クヒオ大佐

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監督  吉田大八
出演  堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、新井浩文、児島一哉、安藤サクラ、内野聖陽

堺さんの映画なら今全部見る勢いでいますから・・・見に行きました。稀代の詐欺師、実在の詐欺師、1億円も巻き上げた詐欺師・・・それに三人の美女?に取り巻かれた華麗なポスター・・・真ん中の見事な鼻の堺さん!ワクワク行きました。
でも、思っていた・・・というか思わされた映画とは違っていました。
実際に「あのクヒオ大佐に1億円もの詐欺が出来たわけが無い!」と思ってしまいましたもの。
余りに不器用で、余りに見え透いていて、余りに・・・可哀相になってしまいました。
映画では実に笑ったのですが・・・それが皆妙に物悲しさに変わってきて・・・アアア・・・弁当屋さんのオカミサンでいて、夢を見たかったら・・・あんな男と見るしかなかったのかなぁ・・・って。松雪さんの演技が堺さんのそれに対してリアルに深刻でその温度差に出来た穴ぼこに足をとられる可能性ってあるのかも?と、思ってしまいました。松雪さんの出る場面ではほんと笑えませんでしたね。それだけでも結婚詐欺って卑劣ですよ。
でも、彼女の弟とクヒオ大佐の場面では・・・あの間・・・どうしたって二人のあの・・・表情・・・笑えるでしょう?笑わざるを得ないでしょう?笑って後で少し気がとがめる。
だって、春さんは丁度出来ていた隙にまんまと入り込まれちゃったおバカさん度が有るし、未知子さんに至っては余裕で遊んでいるから、笑いは安心したものになるけれど、それに対してお弁当屋のオカミサンは賭けちゃったんだもの彼女の人生。そしてあの見事な?弟は姉を食い物にする詐欺師の上前をはねるって筋書きだもの・・・ここが笑えないでけっつまずくところなの。
あぁぁどうしてこんな風に人はつまずくんだろうね?
この映画微妙に楽しいのだけれど、微妙に物悲しくて、微妙に出演者の演技がずれているような落ち着かなさがあって・・・それらのかもし出す変な落ち着きの無さが・・・味なのかなぁ。
だとするとクヒオ大佐と弟のコントだけで構成してくれたら思いっきり笑えたのに・・・みたいな?
 

あの日、欲望の大地で

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監督  ギジェルモ・アリアガ
出演  シャーリーズ・セロン、キム・ベイシンガー、ジェニファー・ローレンス、ホセ・マリア・ヤスピク、ヨアキム・デ・アルメイダ、ジョン・コーベット、J・D・バルド、ダニー・ビノ
全然タイプは違うながらも・・・私の好きな女優さん二人の映画ということで見に行った。不思議なことに?友人もこのお二人の美しさが好きだという。女性に好まれるタイプの美女なのかな?
それでも期待し、想像していたよりも素晴らしいとは思えなかった。 それで・・・映画なのだが・・・この二人の女性に共感か同情かを持もてれば、この映画をいい映画好きな映画と思えるだろう・・・とは思う。
ただし?それがかなり難しいのではないか?と、私は思ったのだが、友人は違った。特に彼女は妻の乳がんを受け入れられない夫に不快を感じるから母ジーナの行動を肯定するという立場で見たからだそうだ。そこなんだと私も思う。4人の子供を抱えているからといって女を諦めろと言うのは酷い。けれど現実に夫が家を空けることの多い仕事についていて、家庭を守って幼い子供まで抱えているとなったら・・・現実には女でいることは難しいのではないか・・・むしろそのために使うエネルギーのむなしさを私は思ってしまう。娘のシルヴィアの場合もだ。どんな動機にしろ子供を産んでしまった後で逃げ出してしまったら、その後どんな生き方ができるというのだろう。勿論シルヴィアが逃げ出したのは自分の罪と向き合うことからだったのだろうが。
多分、見るものの女度の問題なのかもなぁ。女を生きようとする人と、妻を生きようとする人と、母を生きようとする人の、精神と肉体のせめぎ合いの結果として彼女達二人はあの大地に立っていたってことだろう。自己の寄って立つところを女に求めるしかなかった母と、寄るべきところを女にすることに逃げた娘と。
燃えた母は自分を燃やしつくし、燃した娘は自分を燃やす場所を見失ったということか?
それにしても過去を向き合わないで過去にすることは出来ないと思えるのだが、向き合ってそれを秘めることが彼女の自分への裁きになるのかも・・・しかし見ていた私は彼女の母の真実を知っているけれど、シルヴィアはもう知るすべはないのだから・・・後のドラマは見る人の心の中にあるということか。シルヴィアが今後踏み出す足はどんな大地にだろうか?マリアはまさしく祖父・母の愛の結末ということになるわけで、人が男であることだけ、女であるだけを選択することの恐ろしさを感じるし、その過程を見せ付けるようにマリアーナのあの伸びやかに愛らしい顔が(美しいなりに)シルヴィアの顔にすさむまでの人生が怖い。女に生まれただけでドラマだわ。

