重ねて・・・何にも花開かないことって・・・ありがちでしょ・・・どこで何をすれば・・・何時何をつかめれば・・・努力って何かし遂げた人が見せないのはかっこいいですけれど・・・努力ってなくちゃならないのに・・・しているのでしょうけれど、それを越えた何かってどうやったら得られるのでしょうね?
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ハッピーフィート

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監督    ジョージ・ミラー
出演(声) イライジャ・ウッド、ロビン・ウィリアムス、ブリタニー・マーフィー、ヒュー・ジャックマン、ニコール・キッドマン、ヒューゴ・ウィービング、アンソニー・ラパリア

物凄く楽しくて、物凄く美しくて、「最高にハッピーか?」と聞かれれば「もう、最高にハッピー!」って答えられます。
予告編見たときからこの実写とアニメの境目が分からない南極に心が引き付けられちゃっていましたから(ホントどこからどこがどうなんです?)、直ぐ見に行くつもりだったのが諸般の事情で遅くなりました。
その代わり最高に贅沢な?「レイト・ショー」で見てきました。
何故でしょうね映画は何時に見てもいいものだと思いますが、夜に映画館へ行けると「あぁ、贅沢な楽しみだった!」と、より一層満足するのです。
予告編で「見たい!」となって出かけて「なんだ、いいところ全部予告編で使い切っちゃったんだ!」と、がっかりする映画がたまにありますが、これはありがたいことに大丈夫でした。
「ナイト・ミュージアム」とか「ハッピー・フィート」みたいな映画の場合そういう心配がないとは言えませんからね。
青と白が最高に贅沢なゴージャスな映画でした。
景色の美しさが最高ならペンギンのタップダンスも最高!
子供の頃に最初に知ったダンスがタップダンスですからね・・・フレッド・アステアの映画でです。ジーン・ケリーとかあの頃タップダンスの名人すなわちスターでした。
「タップならできるかも?」と、子供の頃考えたのは・・・そして憧れたのは・・・思えたのは・・・フレッド・アステアのだぶだぶの短めのズボンの御蔭でした?フラメンコとかバレーとか社交ダンスの類はスタイルが実力以上に物をいいそうだったでしょう?
でもズボンの御蔭で「あの短い?足でも!タップは踊れるのだ!」と思ったのです。そう思えたあの頃さっさと習っておけばよかったのにねぇ。
でも、このペンギンの大タップダンス風景の見事さに、又そう思っちゃいました。タップは楽しいわ!映画館の私の列に他に誰もいないのを幸いこっそりステップ踏みながら一人盛り上がりしました。
イヤー楽しかった!手(足)放しで!楽しかった。
あの太い寸胴のペンギンがあんなに体全体で楽しげに表現できるタップって?やっぱり出来そう?ってまた???
音楽の使い方も最初意表を衝かれて、嬉しくなって、乗れちゃった!タ・タノシイ!
だけど魚(食糧)不足と海の汚染は・・・どうにかしてあげたいけれど・・・見物人を呼び寄せちゃったらますます空気も海も南極大陸も汚れるだけなのに・・・困ったねぇ・・・と一寸頭を掠めました。
それでも映画の映像に関しては「見事」しか言葉が浮かばないのね?ええ、そう!「最高!」とね。本当に素敵だった!
声の出演もゴージャスだったでしょう?際立った声の持ち主が多かったので顔が被さりました。イライジャだ!ニコールだ!ロビンだ!ロビンの声大活躍!って感じでしたがあれ?これも?これもだ!と混乱しました。ロビンのあのとさかの立ったペンギンは何ていうん種類のペンギンなんでしょう?整髪料の広告のあのやんちゃなペンギンです。ニコールもブリタニーもいい声だぁ!
アンソニー・ラパリアの声が分からなかったなぁ・・・と、映画館を出て、途端に気が付きました。分かるわけないじゃん!あおい輝彦の吹き替えの声しか知らなかったんだから!
「FBI失踪者を追え」のアンソニー・ラパリアですよ、ね?
あ、それでマンブルの子供の頃の声、誰です?イライジャじゃないでしょう?あのハスキーチャーミングヴォイス誰でしょう?一寸魅惑されているのですけれど。
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ブラックブック