幸せはシャンソニア劇場から

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監督  クリストフ・バラティエ
出演  ジェラール・ジュニョ、クロヴィス・コルニアック、カド・メラッド、ノラ・アルネゼデール、ピエール・リヒャール、ベルナール・ピエール・ドナデュー、マクサンス・ペラン、フランソワ・モレル

予告編の書割のような劇場と町並み、浅草のレヴューの裏方みたいな人々と音楽に引かれて見に行きました。
それはある意味当りでした!
それにしてもこんな劇場のある風景ってどこの国にも共通の哀歓があるのでしょうか?
夕日色に輝く浅草国際劇場を思い出してしまいました。(子供の頃家の裏に国際劇場に出ている腹話術師のおじさんが住んでいましたっけ)
タイトルからしてその劇場に幸せが来るんだと・・・楽しみに見に行きました。
でも思っていた以上に振り回され大団円になるまでの道の意外なくらい遠かったこと!こんなに疲れるとは!
もっと簡単な筋と人情で押し切っていくセンチメンタル満点の映画のような気がしていたのですが・・・一筋縄ではいかないのが人生でした。ごもっとも!
全編を通じて音楽はもう オゥ、フランスゥ!パァリィ!って感じでした。
特に「リトル・ジョジョ」アコーディオンと共に「ジョジョには未来があるっ!」って歌い踊るところ。
ドゥースが歌う歌全部!彼女を見たとき「プロデューサーズ」のユマ・サーマンを思い出しました。似てない?
そして復活が成り、ラジオ男が復活した後の劇場のレヴュー!
特にビゴワルや許された?物まね男やミルーまで「なんで俺が・・・」と歌い踊るところ。私の顔中が笑み崩れていました。
それにしてもよくこんなにジェットコースターに乗ったみたいに陰謀や裏切りや友情や同士愛や不倫や主筋の父子の離別や最後の事件、入獄まで・・・世のあらゆる浮き沈みをこれでもかと詰め込んでくれましたよ。でも・・・まぁ・・・終りよければ!
町のかもし出す懐かしさが東京の下町の懐かしさにそのまま通じて、かなり心に来ました。楽しくてほろっとしてこの感情もなんか懐かしい。
 

ココ・アヴァン・シャネル

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監督  アンヌ・フォンテーヌ
出演  オドレイ・トトゥ、ブノワ・ボールヴールド、アレッサンドロ・ニヴォラ、マリー・ジラン、エマニュエル・ドゥヴォス

シャネルは銀座にも店があってしょっちゅう前を通るけれど、買物したことは無いなぁ・・・でも、知っている。当たり前に知っているので、改めて創業者のココを思うと・・・思いがけなくも遠い人なので驚く。二つの大戦を生き抜いてブランドを維持したのだとすると、どんな生き方をしたにしろ頭は下がる。この100年を生き抜くだけでもたいしたものだと思うのに、男性の力を借りたにせよそうさせた彼女の力、乃至魅力には素晴らしいものがあったのだろう。
オドレイが演じたココからは残念ながらその魅力が今一伝わってこなかった。自分流を貫くところも上手になびくところもなんだか小巧く生き抜いたのね?という感じがしてしまう。
確かに最初に頼った金持ちにはだんだん彼女の魅力は浸透していった様子なのが映画から読み取れたし、その意味では早世?してしまったけれど生涯愛したボーイ・カペルの愛の形の変遷からも理解できた。けれど・・・それは映画がそう流れていたから判ったのであって、実際心に訴えてこなかったのは、オドレイのココが不機嫌な顔のちょっと服や帽子のこだわりを持っている女性で、意欲は有るけれどわがままな小器用な女に見えてしまったからではないだろうか?ちょっと面白い女性だけれど?みたいな。センスが有る人ならいっぱい居るけどどうして彼女が?というところが弱かったようだ。
勿論、センスがあってお金を出してくれる人が居れば誰でもあれだけの店を成功させられる・・・というわけではない。 パトロンから引き出す以上に彼女の生み出すものに魅力が無ければね?ウン、カリスマ性とか人をひきつける引力とか・・・やっぱり弱い!
仕事をしたい!して生きたい!と言うところをもっと描きこんでくれれば良かったなぁ・・・。
そしてそのために持って生まれたセンスや才覚を磨くところが見たかったなぁ・・・
シャネルの実像が結局映画を通して見えてこなかった・・・理解できたとはならなかったということだ。
ただ田園、牧場?に客を集めて遊蕩しているバルサンが最初はただ面白がっていた少女に恋敵が出来、段々のめり込んでいくところが面白かった。ウン、やっぱりただしたたかに見える。
シャネルがとにかく第二次世界大戦まで大成功したのは、このしたたかさと孤児としての成長過程で身につけた?ハングリー精神だったのだ・・・ということはなんとか分かったけどなぁ・・・それでもなんだか物足りない映画だった。

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