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監督  ポール・バーホーベン
出演  カリス・ファン・ハウデン、トム・ホフマン、セヴァスチャン・コッホ、デレク・デ・リント、ハリナ・ライン、ワルデマー・コブス、ミヒル・ホイスマン、ドルフ・デ・フリース、ロナルド・アームブラスト

スピルバークの「シンドラーのリスト」、ポランスキーの「戦場のピアニスト」に続くバーホーベンの「ブラックブック」っていうコピーの下の写真は美しい女性と二人の男性。その一人ナチの軍服のふっくらと上品なハンサムな男性は見たことあるぞ?
・・・ん、「飛ぶ教室」の・・・ケストナーの名前を思い出せば、磁石に吸い付く鉄くずみたいなもので・・・
もっともこのセバスチャンさんを見た、新しい「飛ぶ教室」は原作に忠実というわけではなかったので、帰ってきて直ぐ本を読んで元の感動を取り戻したんでしたっけ。
最初に主人公を演じたカリスさんを見た時、とっさに思ったのは「美人じゃない!オランダ人なのに?」と失礼千万!
オランダって行ったことがありませんし、オランダ人って余り知りませんし・・・でも日本人が外人に抱いていた「赤鬼」の印象はオランダ商館のオランダ人から来ているのでしょう?オランダ人て赤ら顔の大男か大女のイメージが私の中に有ったんですね。最初に見たオランダ人はへーシングさんでした、多分、だからね!

それはそれとして、冒頭に上げた二つの映画とはただ第二次世界大戦下のユダヤ人の物語という共通点だけで、それなら他にも映画はあるのに、又なんでこの大作を列挙したのでしょうね?
もっとも私はそれに釣られたのですけれど・・・釣られて良かった!
これはあの困難な時代を背景にした波乱万丈の恋愛物語でした。
ロマンチックな気分が凄く刺激されましたが、憧れの?レジスタンスは地に落ちました。
物語で言えばレジスタンスものってスリルの極みでも有るし正義の極みでもありますが・・・普通は。でも実際に人間が複雑な状況下でありとあらゆる権謀術策を弄して地下で行うものである以上、裏切りもまた術策の一つなんだ・・・と。人間の濃密な縮図世界なんだ・・・と、映画の中で納得しちゃいました。
その意味でこの映画は戦下の「ロミオとジュリエット」に終らず濃密なものになりました。
戦時下のユダヤ人といえば・・・あの当時ポーランド・ドイツ・オランダ・ロシア・・・あの辺りにいた全てのユダヤ人に困難・波乱・悲惨極まりない生死を賭けた物語があったと思います。よく知っているアンネ・フランクのように。
そのユダヤ人とナチの将校との愛は究極の?「ロミオとジュリエット」です。それにオランダレジスタンスの腐敗部分を重ねた構造、そしてイスラエルのキブツで暮らすユダヤ人に戻ったラヘルを見せることで・・・(イスラエルってまだまだ混沌の真っ只中ですから)ラヘルの人生はまだまだ波乱の予感・・・を印象付けて・・・ユダヤ人の普遍の一つの姿を描きだして、前半は重厚な愛の物語になったと思いました。
そして後半ムンツェが捕まってからの畳み込み方はナチの終息と響きあってスリリングでドラマチックでした。オランダの熱狂!時代の雰囲気が見事に現れていました。
ただセバスチャン・コッホとトム・ハフマンの配役が俳優さんの魅力のせいで?途中直ぐ裏切り物は誰だか分かってしまったのが残念!「絶対こいつだよ、上手に生き残って行くじゃないの・・・」と顔を見るたびに怒っておりましたよ。
それにあの能天気な?時代の子?ハリナ・ラインさんが演じたロニー?何であんな危険を犯す気になったのかその必然が今一分からなかったのが気になっていますが。
こういう言い方もどうかと思うけれども、見ごたえのある映画で楽しめました。なんと、「ロマンチックな夜だったわ。」と思って帰ってきましたもの。
ミヒル・ホイスマンって言う人かなぁ?最初にラヘルを助けてくれた青年、又何かで見ることが出来るかなぁ・・・?
音楽も印象に残っています。エリスの歌はディートリッヒを思い出させましたね。リリー・マルレーンとか。
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